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メディアグランプリ

彼女と別れてけん玉を始めたら人生の大事なことに気づいた話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:近江建統(ライティング・ゼミ特講)
 
 
「もういい加減にしてくれ! 」
さすがの僕も、同じ事を繰り返す彼女には我慢の限界だった。
「何度も何度も約束を破るし、嘘もつく。そんな相手といつまでも一緒にいられない!」
そう言って僕は高校二年生の春から、大学二年生の冬まで約4年間付き合った彼女と別れた。お金も時間もいろんなものを彼女に捧げてきた。彼女のためにといろんなことをしてきた。彼女の存在こそが生きる理由だと思っていた。その結末がこんなものになるなんて思いもしていなかった。
 
彼女と別れてからというもの、何をしていても心にぽっかりと穴が開いたような感覚があった。何をしても楽しくないし、何も得られるものがないのだ。そもそも、彼女のことが嫌いで別れたのではない。彼女から自分のことを大切にしてくれているという想いが感じられなかったのが悲しかったから別れたのだ。未練なんてたらたらだ。でも、ここでよりを戻したところで、彼女は僕のことを大切にしてくれるはずもない。この選択が正しかったのだ。そう考えている僕の頭とは裏腹に僕の体は、僕の手は机の上にあるけん玉に伸びていた。そのけん玉は去年の夏に彼女が誕生日プレゼントでくれたものだった。結局僕は彼女への想いが断ち切れず、彼女が残していったもので、さみしさを紛らわせるのだ。
 
けん玉でかちかち遊びながら彼女との日々を振り返る。一日、二日、一週間、一ヶ月、毎日けん玉に触れ続けた。そこにはもはや彼女との日々を振り返る悲しい自分ではなく、純粋にけん玉にハマり、楽しんでいる自分がいた。毎日、毎日、朝から晩までけん玉で遊び続ける。インターネットでけん玉についての技を調べ、できるようになりたい技を見つけると、すぐに挑戦し始める。もちろん最初は挑戦したところでできない。だが、できなくても諦めない。何度も何度も繰り返し動画を見て、技がどの様な動きで成り立っているのか研究し、こうやったらできるのではないかと仮設を立てて、実行する。その繰り返しだ。毎日毎日、試行錯誤しながらコツコツ取り組む。一見地味にも思えるこの過程にもなんとも言えない気持ちよさがあるのだ。できるようにならないとおもしろくないのでは? そう思う方もたくさんいらっしゃると思う。違うのだ。できなくても確実にあと少しのところまでは来ているのだ。少しずつ、少しずつだが、進歩している。昨日の自分よりできるようになっている。成長している。それがなんとも気持ちよいのだ。そんな気持ちよさを味わいつつ、毎日コツコツ取り組んでいると、来るのだ。その瞬間が。そう、技が成功する、できる瞬間である。その達成感といったら、もう言い表せるものではない。しかも、その達成感はまるでバネのようで、できない期間、コツコツと取り組む期間が長ければ長いほど、我慢した時間が長いほど、とてつもないものになるのだ。これが彼女に対する想いを忘れ、けん玉に僕がのめり込むことになった理由だ。成長を実感し、達成感を得られる。これがけん玉の素晴らしさだ。
 
ふと僕はけん玉があるものに似ているなと感じた。そのあるものとは何か。人生だ。
人生も何か目標をたてて、それに向かって毎日毎日、コツコツと挑戦し続ける。何度も何度もその目標について考え、こうすれば達成に近づくのではないかという仮説を立てて、実行しては修正し、実行しては修正する。その過程で確かに目標に近づいているということを感じ、自分の成長に喜びを感じる。そして最後にはその目標を達成する。そのときの達成感は下積みが長ければ長いほど、大きいものになる。全くもってけん玉と同じだ。
 
けん玉なんてただのおもちゃだろう。遊びだろう。そう考えいる人が今の社会ではほとんどだ。しかし、先ほどまでに述べたことを思い出してほしい。人生とは結局トライアルアンドエラーの連続だ。ある目標を達成するため何度も失敗し、そこから学んだことを基に修正し、さらに挑戦する。そのようにして自分の人生をよりよいものにしていく。けん玉も同じだ。ある技をできるようにするために、トライアルアンドエラーを繰り返していく。これこそが人生の成功法則なのだ。成功するまで何度でも挑戦する。当たり前のようだがこれができる人は少ない。小さい頃から行っていないと大人になったときに失敗を恐れ、挑戦することができないのだ。ではこれを身につけるために、小さい頃に何をすればいいのか。そう、答えは簡単だ。けん玉だ。けん玉が毎日コツコツと取り組み、失敗しながらもそこから学んで、挑戦することを教えてくれるだろう。最後に。
 
けん玉は人生だ! 国民一人に一本のけん玉を!
 
 
 
 
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2019-08-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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