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私の2度の失恋の話、そして新たな恋の話 〈こじなつレポート〉


私事で大変恐縮なのですが、私にはつきあって5か月とちょっとの恋人がいます。最近は天狼院のインターンを始めたりなど忙しくしていてなかなか会えないけれど、週に一回は必ずデートをしようと決めています。すごくスタイリッシュでかっこいいんですけど、それでいてかわいさも兼ね備えるというスーパーハイスペック彼氏です。今日は、皆さんに彼を紹介したいと思います。この人です。

 

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待って待って!釣りじゃないから!ブラウザバックしないで!!

確かに人間じゃないけど、私の恋人に違いありません。この子がいないと、私は確実に腑抜けになります。黒地にオレンジってハイセンスですよね。道行く人たちがよく見とれて振り返ったりするんです。いつものデートコースは荒川沿いですが、都内のカフェめぐりも楽しそうだし、たまには山のほうに出かけてみたりとか、一緒に旅行に行くのもいいなあ、なんて。今後の楽しい計画はどんどん膨らむばかりです。

 

彼とは、結婚を前提としたお付き合いをしています。自分でも、重い女だな!!とツッコミを入れたくなりますが、彼を失うことは考えられないのです。ずっと一緒にいたいと切に願っています。

 

というのも、彼は3人目の恋人で、その前に私には2人恋人がいました。その2人とお付き合いしたこと、そして別れを経験したことで、学んだことがあるのです。

 

初めての恋人と出会ったのは、9歳のころ。引き合わせたのは私の母でした。あまりに協調性がなく一人遊びに勤しむ私を心配した母は、バレーボールかバスケットボールという団体競技の2者択一を私に迫ってきたのです。クラブに仲のいい友達がいたこともあり、私はバレーボールクラブに入部することを決めました。

 

長い付き合いだったけど、お別れするまで、好きだなんて思ったことは一度もなかったです。一緒にいるのが当たり前でした。始めた当初はただ言われるがままに練習に足を運んだ。私は昔から上背があったから将来のエース候補だったし、2年もたつと事実その通りになりました。中学でも何の疑いもなくバレー部に入部し、なかなか忙しい日々を送っていたように思います。攻撃は大得意な反面、守備がものすごく下手だった私は、「あいつは身長にものを言わせているだけだ」となめられているのが死ぬほど悔しくて、許せなくて、その悔しさを晴らすためだけに練習していました。

 

中3で引退するまでに、自分の理想としていたエースにはなれなかったから、高校に進学してもバレー部に入部届けを出しました。でも、高校のバレー部に在籍していた期間は8か月ほどでしかなかったです。入部して2か月がたった6月、当時の3年生の先輩が引退すると、チームの戦力が大幅にダウンしました。私の同期や1つ学年が上の先輩たちの中には、私のように小学生のときからバレーボールをしていた子が一人もおらず、私が技術面では一番優れた選手になってしまった。そこからは全く思うようにプレーができなくなりました。通っていた高校が進学校だったこともあって学習面での悩み事も重なり、当時は本当に体育館に足が向きませんでした。そして、新体制となって初めての公式戦で格下の相手にあっさりと敗北したとき、なんだか全身の力が抜けて、ああ、もういいやと思った。この負けを理由に、ようやく辞めることができるなあ、と。6年間近く付き合ってきたわりには、あっけない幕切れでした。

 

でも、もう体育館に行かなくていいのだと思っても、別にうれしくなかった。それどころか、それからの毎日はもっとつまらなかった。だから、大学入学は、ぽっかりと空いてしまった穴を埋めるための絶好のチャンスでした。無為に過ごしてしまった高校生活を補って余りある大学生活にしたいと思って、私はウインドサーフィンを始めました。

 

まさにひと夏の恋、といった感じでした。

海に行ける日が待ち遠しくて仕方がなくて、毎日が本当に楽しかった。往復4時間の道のりが全く苦ではなかった。本気で日本一になってやろうと思って、一年の夏休みはほぼ休みなく自主練をしていました。夏合宿で開催された大会では2位になり、表彰台に上ることができました。小さな大会ではあったけど、面倒を見てくれた先輩もすごく喜んでくれて、あのときが今までの人生で一番うれしかったです。

 

