筋肉痛で10キロ痩せた体験談
＊この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事：鈴木裕太（ライティング・ゼミ火曜コース）
「さすがにこれはやばいって。20代でそれは心配になる」
職場の先輩にお腹の肉をつままれ、こう言われた。
冗談混じりではなく、本当に心配そうな顔をしてそう言われた。
「自分は痩せてはいないけれど、太ってもいない」
私は、疑いもなく、ずっとそう思っていた。
「この写真見てみろって」
そう言われ、スマホを受け取ると、横から撮られた私の写真が目に映った。
「確かにこれはやばい……」
普段の生活で、自分を横から眺めることはないから気が付かなかった。
写真を通して横からみた自分は確かに太っていた。
自分も自分自身が心配になるくらいに。
もっと客観的なデータが欲しいと思い、調べてみる。
身長170cmで体重は73kg、BMIは25。
BMIの基準でいうと、どうやら私は肥満のようだ。
「ダイエットをしなければ……」
そう思った。
けれど、これまでを振り返ってみれば、ダイエットは何度もしてきたがうまくいった試しがない。
朝バナナダイエット、納豆ダイエット、糖質制限ダイエットという流行りのものから、ランニングのような古典的なものまで、今までいろんなものにチャレンジしては失敗してきたのだ。
「僕、ダイエット失敗してばかりで……。どうすればいいんですか！」
そう言って先輩に泣きつく。
「体重を落とすには、筋肉をつけて代謝をあげるのが一番やで」
そう先輩にアドバイスされ、私は会社の近くにある24時間営業のジムに通うことに決めた。
週に2回ジムに通う。
食事はタンパク質中心で炭水化物はできるだけ摂らない。
この二つのルールを胸に誓い、ダイエットを始めた。
正直なところ、最初はどうせ失敗すると思ってジムに通っていた。
意思の弱い自分は、飲み会でついついビールを飲んでしまい、挙げ句の果てには、シメにラーメンを食べに行ってしまうのだろう。どうせ自分はそういう奴だ。そう思っていた。
しかし、自分でも信じられないほどダイエットはうまくいったのだ。
1か月目で5キロ痩せ、最終的に3か月で10キロも痩せたのである。
久しぶりに会った友人知人、会う人会う人全員に気付いてもらえるくらい痩せた。
10キロ痩せると本当に身体が軽くなったように感じる。
階段も楽々上がれるし、信号が点滅したら身軽にスタスタと走れる。
なぜ、これほどまでにうまくいったのか。
これまで、何度もダイエットに失敗してきた私が、今回成功をおさめたのには決定的な理由がある。
今までのダイエットになくて、今回のダイエットにしかなかったものがあるのだ。
それは、筋肉痛だ。
筋肉痛のおかげで、私はダイエットに成功し、20代男性の標準的な身体を取り戻すことができた。
なぜなら、筋肉痛は、私にとって食欲抑制剤のような効果を持っていたからだ。
ダイエット中の3か月間もこれまでと同じように週に1回以上は飲みに行っていた。
生ビールに、ラーメン、チャーハン、パスタと誘惑は多かったが自然と我慢できた。
「こんなに筋肉痛になるほど、頑張ってトレーニングしたのに無駄にはできん！」
筋肉痛の腹筋と太ももを触ると、そう思うことができたのだ。
ビールを飲みたい気持ちよりも、トレーニングを無駄にしたくない気持ちの方が強かったので、お酒はハイボールしか飲まなかった。
「筋肉痛にはタンパク質や！ タンパク質を摂取して筋肉を大きくして基礎代謝をあげるんや！」
そう思うことで、誘惑に打ち勝てた。
ラーメンを食べたい気持ちよりも、筋肉をつけたい気持ちの方が強くなったので、焼き鳥などの肉料理を食べることだけで満足できた。
「筋肉痛が無くなるとそういった誘惑に負けるのでは？」
そんな不安を押しつぶすようにジムに通い続けた。
ジムに通い、トレーニングを続けると当然筋肉が鍛えられるので、同じ負荷では筋肉痛にならなくなってくる。
少しずつ負荷をあげていっているが、ジムに行った翌日に筋肉痛になっていなかったら、悔しい気持ちになる。
「筋肉痛にならんトレーニングなんてやらんかったのと同じや！」
ジムに通い続けているとそう思うようになるのだ。
ジムに行って筋トレをする。
筋トレをすると筋肉痛になる。
筋肉痛になると食事制限が上手くいくし、筋肉も大きくなる。
筋肉が大きくなると筋肉痛になりづらくなる。
不安になって負荷をあげて筋トレするようになる。
負荷をあげて筋トレすると筋肉痛になる。
この筋肉痛の好循環で10キロ痩せて、健康的な肉体を手に入れることができた。
筋肉は裏切らない！ そして、筋肉痛はいつでも私の味方なのだ！
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