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伝説のレストラン六本木「キャンティ」/TBS『もてもてナインティナイン』《READING LIFE EXTRA》

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先ほど、資料を忘れてウォールーム(仕事場)に戻った際に、ちょっと休憩とアイスを食べながら、ぼんやりテレビをつけてみたら、TBS『もてもてナインティナイン』という番組で「大スターが愛した名店SP」という企画をやっておりました。

なにか、惹かれるものがあり、そのまま見ていると、面白いエピソードが紹介されました。

 

キャンティは日本初の本格イタリアンレストランで、昔から著名人が常連として通っていました。クリスチャン・ディオールも来日の際には来ていて、また川端康成や三島由紀夫は常連でした。川端康成など、ここで出会った女優さんに恋に落ち、けれども、恋に敗れます。それが、加賀まりこさんだったそうです。その出来事をインスピレーション・ソースにして、小説まで書いたというのだから驚きです。三島由紀夫などは、市ヶ谷で割腹自殺をする前の晩に、キャンティを訪れています。つまり、最後の晩餐にキャンティの料理を選んだのです。

 

デザイナーや文壇の寵児が集うのだから、そのほか、政界や財界、芸能界の重鎮たちや有名人たちも、常連として訪れていました。

 

そのことを伝え聞いた、歌うたいの少女がいました。

彼女はその当時、まだ中学生で、自宅は八王子にあって、毎週六本木まで電車で通っていたそうです。(正確には四谷からは歩きました。)

彼女の目的はただひとつ。

音楽界のお偉いさんに、自分の歌を聞いてもらいたい。そして、デビューしたい。

実際に、彼女はお客としてきている音楽業界の関係者を捕まえて、自分の歌を披露します。その声は、完成されたものではありませんでしたが、とても、心に響く声でした。

彼女は、見初めれ、本当にレコードデビューしてしまったのです。

 

彼女こそは、若き日の松任谷由実でした。

 

松任谷由実さんの行動力には脱帽です。才能があり、自信があり、そして、行動力がある。

成功しないはずがありませんよね。世界が、彼女を放おっておくはずがない。

 

僕は、アイスを食べながら、このエピソードを観ていて、はっとして、iPhoneを取り出しました。

メモアプリを立ち上げ、こうメモしました。

 

天狼院書店も、キャンティのような場所でありたい。

 

はたして、無理なことでしょうか?

僕は、決して無理だとは思えません。

 

忘れた資料を鞄に入れて、喫茶店に向かう足取りは、不思議と軽くなっておりました。


2013-02-19 | Posted in READING LIFE, READING LIFE EXTRA

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