メディアグランプリ

私の部屋が片付いた、たったひとつの方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:藤村薫(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
お恥ずかしい話だが、私は片付けが下手だ。とてつもなく下手だ。
ゴミが散らかっているような不潔なわけではないが、とにかくモノが多く、「散らかっている」という印象を与える部屋で暮らしている。
モノが多いとは言っても、床の上に積まれているということもなく、かなりの部分は収納スペースに収まってはいるのだが、なんとなく落ち着かない。
どうしてなのだろう、と悩みつつ、いろいろ調べては試してみたけれど、決定的な解決方法は見つからず、そのまま暮らしてきた。
 
物の配置や色のバランスなどに関するセンスが壊滅的にないのは事実だが、それがすべての理由ではない。
だったら、今ある家具をすべて捨てて、インテリア雑誌かなんかの気に入ったページを完全に再現すれば、その後は気持ちのいい部屋になるのだろうか?
一時的にはなるかもしれないが、それをキープしていくのが難しいし、金銭的にも時間的にもダメージが大きすぎる。
色やデザイン、インテリアに関する勉強をすればマシにもなるかもしれないが、部屋の片づけが目的だとすれば、遠回りすぎる。
 
モノの量に対して収納が少なすぎるのか?
確かに、収納スペースがものすごく多い部屋ではないが、私が抱え込んでいるモノが多すぎる自覚もある。
以前はこまごましたものが目に入らなければいいのかと、いろいろな収納ケースを購入して納めてみたこともあるのだが、あまり変わらなかった。
その後、あちこちで「片付け下手はすぐ容れ物を買う」と書かれているのを読んで、まさに自分のことだと恥ずかしくなった。
 
モノを減らせばいいのか。
だが、どれだけ頑張って減らせるものを吟味したところで、「使っていないけれど捨てられない思い出の品」というのはどうしてもある。
巷にあふれる片付け術では「写真に撮って、現物は捨てましょう」とか「想いさえ忘れなければ、ものは必要ないはず」などと言われたりするが、そんな風に簡単に思い切れるなら苦労はしない。
世の中のすっきりした暮らしの人は、過去の思い出にまつわる品はすべて手放しているのかと言えば、そんなこともないだろう。
 
また、好きな作家の本やアーティストのDVD/CDなどは、出るたびに増えていく。収納のことだけ考えれば、電子書籍に切り替えるとか、図書館で借りるとか、曲はダウンロードで買うとか、部屋のスペースを圧迫しない方法はいくつもある。
けれど、私は紙の本が好きだし、機器の電池残量を気にせず文章を楽しみたい。DVDのジャケットや、おまけのブックレットも欲しい。
スペースのことばかり考えて、好きなものを諦める生活は、気持ちが落ち込んで苦しくなってしまい、反動でバカ買いしそうになったので、これはもう増えるものだと諦めた。
 
なら、どうすれば良いのか。
いろいろな書籍を読んだり、コレクターでモノが多いのに部屋がきれいな友人にアドバイスをもらったりした結果、「完成形を明確に思い描けていない」のが原因ではないかと思い当たった。
「どういう部屋にしたいのか」が決まっておらず、ただ「すっきりさせたい」というぼんやりした目標だから迷走するのだ。
部屋のイメージがきちんと固まっていないから、きちんと動線を考えずに家具を置いてしまい、出し入れが面倒になったり、無駄なものが増えたりする。統一感のない収納家具を買って、部屋の中が雑然とする。
だから、まず私がすべきことは、「どういう部屋に暮らしたいのか」を具体的に思い浮かべることだったのだ。
 
ただ、いきなり「具体的な理想の部屋」と言っても、どうしても現実の部屋に引っ張られてしまって、最初はよく分からなかった。
「北欧風」とか「カフェ風」とか「バリ風」とか、ありがちなワードで考えてみたりもしたが、どれもしっくりこなかった。
けれど、完成した部屋でやりたいことを想像していくうちに、なんとなくイメージが湧き始めた。
たいした希望ではない。
けれど、幾つか浮かんできた内容を実現できる配置はどういうものか。どんなインテリアを見た時に私は「居心地よさそう」と感じるのか。
そういったことを何度も考えているうちに、頭の中に私なりの「理想の部屋」ができてきた。
 
そこからは、非常に楽になった。
基準が明確になったので、物を買う時・捨てる時に迷うことがほとんどなくなった。理想の部屋に置いてみて、不自然であれば買わなければいいし、捨てればいいのだ。
また、整理整頓、掃除なども、義務ではなく、楽しい作業となった。
なにより、漠然と「片付けられない……落ち着かない……」と抱えていた不安や違和感から解放されて、精神的に軽くなったことが一番ありがたい。
 
来月の連休、今の部屋に引っ越して初めて友人が泊まりに来る。
今でも、だいぶ居心地が良くなってはきたが、友人と楽しく過ごす光景を思い浮かべながら、最後の仕上げを進めている。
さて、帰ったらどこを変えようか。
今日も私は、わくわくしながら家への道を歩いている。


2019-02-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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