ひょんなことからAppleの株主になりました 《プロフェッショナル・ゼミ》
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記事：安光伸江（プロフェショナル・ゼミ）
母が亡くなって今日(8/18)で７ヶ月になる。
おととし父が急逝した時は大慌てだったが、母は亡くなる一月前くらいには余命数ヶ月と宣告されていたこともあり、こころの準備はそれなりにしていた。特に、遺産相続に関しては、兄との話し合いも問題はなく、手続きも事前にいろいろ確認していた。
母ががんに冒されていると判明する前、食べると吐くようになってから、３ヶ月ごとに大病院で診てもらうのではなく往診から看取りまでしてもらえる個人の先生に主治医を変えることにした。介護のプランを変えるということで、担当者会議にも行った。その翌日からケアプランが変更されるまでの間にショートステイに預けることになった。
新しい先生の振込口座は山口銀行なので、母をショートステイに預けている間に口座を作りに行った。インターネットバンキングができるようにもしておいた。山口銀行の本支店間は振込手数料が無料らしいので、ここに作っておけば安心だ。
母はショートステイ中にも吐いて血便が出たそうで、家まで連れてきてもらってその足で入院することになった。そこからは検査で肝腫瘍が発覚、大病院で検査したら胃がんからの転移で余命３ヶ月という宣告をされ、年が明けてすぐ緩和ケア病棟のある病院に転院してそこで死んだ。あっけない最期だった。
父が亡くなった時、銀行口座は凍結されるから主に母名義の口座で相続していたのだが、株と土地家屋はそのままにしてあった。父も母も同じ証券会社に口座を持っていたので、母の口座に移すというのだと簡易相続ができるんだそうだが、それも１年くらい放っておいたような気がする。父の死後数ヶ月して私自身の乳がんが発覚し（今からちょうど２年前だ）手術～抗がん剤治療などがあって、株のことはよくわからないから後回しにしておいた。
１年以上経ってから、母の部屋に転がっていた書類を発見し、よくわからないながら母の身分証明書やら戸籍（相続関係がわかるもの）やらを送ったら、あっけなく株が母名義になった。そうか。同じ証券会社に口座があれば楽なのか。じゃぁ、今度相続がある時のために私名義の口座を開設しておこうかな、と思ったのはまだ母が入院する前、夏から秋にかけてだっただろうか。両親の時と担当の人が変わって、書類をいちおうもらっておいたのだけど、こんなの作ったら母が早く死んじゃうような気がして、縁起が悪いような気がして、これまた数ヶ月放っておいた。
あ、そうだ、父の株の手続きをしたのはまだ夏だった。ちょうど１年前の今頃、母の寝ている部屋に冷房がなくて暑いから、冷房が入る洋間に介護ベッドを入れたんだった。書類があったのは前に母が寝ていた部屋だったもの。「これどうするん」と相談したのも前の部屋だったもの。そして母を洋間に移し、介護ベッドのレンタル業者さんがトイレやお風呂に手すりをつける工事をしてくれて、その紹介で玄関の鍵を外から開け閉めできるように工事して（前は中からぐるぐるとねじで開け閉めしていた）数ヶ月過ごしたんだった。
母の具合がいよいよ悪くなって私が介護しきれないと悩んでいたのが11月から12月のあたまにかけてだった。そしてショートステイ～病院に入れた。検査に行って、もう死んじゃう、数ヶ月しかもたないと言われたのが12月20日。それからも病院には見舞いに行っていたけど、その帰りにバスで証券会社に行って口座を作ったのが25日だったか。
病院の関係で山口銀行に口座を作っておいたのが証券会社でも役立った。証券会社の取引銀行でもあるし、私に何やら払い込まれる時はこの銀行に入ることになるらしい。へぇ。便利やん。そして口座は年内にできた。はやっ。我ながら手際がいい。
年末年始は母の病院がお休みで、見舞いはできるときいていたけれど、病院の食堂で定食を食べるのが目的の一つでもあったから私は見舞いに行かなかった。５日くらい会えなかったのかな。がんだということは告知しなかったんだけど、母にはわかっていたんじゃないかと思う。胃の出口にがんができていてそこから食べ物が先に進まないので、絶食で、点滴だけで栄養をとっていたのだ。「なんでかわかんないよ～食べたいよ～」と嘆いていた母。でも食べたら吐いちゃうんだからしょうがない。
緩和ケア病棟のある病院には、ベッドに空きが出たら転院する、ということで話がついていたらしい。そのへんは私ではなくなぜか兄が呼ばれたのでよくわかってないのだけれど。今の病院で看取ってもらうのがいいのか、緩和ケアとやらをしてもらうのがいいのか、どっちが母にとって楽なのか、いろいろ悩んだ覚えがある。最期を家で看取ることも考えたけど、私は乳がんの全摘手術と脇の下のリンパ節をとる手術をしているため、左腕に力が入らない。母の下の世話をしようにも、抱えることすらできない。物理的に無理だ。それに看取りを頼もうと思っていた先生のところの看護師さんにも、家で看取るのは私の体力などを考えると無理だとはっきり言われた。なので病院に母の世話を頼むしかなかった。
年末年始に入院した病院ではクレジットカードで支払いができた。緩和ケア病棟のある病院は現金で払いに来るよう言われたけど、振り込みではダメかときいたらこれまた山銀でよいことになった。母のために作った口座が大活躍だ。この口座には母の各種還付金や生命保険なども振り込まれることになった。
そして予想よりはるかに早く、大病院の検査で余命３ヶ月と言われてから１ヶ月たたずに母は死んだ。
