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メディアグランプリ

これから母になるあなたへ。ワーキングマザーのすすめ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:佐々木さおり(ライティング・ゼミ平日コース)

「もう!いい加減にしなさい!」

育児をしていると、何度も何度も出てしまうフレーズ。
今日も、昨日も、毎日出る。

子供の理解できる言葉で説明しなければ、子供にとっては怒られている理由がわからないのは、重々承知している。
けれど、毎日繰り返される兄弟ゲンカに「いい加減」など存在しなくたっていい、という気になる。ひとまずでいいから、この状態が収まりさえすればいいのだ。
イライラした私は「いい加減」の加減など一切わからない人たちに向け、今日も「いい加減にしなさい!」といってしまう。

私には二人の小さい子供がいる。
帰りが遅い、週末も仕事であまり家にいない夫もいる。
そして、子供が生まれる前からフルタイムで働き、2度の産休を経て復帰し、ワーキングマザーとしての経歴は5年目になる。

そんな私の日常の話をしよう。

平日は、子供が目を覚ます前、日の出とともに起きる。
嵐がくる前のつかの間のひと時、自分の身支度を済ませるためだ。子供が起きてしまえば、化粧などゆっくりしていられない。アイラインはガタガタに、眉毛は描きそびれかねない。

そして、一通り自分の準備が済んで朝ご飯を用意したところで、なかなか起きない子供たちを叩き起こし、眠そうな子供たちの機嫌をとりつつ、各自の口に朝ごはんを突っ込む。

出かける時間が近づくにつれ、私の号令はヒートアップする。
自分で身支度をさせないといけない年齢の上の子には、時間を教えつつ補助し、「ふく、やだ!」とぐずる年齢の下の子の着替えなど半ばあきらめている私は、むりやり抱え、パジャマのまま車に押し込むこともある。

そんな下の子は、真冬にタンクトップ姿で登園することもある。そんな時は奥の手だ。あえて先生に服を渡し「着ないんですって」というと、意地を張っていた自分に気づくのか、先生だったら素直に袖を通す。にくたらしくもあり、かわいい姿を見せる。
そんな子供を保育園に送り届け、一息つく間も無く職場へと向かう。

もちろん、職場に着く頃にはひと仕事終えた気分だが、
仕事モードにシフトを切り替えて、業務をすすめる。

慌ただしく業務が進み、ふと気がつけばすぐお迎えの時間だ。

子供をピックアップし、自宅へ帰り、一息つく暇もなく夕食の準備。
しかし、そうそうスムーズに準備は進まない。

ママ聞いてー!
ママ見てー!
ママー!おもちゃ取ったー!
ママー!抱っこー!
ママー!
ママー!

まぁ、よくもそんなにママ、ママ、呼ぶことがあるわね、と思うくらいお声がかかる。
呼ばれては駆けつけ、
戻れば呼ばれ。
一階から二階へと、常に階段は駆け上がっている。
家の中では、常に走っている気がする。
万歩計をつけていれば、
室内だけで、日々相当な距離を歩いているはずだ。

そして、ご飯を食べれば、すぐ歩き回る下の子と、
追いかけながらの食事をし、自分の口に入るのは、冷えた残りものだけ。

お腹が満たされて、おとなしく遊ぶ子供たちに、ほっとする暇もなく次はお風呂の準備だ。
戦争のように洗い、お風呂から上がるビショビショの子供を、ビショビショのまま追いかけて拭き、ドライヤーの風に飛ばされたがごとく逃げ回る子供と格闘しながら髪を乾かす。

そして、気がつけば就寝時間。

寝室では絵本を両脇に抱える子供の、アンコールに応え何冊も絵本を読んでいると
だんだん読み聞かせている自分が眠くなり、ろれつが回らなくなる。

子供が寝ると同時に自分も力尽き、
一緒に寝るつもりもないのに、まぶたが勝手に閉じ、記憶がない。
気がつけば深夜2時。
あぁ、今日もやってしまった、と思いながら、次の日の準備をする。

これが私の、平日の基本の流れだ。
これを、ワンオペ育児というのだろう。

子供を産む前は、
主婦はいいよなぁ、家にいるだけなんて、などと思っていたが、
現実は全くの思い違いだった、と子供を産んで、産休中に痛感した。

家にいる間、母親は子供と24時間向き合い続けることになる。
しかも、家事を完璧にこなしてあたり前という、夫からの無言のプレッシャーも感じる。
その孤独な、ひとりで戦い続ける日々をずっと続ける恐怖を感じ、
私は早々に社会復帰を決断した。

働けば、日々は追い立てられるほど忙しいことはわかっていたが、
余計な、くだらないことに頭を悩ます時間も惜しく感じるようになる。
必要なことを、優先順位の上位から片付ける術をみつけ、合理的な生活になっていく。
そして一番のメリットは 、それだけいろんなことをやるのだから、完璧にはできない、という言い訳ができる。
わたしには、その方がよかったのだ。

日々の生活は本当にてんてこ舞いで、
私の頭のハードディスクは常に容量ギリギリだけれども、
ワンオペ育児のおかげで、作業効率と優先順位付けが相当上手くなったのは確かだ。

人は負荷をかければ、それに耐えうる術をみつける。

私は、子供を産んで、仕事を続けて、
もう辞めたい、なんてことは何度も何度も、数えられないくらい思ったし、
今も、子供を感情的に怒ったとき、子供の急な病気で仕事ができないときは、時々辞めようかなと思う。
子供がいない、自分だけの時間が欲しいと思うときも、もちろんある。

でも、なんだかんだ続けてしまっている。
大変さを感じる以上に、日々の生活が充実していると感じる。
仕事の面白さや、社会から必要とされている実感があるからだ。

もしも、これから母になるあなたが、
妊娠出産を機に、仕事をやめようか、続けようか迷っているのなら、
とりあえず、という気持ちいい。
ワーキングマザーに足を踏み入れることをおすすめしたい。
私がそうであったように。

家庭という社会で、子供に、家族に、必要とされる、
それももちろん、ほかの誰にも代わりのできない役割だが、
社会から必要とされる、社会に対して貢献できる幸せを今、感じて働いているのなら
いつかどうしても辞めなければいけなくなる、その日まで、続けてみる選択をしてみてはどうだろう。

辞める選択をするのは、今じゃなくてもできる。
続けた先にしか見えない景色が、必ずある。

社会通説や、固定概念、
子供は親の手で3歳まで育てなさいという3歳神話を鵜のみにしないでほしい。
必ずそれが自分に合う生き方なのか、考えてほしい。

答えは自分の中にあるはずだ。

私は子供に、胸を張って生きる自分を見せたい、と思う。

あなたはどうだろうか。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-10-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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