メディアグランプリ

三日坊主? いいえ、選択と集中です


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:高橋将史(ライティング・ゼミ平日コース)
 
物事が長続きしない。
子どもの時から、何かを習慣として毎日行うことが極端に苦手だった。夏休みの日記なんかは毎日書かずに最後の3日間で一気に書き上げていたし、自分から「やりたい!」と言って始めた進研ゼミは数か月もしたらほとんど手をつけなくなっていた。今思えば親には申し訳ないことをしたなと思う。
三日坊主と一般的には言われるが、本当に何かを継続させるのが苦手な人にとっては、三日も続けば御の字だろう。実際のところは、翌日になればモチベーションが底をついてしまうことの方が多い。ふと自分の部屋の机の引き出しをのぞけば、表紙にタイトルが書かれたノートがたくさんある。それらは確かに、何かを習慣化しよういう意図のもと作られたはずなのだが、3ページ目以降はずっと白紙が続いている。
 
世間では一つの物事を長く、自律的に続けられる人間が望ましいとされている。実際、世の中の偉業を成し遂げた人は、ほぼ例外なく継続的な努力と試行錯誤の末に大きな成功を手中に収めている。
そんな価値観の中で生きていると、物事が長続きしない人はなんとなくネガティブな目線で見られる。「それも個性だよ」と笑って受け入れてくれる人も少なくはないが、「努力が足りないからだよ」「やる気ないんじゃないの?」などと、本人の怠慢に原因を向けられることがやはり多いような気がする。
 
だがしかし、三日坊主という性質は、そこまで人様に非難されるようなことなのだろうか?
 
ぼくはずっと考えていた。
人には得手不得手がある。ならば、何かを継続し習慣化するのが得意な人と、苦手な人が両方いたって別におかしくはないじゃないか。運動神経がいいか悪いか、くらいの違いだろう。なのにどうして、三日坊主がまるで怠慢の証拠のように言われなければいけないのだ。
どうしても納得がいかなくて、ある企業でインターンをしていた時に先輩の社員の方に相談をしたことがある。すると、こんな返答が返ってきた。
「何かやりたいと思ったとき、実際に何か行動した?
本当に何かをやり遂げたい、継続させたいと思ったら、自然に行動を起こしているはずだよ」
 
三日坊主の人間がみんなそう思っているのかはわからないが、何か物事を継続しようというときには、どうしても意志とか、自律心とか忍耐強さといった点を問題にしがちだ。
しかし、それらは些末なことでしかないのだ。
真に注目すべきなのは「実際に行動を起こし続けられているか」という一点のみなのである。
実際に自分の過去を思い出してみると、同じ習慣が何年も続いていたケースがいくつもあった。野球をやっていたころは自主練として素振りは続けられていたし、高校時代は家で、誰に見せるでもなく絵を描き溜めていたことがあった。
なんだ、ぼくって全然三日坊主じゃないじゃないか!
 
そう考えると、一つの仮説が浮かび上がってきた。
「三日坊主と言われる人は、無意識のうちに、ある物事が自分にとって重要なものかどうかを選択して、本当に注力するべきものだけにエネルギーを集中させているのではないだろうか?」
いささか三日坊主に都合の良すぎる仮説だが、このように考えることで、少なくとも三日坊主の人が自分の継続力のなさに自己嫌悪や後ろめたさを感じることは少なくなるはずだ。
なぜなら、何か自分でやろうと思って始めたことが長続きしなかったところで「これは今の自分にとってあまり重要なことではないのだろうな」と、ある意味で開き直ることができるからだ。
そして、本当に心からやりたいと思っていることなら、自然に行動に移せているはずなのだから。
 
少なくともぼくは、上記のような考え方を採用してからだいぶ楽になった。
「三日坊主は怠慢の証」という思い込みから解放された、という表現のほうが適切か。
そして、思いがけない変化が起こったのであった。
 
以前までは、自分で決めたことを途中でやめてしまうと「ああ、なんて自分はダメな奴なんだ」と自己嫌悪に陥っていた。しかし、同じような状況に直面したときに「お前の思いは、結局行動には移さない程度のものでしかないのか」と、自分自身に問いかけるようになっていたのだ。その後、「ナニクソ!」と思ってまた習慣が復活することもあるし、「まあ、今の自分にとってはそこまでやりたい、続けたいことでもなかったのだろうな」と観念することもある。
すると不思議なことに、以前よりも物事が長続きする確率が上がってきたのである。モチベーションが落ちてきたときに適切に自分を奮起させる方法が分かったからなのか、本当にやりたいという思いが強いものに対しては、結構粘り強く習慣化できていることが多い。
その証拠に、ライティング・ゼミをきっかけにして、ブログやnote、紙の日記などを媒体に、文字を書く習慣を(今のところは)維持できている。
 
今度誰かに「お前三日坊主じゃん」などと言われたら、こう返すことに決めている。
「馬鹿野郎、これは選択と集中なんだよ」
 
 
 
 
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2020-02-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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