メディアグランプリ

棚田の景色を観て、ライブ配信メディアをやることになる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:笠原 正幸(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
「私、異動ですか?」
社会人2年目の春、福島県から都内へ異動となった。話を聞いたとき、私はワクワクしていた。なぜならば、当時、連絡を取り合っていた高校の友人が、都内でシステムエンジニアとして勤め、仕事もプライベートも充実していることを聞いたからだ。その友人は短大を卒業して2年ほど早く、社会人になり、仕事でインドや韓国、国内だと九州や青森、さまざまな場所を飛び回っていた。内勤で都内の職場にいるときは、退社したあと、新宿や渋谷にくり出し、社会人になってからも友人と呼べる仲間ができていた。直接会ったときに、彼のイキイキしている姿が、私には輝いて見えた。
なので、異動の話を聞いたときは
「自分も、同じように都内で仕事できる!」
と気持ちが高まっていた。
偶然にも、その年は桜が早咲きで、私が異動後の初出勤には、綺麗な桜吹雪になっていた。「歓迎されている!」
そんな風にさえも思え、心が躍っていた。
 
しかし、現実は違った。
 
「なんてこった!」
私が、もっとも恐れていたことが起こった。
電車通勤で片道2時間かけて通い、朝は通勤ラッシュ、帰りは夜21:00に仕事が終わるため、寄り道することもできなかった。帰宅がてっぺん越えることもあり、休日はカラダを休めることに徹するしかない。そう。
「仕事と家の往復」
私がワクワク想像していたのと、かけ離れた状況が1年半ほど続いた。だんだんと身体に慣れていき、社会人3年目になると、タスクをこなすだけの仕事ではなく、スキルアップしたい自分がいた。ただ、21:00に仕事が終わるため、家に帰る以外にどこにも行くことができなかった。どうにかスマホで勉強するツールを見つけて、行き帰りの電車で、勉強するようにしたが、仕事では見える成果をあげることができなかった。
 
「もはや、この職場の働き方がブラックすぎるのでは?」
 
そんなことを考えている間に、だんだんと勉強もしなくなり、できない理由を「時間がない」という言葉で片付けるようになっていった。そのうちに新しいことをやるモチベーションもなくなり、しまいには「ちょっと大変そう」だなと思っただけで、避けるようになっていた。その考え方はいつの間にか習慣になっていたので、誰かに話すわけではなく、助けてもらうこともなく、日々を過ごしていた。
 
ある時に友人に誘われて、千葉の鴨川へ旅行に出掛けた。車で走らせること2時間半、棚田が広がる古民家に到着した。古民家の家主さんは、元々、地元の人ではなく、世界一周や日本一周を経て、ここの古民家にたどり着いたという。なんともワイルドな人生だ。
自分とは、無縁な人。そんな風に少し心を閉ざしかけた自分がいた。友人と一緒に、古民家でご飯を食べて、家主さんに連れられて棚田へ移動。棚田の1番上の段には、縁側があり、そこに腰掛けてると、棚田と青空が広がる素晴らしい景色があった。久しぶりに心の奥底にあるワクワクが刺激され、家主さんに、この土地に来た経緯や生活について聞いてみた。
 
ここに来たのは直感です。世界を旅している中で
イタリアの農村で、日本の農業に努めるようにと言われました。
その後、日本を旅して、この地を見つけた。
最初は、できることをなんでもやった。
里山保全をして、薪を石炭にもしたりする。人の田んぼを手伝ったり
手伝ってもらったりするよ。
初めて、お米を作ったときは「これで死なない」と思ったよ。
 
何か頭から足先まで、身震いのような感じがした。
死んでいるのは、自分の欲求だ。誰かのせいにして、自分の欲求を「できない理由」で抑えていた。誰のせいでもない。自分自身で「できる理由」の可能性を消していたんだ。田舎には「仕事がない」「若い人がいない」「何もない」という人がいる。仕事がないならば、自分も他の人も困っていることをやっていけばいいんだ! そして、それをどうやってやるか分からなければ、「できる」ようにトコトン追求していけばいい。1人で完成しないのであれば、みんなに協力を求めればいいんだ。
棚田の夕日が沈む中、僕の身体から何か浄化されていくのを感じた。
 
休み明けから、僕の思考はガラリと変わった。
 
「お客さんにどんなニーズがあるのか?」それはわかっている。
そのための勉強もできていた。
しかし、スマホの勉強は一方的の情報で、現場での成果が上がらなかった。
知識をどのように現場に使えばいいか分からなかった。
では、現場で使えたのは?
やはり直接質問もできるリアルな勉強会であった。
ただ、帰りは遅いし、家に帰るので毎日が精一杯。どうやってスマホでリアルな勉強会が可能なのか?
そんな気軽に参加できるものは世の中にはなかった。
 
「できる理由を探した」
可能性が1%でもあるならば、それをやってみたい。
現場で使えたのは、勉強会中に、頭に過ぎったお客さんの疑問を、すぐ、その場で聞けることだ。さらに、特に使えたのは、同じ境遇の近い関係の講師から得られる回答。
1人では完結できないため、同じ境遇の仲間を集めた。観てくれる人にも助けてもらい、メディアを育ててできたのが今回のメディアだった。
 
これからどんなメディアに成長するか、私も楽しみで仕方がない。
 
鴨川の棚田の景色や文化のように、「できる理由」を探す習慣ができれば、明るい未来が待っているかもしれない。
 
 
 
 
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2019-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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