キネマ天狼院

【キネマ天狼院】オススメ映画#2『ミッドナイト・ファミリー』


 

「彼らは、ヒーローか、それとも犯罪人か。」

 映画『ミッドナイト・ファミリー』のチラシ裏に書かれたコピーは、まさに観る人の倫理観をジワジワ問う81分のラストに投げかけられる――。

新たな年が明けて2021年、1月9日(土)に湘南天狼院にて、そして1月14日(木)には初開催となったEsola池袋店にて、天狼院書店の映画上映イベント【キネマ天狼院vol.2】が開催されました!

日本でまだ劇場公開されていない新作映画を厳選し、“本屋さん”から“映画館”へと姿を変えた天狼院書店で“映画体験”をご提供する上映会【キネマ天狼院】。第2回目の開催となる今回は、1月16日(土)より全国順次公開となる新作映画『ミッドナイト・ファミリー』を上映し、ご来場いただいた皆さまに楽しんでいただきました。

 アカデミー賞に絡むような良作が話題になることが多い、世界最大のインディペンデント映画の祭典「サンダンス映画祭」で、米国ドキュメンタリー特別審査員賞を受賞、そして米アカデミー賞2020 長編ドキュメンタリー賞のショートリストに選出されるなど、『ミッドナイト・ファミリー』はその他にも世界の映画祭を席巻してきた話題作。加えて、アメリカの映画評論サイト「Rotten Tomatoes」では「97%」の好評価をマークした、海外での評価が非常に高い本作がいよいよ日本に上陸します。

メキシコ・シティには、行政が運営する救急車が人口900万人に対して、45台未満しかない。そのため、専門訓練もほとんどなく認可も得ていない営利目的の救急隊という闇ビジネスが生まれている--。

 カメラが追うオチョアファミリーは闇救急車を生活の糧にし、毎日あらゆる人を搬送します。「もし僕たちがいなければ——」劇中オチョア家もそう語るように、彼らがいなければ助からない命や、彼らがいたからこそ救われた人生もあるのだろう、と、人間味あふれる彼らの姿を人助けの視点から見守る私がいました。

 しかし——。エンドロールが流れるころ、彼らを見守っていた気持ちは行き場を無くし、人命救助を前にして一体何が正解か、はたまた正解はあるのか……しばらくそんな気持ちと葛藤するのでした。

 これは決して遠い国のお話ではない、“あなたは”どう思うかを問う物語なのだ、と強烈に思い知らされる81分。

 世界のメディアからもレビューが届いています

「俯瞰的な記録映像と人間味に迫る瞬間を巧みに構成した作品。ワイルドでショッキングな疾走感は圧巻だ。」 RollingStone

「傑作だ。監督 ルーク・ローレンツェンによる素晴らしい作品。このドキュメンタリーは生死を賭けた緊迫の瞬間をスクリーンに映し出す。次々と起こる身のすくむ興奮。「ミッドナイト・ファミリー」が暴く現状は倫理観念も追い越してゆく。これを目撃する時、観客は息もつけない。」 The New York Times

たくさんの人に、ラストそれぞれに渦巻く感情を体験して頂きたいと思い、この映画を選びました。

あなたが本作から感じるものは何でしょうか。

1月16日(土)から全国順次公開です。ぜひこの機会にご覧ください。

“本屋さんが映画館に変わる” 【キネマ天狼院】次回の開催をお楽しみに!


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映画『ミッドナイト・ファミリー』

STORY

メキシコ・シティには、人口900 万人に対して公共の救急車が45台未満しかない。そのため、救急救命にあたる闇救急車の需要がある。オチョア家族も同業の救急救命士らと競い合って急患の搬送にあたる私営救急隊だ。この熾烈なビジネスで生計を立てるため、オチョア家族は救助を求める患者から何とか日銭を稼ごうと奮闘する。しかし、闇営業を取り締る名目で汚職警官に賄賂を要求されるようになり、さらに家族は金銭的にも追い詰められていく。

倫理的に疑問視されるオチョア家族の稼業をヒューマニズムにあふれる視点で捉えつつ、医療事情、行政機能の停滞、自己責任の複雑さといった差し迫った課題を描いたドキュメンタリー映画。

2021年1月16日(土) より ユーロスペースほか全国順次ロードショー

●公式サイト:https://www.madegood.com/ja/midnight-family/

●Facebook:https://www.facebook.com/MadeGood/

●Twitter:@MadeGoodfilms

【監督】ルーク・ローレンツェン

【出演】ホアン・オチョア、フェル・オチョア、ホセ・オチョア、マヌエル・エルナンデス

【原題】Midnight Family 【製作】2019年/アメリカ、メキシコ 【時間】81分

【配給】MadeGood Films

(c) MadeGood Films

 

今回、ご参加いただいた方々より素敵なコメントが届きました。(一部抜粋)

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観ている側にとって、ファミリーの日常は非日常な考えさせられる日々なのだけど、

ファミリーにとっては日常。

私たちは遠い国の非日常と感じるかもしれないけれど、同じようなことは、実は私たちのすぐ側にもあること。 

普段、目を瞑っている、見ないでいようとすることへ気持ちが向いた、そんな時間でした。

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メキシコ映画『ミッドナイト・ファミリー』                

とてもリアル感が伝わってきました。

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2021-01-15 | Posted in キネマ天狼院, 湘南天狼院

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