fbpx
メディアグランプリ

滑れども滑れども、幸せ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ムックブック(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
コンプレックスや悩みがあれば、ギャグの一つでも言ってみよう。
きっと滑るけど、きっと火傷するけど。
 
「では10cmほど、裾詰めておきますね」
「はい、大丈夫です(^^)」
店員は安全ピンを刺しつつ、織り込まれた布の長さに戸惑う。
しかし笑顔の私に安心するのか、表情を元に戻す。
私が新しいジーンズを買うときに繰り返される会話。
 
受け取りのときには。
「切った裾は一緒に入れておきますね」
「ありがとうございます(^^)」
人より多く余った布を引き取る。
 
私は父親譲りの体型で、身長167cmで座高95cmだ。
いわゆる胴長短足と自覚している。
座高や股下の考え方はいろいろだそうだが、私は身長10cm上の友人を立っていると見上げるが、座ると真っ直ぐ目線が合う。
不思議な光景だが、私も周囲も慣れた。
 
もちろん40歳を過ぎた今、いちいち悩んでたりはしない。
ただ、コンプレックスは誰しも一つや二つは持っていると思う。
それと人生でどう付き合うか。
私の例で話してみたい。
鉄板ネタを掴んだ芸人のストーリーくらいに思って欲しい。
 
この体型。
思春期の頃、辛かった。
毎年の身体検査は憂鬱。
父親の体型を責める。
少しでも座高を低く見せようと背中を丸めた結果、ひどい猫背になってしまった。
 
この体型に気づいたのは小学生三年生の頃。
体育で半ズボンだったとき、クラスメイトに指摘された。
気にしたこともなかったことが、いきなり人生のいち大事になった。
今思えば、よくイジメにつながらなかったものだ。
子供心にも「なんでそんなことで笑われなきゃいけないの?」と思った。
まさか、その後20年引きずるとは思ってなかった。
 
うまく隠し通せているつもりが、ふとした瞬間に表に出る。
少し嫌な気分になる。
そんなことの繰り返しだった。
 
中学生になると柔道を始めた。
柔道漫画に影響された。
足が短い方が背負投げをしやすい、という知識を得たのだ。
笑われるくらいの希少性があるなら、それは才能なはず。
そんなことを思い、日々の稽古に励んだ。
その甲斐もあり、格上にもバンバン背負投げを決められるくらいには上達した。
でも日に日に成長する身体で、足は思ったより伸びなかった。
一方で毎日の通学電車は背中を丸めて読書する。
猫背が進む。
 
さらに高校生になると、どうしても女性を意識してしまう。
「モテたい」というシンプルな衝動に対して、自分の体型はマイナスに作用した。
中学の同級生が自分を追い越して180cm超えになったりしたのも辛かった。
柔道も辞めていたので、受験勉強や趣味に全振りして、考えないようにしていた。
 
大学生になって、ちょっと良いブランドの服を買ったりしたが、シンプルに似合わなかった。
特に海外ブランドの商品は、シルエットが私向きではなかった。
タンスの肥やしになるのは早かった。
 
転機はいつだったか。
30歳手前くらいのときだったように思う。
行きつけの整体での些細なやり取りがきっかけだ。
 
整体では、施術のために着替える。
私は、一番小さいサイズのジャージを求め、着替えた。
それでも5cmくらい余って、床に付く。
試しに話を先生に話を振ってみた。
「裾、余るんですけど?」
「一番小さいサイズです」
「じゃあ今日こそ、足長くしてもらえる?」
「できません(笑)」
ここで何か掴んだ気がした。
 
このとき思い出したのは、テレビで見た吉本新喜劇だった。
池乃めだか師匠のパンチが届かないけれど、「今日はこれくらいにしといたるわ」と、何の悪びれもなく自分優位のポジションを作る。
そんな一連の鉄板ネタだ。
 
コンプレックスは笑いにしたもん勝ちだと思っている。
私の体型なんて些細な悩みなのかもしれない。
でも、しんどかったのだ。
そして、それをありのまま出すはもっとしんどいのだ。
だから伝え方に工夫が、誰でも笑う鉄板のギャグが必要だ。
 
ウケないときもあった。
でも、ウケない方が良い。
違う軸に思考が切り替わるからだ。
笑われるくらいの希少性があるなら、それは才能。
でも才能を使ってウケなかったら、きっとやり方が悪い。
そうしたら、やり方を変える。
PDCAを回す。
そのうち、コンプレックスなんて気にならず、ウケるウケないの方が重要になっていた。
 
仕事でも使えた。
リソース不足で悩んで立ち止まるくらいなら、何か形にして滑った方がマシ。
そういう思考で企画を出していった。
採用率が上がった。
 
ただ最近、ギャグが親父ギャグになる年代に突入してしまった。
定番ギャグも、いつかは飽きられる。
もしかしたら、一周回って新しいかもと思うのだが。
それはまた、別の悩みだが、ポジティブなだけマシかなと思う。
 
 
 
 
*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

【2020年4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《3/29(日)までの早期特典あり!》


 

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

天狼院書店「プレイアトレ土浦店」 〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2020-03-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事