メディアグランプリ

クレカの利用額を知ることは、自分の健康状態を知ることと同じである。


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:大場 春香(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
わたしはバンギャである。
 
Wikipediaによると、バンギャとは「ヴィジュアル系バンドの熱心なファンである女性を指す言葉」ということらしい。
 
普段は、都内ベンチャー企業で総務や労務などの事務をしているが、真の本職はバンギャだといっても過言ではない。北は北海道、南は沖縄、海外はグアムまで。わたしは推しのいるところならどこまでも飛んで行く。
 
そんな熱烈な追っかけを始めて、かれこれ20年以上になる。
 
ありがたいことに、わたしが推しているバンドはめちゃくちゃ活動的なので、1年を通してほぼ毎月、息を吸って吐くように、無意識になんらかのお支払いをしている。
 
チケット代はもちろん、グッズ代、CD代、DVD代、ライブハウスのドリンク代(これが結構かさむのだ)、交通費、ホテル代、食事代、新しい洋服代に、美容室代、ネイル代、エステ代等々。
 
あげたらキリがないのだが、どれも全ては推しのためなので、金額を見ずにクレカを切ることなんて日常茶飯事である。
 
だが、請求時になってみると、上記の通り呼吸するようにお金を使っているものだから、「こんなに使ってない!!きっとカードが誰かに乗っ取られているに違いない!!!」と焦って明細を見ることになる。実際内訳を見てみると、どれも身に覚えがあるものなのだが……。
 
だが2020年は、新型コロナウイルスのおかげで、2月のライブを最後に、すでにチケットの支払いまで済ませていた春のツアーはすべて中止。全通(全てのライブに行くこと)する予定だったので、合計にして17公演が一気になくなってしまったのだ。
 
このご時世なので、仕方ないと自分に言い聞かせつつも、自分の生きる原動力がなくなってしまったことに、悲しくも、誰かが悪いわけではないので、どうにもできない気持ちでいっぱいになった。
 
ライブに行くことができなくなってしまった今、お金はいつもより使わなくなってしまったし、時間もあり余っていて、何をすれば良いのか分からない。
 
そこで思いついたのは、自分の身体ととことん向き合うことだった。
 
実は、2020年3月に盲腸の疑惑で入院したのだが、婦人科検診、はじめての胃カメラ、はじめての大腸検査をしたにもかかわらず、結局「健康体である」と診断されて、「入院していたこの1週間は何だったんだろう」と思いつつ、帰ってきたことがあった。
 
大腸検査なんてあんな辛くて恥ずかしいこと、入院さえしなければ、きっとまだまだ受けることにはならなかっただろう。
 
でも、自分の健康状態を知らないまま生きていくのは、自分が使った金額が分からないまま、クレジットカードを使い続けることと同じ。
 
意を決して、まずは手始めに数年ぶりの歯医者へ。
 
案の定、3つの虫歯が見つかる。
 
それから、虫歯治療の流れで、親不知の抜歯と矯正を勧められる。親不知はもともと3本生えていて、上の1本の歯はすでに抜歯をしていたのだが、厄介な下の2本が残っていたのだ。
 
いずれも完全に埋まっていて、神経ギリギリの横向きに生えている。わたしの母が親不知を抜いた時、パンパンに顔が腫れた状態で1週間は普通の生活ができずに寝込んでいた印象が強く残っていて、「親不知のために有給使うなんてもったいない!その有給でライブに行くんだから!!」と、ずっと避けていたのだ。
 
いずれ近いうちに矯正もしたい、と思っていたので、今現在痛みはなくともさっさと親不知を抜いておいた方がいい。という医者の勧めで、11月に1本、12月に1本と残りの親不知の抜歯を行った。施術自体は手術のような大掛かりなものだったが、いずれも思っていたほど酷くはならず、晴れてわたしの身体から親不知が全てなくなったのだ。
 
また、幼い頃から患っていたアトピーの治療にも専念した。偶然にも2020年6月にステロイドを使用していないアトピーの新薬が認可され、幸運にもそれが身体に合っていたのだ。乾燥する冬の時期は悪化しがちだが、それでも8割は良くなってきたと思う。
 
中学生の頃は、全身包帯グルグル巻きで入院するほどに重症だった肌が嘘のように綺麗になった。アトピーが良くなることは半ば諦めていたので、このタイミングで治療を頑張ろうと思わなければ、新薬に出会うこともなかったのだ。
 
さらに、ここ2〜3年程、PMS(月経前症候群)が酷く、色々な治療を試していたのだが、自分と向き合い、通院することで、実はPMDD(月経前気分不快障害)であるということに気付くことができた。
 
PMDDについては、抗うつ薬を使用して今現在も治療中だが、自分がどんな状態にあるのか、例えば病気の名前だったり、度合いだったり、改善方法が分かるだけでだいぶ楽になる。
 
自分が今、いくら残高があって、いくら使ったのか把握するように、自分の健康状態を把握することはとても大切なのだと、文字通り身をもって実感した。
 
また、今回は、時間やお金があるから見直した自分の身体であるが、時間をかけてでも、お金をかけてでも自分の身体と向き合うことは定期的にしていきたいと思った。
 
推しに逢えるのも、ライブに行けるのも、すべては健康な自分の身体があってこそなのだから。
 
 
 
 
***
 
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2020-12-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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