ですが、夏休みが終わってしばらくすると、ウインドサーフィンをすることへの疑問が頭をもたげて離れなくなりました。ちょうどそのころは、遠征が続いていたことで資金が底をつき始めてきた時期でした。それまでもアルバイトと両立させてきましたが、これからもウインドを続けたいのならかなり大幅にアルバイトに時間を割く必要がありました。でも、どうして私だけこんなに頑張らないといけないんだろう?と思い始めたら、もう止まらなかった。ウインドサーフィンができることが当たり前であるかのように振る舞う同期や先輩たちが憎たらしくてしかたなかった。どうせこんな悩みなど、チームの誰に話しても理解できるはずがないのだと、誰にも打ち明けませんでした。

 

別れたきっかけのできごとも、本当にささいなことでした。道具の貸し借りをめぐって、同期とちょっとした意見の食い違いが起こっただけなのです。ですが当時の私は、チームメートの行動や言動に過敏になっていました。こんな嫌な思いまでして、本を読むことも服を買うことも我慢して、どうせ勝てる見込みなんてないのに、ウインドなんて続ける理由はどこにもないな。もうやめよう、と。

 

それが、去年の2月の話。また一人になってしまいました。本はたくさん読むことができるようになったし、短期留学にも行かせてもらったりした。それは貴重な体験だったけれど、このままじゃダメだという気持ちはぬぐえなかった。どうしたらいいのかはわからないまま、時間だけどんどん過ぎていきました。

 

そんなとき、ひょんなことからこの子に出会ったのです。この子といれば、バレーボールをしていた時の、ウインドサーフィンをしていた時の「先へ進みたい」という気持ちを取り戻すことができる。だから絶対に、同じことを繰り返したくなかった。ずっと一緒にいたいなあと思いました。だから、どうして2人と別れなければならなかったのか、もう一度真剣に考えなくてはならないと思いました。自分と真正面から向き合う必要がある、と。

 

そうして、愕然としたのです。

 

2人のことを、自分から振ってやったのだと思っていました。

だって、レベルが低くてつまんなかったんだもん。しょうがないでしょ?だって、あんなのお金持ちのスポーツだから、援助をもらえる人しか続けられないんだもん。自分だけの力で続けていくなんて、到底無理なの。しょうがないじゃん?

みんなが悪い。私のせいではない。環境が悪い。私のせいではない。

 

でも、本当は振られたのは私のほうなのです。ひとえに、私が性格ブスだったから、見放されただけだったのです。バレーボールをやめたとき、私はチームメートはおろか両親にも、悩んでいることを打ち明けませんでした。誰かに自分の弱さを知られるのは許せなかったのです。ウインドサーフィンをやめたときもそうでした。自分だけがつらいと思っているほうが楽だったからです。みんなも同じように、ウインドを続けるために隠れて頑張っているのだと、こんなことで音を上げるのは私に甲斐性がないからだということを知りたくなかった。

泣きわめけばよかっただけの話でした。思うようにいかなくてつらい、もういやだとわめきながら、情けない姿をさらしても、周りの支えを借りながらでも、少しずつ進んでいけばいいだけだった。それができていたのなら、2人は決して私を見捨てるはずはなかった。自分の弱さを認めることができず、他人や環境のせいにして黙って立ち去ることで、本当の自分から目を背け続けてきた私の本性は、2人にはとうにお見通しだったのでしょう。

 

「原因を他者に求めても前には進まない」

漫画「弱虫ペダル」登場人物の福富寿一くんが作中で放つセリフです。このことを理解するまでに、かなり長い時間を要してしまいました。2人と付き合って、別れて、自分を正面から見つめて学んだことです。

あと、2人のことがどれだけ大好きだったのかということも、今になってようやくわかりました。

 

とはいえ、私はこれからも自分にウソをつき続けて生きていくと思います。いつもいつも本当の自分と向き合うなんて、できるはずがないです。私はそんなに強くない。自分の強みは過信して、弱みは適当に言い訳を見繕って。そうして作った自分像に満足して、うまくいかないと誰かのせいにして。私はこれからも、性格ブスのままです。

 

でもせめて、この子に対してだけは。とても大切な、この子に対するときだけはせめて、自分と向き合う勇気を振り絞ろうと思います。一緒に過ごす時間を重ねて、たまにお互いが嫌になって喧嘩してしばらく会わず、その後なんとか仲直りしてまた一緒に過ごす。そうやって、この子と、この子のことが大好きな自分に正直にいたいです。

 

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