メディアグランプリ

中途半端でいいじゃない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:松本 陽子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「突発性難聴ですね」
昨年の11月中旬、耳の調子が悪く耳鼻科で検診を受けたところ、私はこんな診断を受けていた。右耳の低音が聞こえていない状態とのこと。ショックだった。
原因を聞くと「疲労・ストレス」とのことだった。
 
そう、その頃私はとても疲れていた。
 
それは、ライティング講座の「課題」をどうしても毎週出したくて無理をしていたのである。
 
私が昨年10月から始めたその講座には、毎週課題提出があった。
義務ではないのかもしれないが、結局そこで頑張って切磋琢磨してライティングの経験を積めるということ。さらにスタッフの方に添削してもらいフィードバックをしていただけるという、私にとってとても大事にしたい課題だった。
 
だから、がんばって最初は7時間も8時間もかけてやっと課題を提出した。
1つの課題を書くのにとても時間がかかった。少し慣れてきてでも4~5時間はかかった。
毎日、育児家事、仕事と親の介護手伝いなど時間がとれない中、
週に4、5時間も自分のために時間を捻出することは、今の私には厳しいものであった。
だけど、私には書きたいことが沢山あったし、仕事にもライティングの必要性を強く感じていたので、自分の技術があがるためなら課題提出だけは欠かさないように頑張ろうとしていたのだ。
 
そのため睡眠時間を減らしてその時間を捻出した。その結果、体を壊した。当たり前の話だった。
 
「そうか、私の状況でこの講座に申し込んだのが間違いだったのだ」
と嘆いた。そして現実を受け入れた。
 
しばらくの間、隔週の通信講座の視聴だけは聞いて、課題提出はお休みすることにした。
 
そんな中、毎週提出日が近づくと、他の方の提出された課題を見ることができる。
みんな、おもしろいな。すごいな。成長されているな。と羨ましく思っていた。
 
毎週課題を出している人や、添削で褒められている人。落ちたけど前向きに頑張っている人。メディアグランプリで選ばれている人など。毎週課題を出せない私は、それをみていて羨ましかったし、毎週提出しない自分がとても後ろめたくダメな存在に思えた。
子供にまだ手がかかったり、介護が必要な親から呼び出しがくると、イライラもした。
 
しかし、どうしても頑張りたいという気持ちから、中途半端ながらも課題は毎回ではないが、無理せずできる時だけにでも提出するということにした。
通信講座だけは遅れてでもきちんと受け、ネタや簡単なラフ書きは隙間時間にスマホなどに書くようにしていた。そのため「時々の課題提出」とという他の方よりスローペースだが私なりに少しずつ取り組んだ。
 
そして、もうすぐ講座も終わりになる頃、現実に驚いた。
自分的には中途半端ではあったが、実際に振り返るとライティング経験ゼロだった私だが確実に成長していたのだ。
それは……。
パーフェクトではないが提出できた課題については、合否のようなものがあるのだが、落ちたら助言をいただけたし、受かったら大きな自信をいただけたこと。
以前は文章を書くことへの苦手意識が強すぎて何から書いていいのかわからなかった私が、何度か真剣に書くことで、今はちょっとした文章なら少し楽しめるほど抵抗がなくなったこと。
数は少ないが、こなしていく度に課題へかかる時間が減っていったのでスピードも少しは早くなったこと。
プロのライターの方の貴重な話を聞けて、意識や技術など細かいことまでかなり勉強させていただけたこと。
 
こんなにたくさん成長できたということは、パーフェクトを目指せなくなったときに投げ出さずに、前進できた自分がいたからなのだ。
自分の状況を理解して、その中でベストを尽くして取り組めること、これが大事なことだったのだ。
 
サッカー少年の息子をみていても、ちゃんとした目標をたてるということも難しいと感じる。
例えば、小学校低学年のときに
「1週間でリフティング100回できるように」
と無謀なことをサッカーノートに書いてあった。
初めは、パーフェクトにできなない自分に泣いて怒っていたが、できないことを受け止めて挑戦をくり返し、1週間ではないが、数か月後にはリフティングは50回以上できるようになっていた。そして数年後の今には200回以上もできるようになっている。
目標は完璧にこなしていなくても、確実に前進しているし結果それができるようになっているというのは、とても大きな成果になるのだと思う。
中途半端でも進んでいればそれでもいいじゃない? と思えるようになった。
 
例えば、ダイエットでもそうだ。
目標は立てるが挫折する女性は山のようにいると思う。だが、中途半端でも続けていれば、まったく気にしないよりは太ることは少ないだろう。
 
人それぞれ状況や環境、能力は様々。きっと何かしら一つの課題に取り組むのにも何通りも状況がある。皆がパーフェクトにできることなんてない。
だったら、自分なりの向き合い方があったっていいじゃない。と思う。
 
パーフェクトで行うことはとても難しい。挫折もしやすい。
でも、中途半端でもそれを繰り返していれば、いずれ自分は成長しているということなのだ。
だから、中途半端でいいじゃない。
目標に向かって進めているなら。
 
 
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2019-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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