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心が温かくなる魔法の言葉


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:三輪恵子(ライティング・ゼミGW集中コース)
 
 
「ありがとう」
あっちゃんがよく言っていた言葉だ。
 
あっちゃんは、私の大学の同級生。
彼女が着ていた服はいつも白と黒のモノトーンで、ファッションに疎い私には、その服の雰囲気をうまく表現できないけど、モダンでちょっと個性的、そしてとてもオシャレ、そんな感じに見えたのだった。
真っ黒いストレートのロングヘアにオシャレな服、パッと見ただけで、それまでの私の友人の中にはいないタイプだとも思った。
 
私は当時、大学の寮に住んでいた。
あっちゃんとは学部は違っていたが、同じ階で部屋も近かったので、大学に入学した当初から、ちょくちょく話をする機会があった。正直なところ、最初は“苦手かも”と思っていた。なぜなら、パッと見たときに、あまりにオシャレな姿に圧倒されて、“近づき難い”と思ってしまったからだ。
 
ところが、話をしてみると私のあっちゃんに対する印象は一気に変わった。京都出身のあっちゃんは、にっこり笑って少しゆっくりとした口調で話し、とても物腰が柔らかくて、ふんわりした雰囲気が漂っていたのだ。
 
私は、あっちゃんのことが好きになった。
 
そのあっちゃんがよく言っていたのが「ありがとう」という言葉だ。
 
ちょっとしたことでも「ありがとう」と声をかけてくれる。
子供の頃から、そうしょっちゅう「ありがとう」なんて言葉をかけられたことのない私は、その言葉をとても温かく感じて、あっちゃんと一緒にいることを居心地よく感じていた。
 
それから月日が経った。
 
私は、今、ある企業でアルバイトや契約社員の採用業務に携わっている。
最近は、コロナウィルスの感染拡大の影響で、応募と採用人数がぐっと減ったが、以前は、応募者の数がとても多かった。ちなみに、今どきはWebサイトからの応募が主流ではあるが、アルバイトで働くことを希望している年配の方々からは電話での問い合わせも多い。
 
人気の仕事は、当然のことながら問い合わせや応募が多くなる。応募者が多いからと言ってすぐに人数が揃うわけではないが、短期間でアルバイトが決まってしまうこともあり、そうすると、私の仕事は応募を受け付けることではなく、募集が終わったことを告げてお断りすることへと変わっていく。
 
正直なところ、電話でお断りするのは、毎回とても申し訳なく思ってしまう。Webサイトからの応募なら、メールで連絡することもできるが、電話がかかってきたら相手と直接に話をしなくてはならない。
 
電話でお断りすることの何が嫌なのかというと、電話の先で相手が落胆するのが手に取るようにわかるからだ。もちろん、怒って文句を言われることもあるが、そっちの方がましだ。文句を言われたら腹は立つしイライラもする。でも、その方がまだましだ。落胆した相手は、声のトーンが下がり気落ちしているのが電話ごしにも痛いほど伝わってくるからだ。
 
そんなある時、あっちゃんがよく言っていた「ありがとう」をふと思い出した。
 
あっちゃんの「ありがとう」は、大学を卒業してからも私の中に染みついている。だから、常日頃から、小さなことでも「ありがとう」と相手に伝えるようにしてはいるが、お電話でお断りをする時も最後にもういちど「応募してくださり、ありがとうございました」と伝えてみてはどうだろうか?
 
最初は、お断りしたことで悪い印象を与えないように、という意図もあったのだが、「ありがとうございました」の効果は想像以上だった。
 
アルバイトの募集が終わったことを告げてお断りしたことで落胆していた相手が、「ご応募してくださり、ありがとうございました」と言ったとたんに、声がワントーン高くなるのだ。そして電話を切るときには声に明るさが戻るのである。
 
電話ごしなので相手の顔は見えないが、声のトーンの変化はハッキリと感じられる。明るい声で話をするようになることから、落胆から少し立ち直っているように感じられた。中には「こちらこそありがとうございました」とお礼を言う人もいる。「ありがとうございます」のひとことで、これだけ人の気持ちが変わるのには驚かされた。
 
もちろん、なんでも「ありがとう」と言っておけばいいという問題ではない。でも、この言葉には不思議な力があるのだと思う。
 
ちなみに、余談ではあるが「○○してくれて、ありがとう」と伝えた時に、男女間では反応に差があるように感じる。女性は「ありがとう」を素直に受け取ってくれることが多いのだが、男性からはちょっと戸惑った様子が感じられることがある。だから何だというわけではないが、同じようなシチュエーションで同じ言葉をかけても、男女間で反応に差があるのは面白いことだと感じている。
 
話を本題に戻すが、私が大学の同級生、あっちゃんから教えてもらった「ありがとう」という言葉の力は、たった5文字の短い言葉だけど、ものすごい力を秘めていると思う。
 
「ありがとう」は、人の心を温かくする魔法の言葉なのだ。
 
 
 
 

***
 
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2020-05-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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