メディアグランプリ

結婚と事実婚と


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記事:Miwa.I(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
「え、なんで籍いれないの? 籍入れて早く幸せになりなよ~」という友人と「いいな、私もできれば姓を変えずにいたかった~」という友人と、
私は事実婚で今後やっていくという趣旨の話をすると、面白いくらいにどちらかに意見に分かれる。
 
私からすると、「相手の姓になれてとっても幸せ」という人はともかく、「本当は変えたくなかったんだけど仕方なく姓をかえた」という女友達の気持ちを考えるととても可哀そうで、事実婚という選択はなかったのだろうか……と思ってしまう。少なくとも数十年名乗ってきた姓は自分のアイデンティティの一部だと思うからだ。
 
私が事実婚を選択したのは、第一に夫も私もアイデンティティの一部である姓を変えたくなかったから。そして夫婦共働きである以上、扶養に入らない限り、籍を入れる金銭的な大きなメリットを感じなかったし、確率的に2組に1組は離婚といわれつつある世の中でわざわざ籍をいれて離婚をする必要もないだろう、と思ったからである。
 
とはいえ、日本での生活はいまだに籍を入れたほうが何かとスムーズなことも多く、事実婚は壁にぶち当たることもある。
 
私たちが最初に壁にあたったのは、住宅ローンの融資だった。二人共同でマンションを購入することにした私たちは、住宅ローン審査を受けることにした。
 
最初にびっくりしたのは、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行という2大都市銀行で対応が異なることだ。みずほ銀行については夫婦別姓で全く問題ございません、ということで審査を進めてもらったのだが、三菱東京UFJ銀行では婚約証明書が必要で、住宅ローン融資後に婚姻しなければならない、という点が条件だった。
 
本当は三菱UFJ銀行の金利が一番安くて、できればそちらにしたかったのだが、
結局、どちらも審査を進めてもらって夫婦で話し合い「事実婚のままで」という結論に達したので三菱UFJ銀行は「なし」になった。この2銀行だけでなく、都市銀行含め、地銀や信用金庫でも対応が2分されたのが今の日本を現わしているなぁ、と感じた。
 
住宅ローンの他にも、私の所属していた会社の福利厚生は同姓の家族のみ受けられるという内容等、ちょこちょことした事実婚に対するトラップが存在している。
この先子供ができたらどうするの? ともよく聞かれる。
 
ただこれに関しては、私は父が外国籍だったため自分もずっと夫婦別姓の家庭で育ったため胸を張って言えると思うのだが、何の問題もなかった。
よく夫婦で姓が異なると「家族の結束感がうすれる」というデメリットを、夫婦別姓反対の意見で目にするが、個人的にそんなことを感じたことは全くない。
 
むしろ、さまざまな問題を夫婦で解決するためによく話し合うことによって
「結婚」よりも夫婦間の結束やコミュニケーションは、より強固なものになるのではないかと想像している。
 
子供のことだけでも子供には学校でどちらの姓で名乗らせようか、将来子供にはどちらの姓を名乗ることをいつ選ばせるのか、など考えるきっかけは多いし、
そもそも「夫婦」としての決まり事はどうするかも自分たちで考える必要があると思う。
そのたびに夫婦で話し合い、当たり前ではない環境に立ち向かうことが私たち夫婦にとっては心地がよいのかもしれない。
 
ハフポストの記者で事実婚を貫いている方がいらっしゃって、夫婦で公正証書を作ったという記事が載っていたが、「浮気したら?」「他方が死んだら?」などなど「結婚」により守られている法律とは別に、イチから自分たちでルールを決めることによって「結婚」よりもより強固な関係を気づいているという話もでていて、なるほどと思い、いつか自分たちも実践してみたいと思っている。
 
無理に公正証書で約束しなくても、もしかしたら、そこで籍を入れたほうがいいね、という結論になればそれはそれで籍を入れればいいのかとも思う。
 
結婚がよりカジュアルになっている一方でやはり離婚の数は増えていて、別に離婚が悪いことではないと思うのだが、最初から離婚したくて結婚するカップルはいないとすると、
簡単に結婚するより、結婚の前の制度を整えて、いろんなかたちのカップルが生存しやすい世の中になってもいいのかもしれないなぁと、思う今日この頃。
 
 
何はともあれ、世の中の大半の女性は結婚後に男性に合わせて姓を変える人が多いと思うので、面倒な私に付き合ってくれている夫には感謝している。
 
 
 
 
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2019-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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