兄と相談していたように、葬儀は斎場直送プランにした。家族葬にすればよかった、お寺さんに来てもらえばよかった、と後悔したけど、兄夫婦と３人だけのしみじみした時間を持てたのは、ある意味よかった。
そしてその日のうちに市役所の本庁に行っていろいろ手続きをした。ちゃくちゃく進んだ。
母が口座を持っていた農協と郵便局も、父の時の経験が生きてちゃっちゃと相続できた。兄には現金をなにがしか渡す、代表相続人は私、ということで手続きを進めた。土地家屋も株式も私の名義ということで納得してくれていた。
なので株式はちゃっちゃと、ほんとにちゃっちゃと、簡易相続できた。もはやよく覚えていないけど、死亡診断書のコピーと戸籍謄本を送っただけのような気がする。
ここで教訓。
未婚の子、しかも親と同居している子が代表相続人だと、手続きがとっても、楽。戸籍が一緒だから。
父の時は母にほとんど渡すことになっていて、結婚して戸籍が別になって県内の遠くに住んでいる兄が最初いろいろ手続きをしていたから、かなり大変だったみたい。あといろいろなことを私が母の代理でやった時の方がまだましだったみたい。そして母が死んだ時は、父の時より圧倒的に楽に相続できた。
ちなみに土地家屋は父の名義のままになっていたのだけど、母が死んだので一緒に住んでいる私の名義にすることになった。これは書類をそろえて司法書士さんに頼んだらなんだかとっても楽にできた。いろいろ調べて自分でやれるかもと思ったんだけど、これは司法書士さんに最初から聞いてそろえるべき書類を教えてもらうのが楽だ。これまた同居の子が相続するということで話は簡単にすんだ。遺産分割協議書とやらを作るのも結局司法書士さんのお世話になった。兄は自分の家があるし私のめんどうはみないと言っているので、いま住んでいるんだからそのまま相続してもいいと考えてくれたようだ。ありがたやありがたや。おかげで私は住む家もあればしばらく病気療養しながら暮らせるだけのお金もあれば、なんと株式まであるのだ。お父さん、お母さん、お兄ちゃん、ほんとありがとう。路頭に迷わなくてすんでありがたいよ。そのうちきっと稼げるようになるから、兄ちゃんに心配かけないようにするから、見守っててね。
……というのがここ数ヶ月の動きだった、のだが。
先日、証券会社の人から電話が入った。やれ国債を買え（買った）、年金の形で受け取れるように貯蓄しろ（別のところですでにやっちゃった）、取引を始めないか、といろいろ言われるのでちょっと警戒していたのだけど、今回は家に来るという。「明日の午前中ならあいてますけど」ということで、クロネコさんがAmazonの荷物を運んでくれる時間を指定してみた。どうせ待つからね。
そしたらなんと、外国株のお誘いだった！
いま持っている株は、父が定年まで勤めていた会社と、docomoと、あとよくわからないところ。父のいた会社とdocomoは持っておきたい、と前から主張していたけど、あとよくわからないところはどうでもいいなぁ、と思っていたら、何やら外国株をお得な条件で始められるキャンペーンをやっているらしい。
勧められたのは、アマゾンドットコムとビザだった。Amazonはめっちゃ使ってるからいいかな～とも思った。ビザはクレカの審査が厳しいので相性悪いかもな～と思った。そしたらその時見せてくれた資料のいちばん上に
アップル
という文字がある。時価総額１位だ。つまりお高いということだけど。
「アップルじゃだめですか～」とダメ元で聞いてみたら、いろいろ調べてくれて、ほとんど手出しなしでアップル株が持てるらしい。ほ～。いいかも。いったん山銀からお金を振り込まないといけなかったけど、たまたま山銀には現金があった！ こ、これは神様のお告げかもしれない。Amazonも日本のAmazonじゃなくてアメリカのらしいから使ってないし、ビザはクレカを持ってない。５位にFacebookがあったけどなんとなくうさんくさい。
やっぱりアップルがいいな～
iPhone、iPad、MacBookを駆使する私は、アップル信者とまではいかないものの、アップル応援団と名乗ってもいいだろうと思う。そんな私が
アップルの
アップルの！
か、株主に！！！！！！！
それはすばらしいではないか。しかも今持ってる株などをちょちょいと動かして、ほとんど出費がなくて手に入る。らしい。よくわかんないけど。
というわけで山口銀行さまから証券会社に３日にわけて入金し、週明けにはきっちりアップルの株主になれる……はずだ。
うれしい。めっちゃうれしい。
右から左に株式をかえただけで、お金が増えたわけではないけど、でも何か、豊かさをもらった気がした！
やっぱり株を持つなら、「応援している会社」のものがいい。
株で儲けるとかそういうのはあまり考えてないせいもあるけど、どうせなら、業績が伸びて欲しいとこころから願える会社の株がいい。
ゆくゆくはもうちょっと勉強して、国内の、応援したい会社の株も買ってもいいかもね。なんてことも思ったけれども
お父さんお母さんお兄ちゃん
伸江はアップルの株主になったよ！ なんか豊かな気分だよ！
みんなのおかげだよ！ ありがとうありがとう。
アップルの、というのですごくうれしいし
両親や兄に感謝できるのがこれまたうれしい。
よかったよかった。
お父さんお母さん
伸江はがんばって生きるから、天国で見守っていてね。もっとゆたかに暮らせるようになるからね！
ありがとう。
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