視線の先にあるもの
記事:中井 康人(ライティング・ゼミ)
人と話しをしてまず目にはいるのはその人の目。そして話しながらお互いに視線を合わすことが自然なことですよね。目は口ほどにものを言うと言われている通り、目は体のなかでも非常に重要なパーツです。
では視線についてはどうでしょうか。ぼくは視線の先にはその人の興味があると思っています。
誰かと外出するとき、とくにそれが女性とのデートであったりすると、とても気にすることがあります。それは自分のファッションや容姿や今日出かける先のこと、自動車のこと、話す内容のことでしょうか。はい、そういったことももちろん重要です。
しかし、もっと重要なことは「どうか僕の視線を追いかけないで」と願うことなのです。男性の方ならお分かりですよね。そう、デート中であってもきれいな女の人が通り過ぎるとついつい視線を送ってしまうのですよ。もちろんそんなこと全然しないっていう男性もいるでしょう。
しかし、ぼくはやってしまうのです。もちろん相手に気付かれていないときもありますし、気付かれてしまうときもあります。でも気付いていても相手が何も言わないときもありますから、はっきりとはわかりません。しかし、ときどき視線を感じるのです。そうです。一緒にいる女性がぼくの視線を追いかけていることを。
違うんですよ。ぼくはあなたとデートしたいんです。あなたが好きなんです。たまたま視線がいってしまっただけなんですよ。と言っても遅い時があります。
「ふーん、ああ言うタイプが好みね」
「いや、たまたま視線が行ってしまっただけで、全然違います」
「でも見ているってことは興味あるってことでしょ」
「それは違うんですよ。たまたまです」
これが男女反対なら問題はそれほど大きくならないでしょう。
「おまえ、ああいう奴がタイプか」
「かっこいいじゃん」
「なに言ってんだよ」
「あなたこそ何言ってんのよ。いいものはいいのよ。認めなさい」
という風に男の器やらなにやらを持ち出されてうまく言いくるめられます。
でもここで、自分の本心に聞いてみるのです。
するとやっぱり心の中では興味があるんですよ。そしてタイプなんですよ。
だからいつも自分で自分に
「おまえなあ、ええかげんにせえよ。今日のデートが台無しやないか」って怒るんです。
自分がこういう風なんで、ぼくもときどき他人の視線を追いかけます。
そしてたまにその先にぼくの連れがいるときがあります。
そういうときって人にもよりますが、ぼくはちょっと誇りに思います。
視線って怖いですねー。視線の先を追いかければその人が見ているものが見えてしまう。そしてその人が何に興味があるのかがわかってしまう。
そして自分の視線にも注意してみてください。男性であれば、何も考えなくても女性の胸とかに視線が行くことがありますよね。
それでなんのフェチかがわかることがあるかもしれません。ときには自分の隠れた嗜好までわかることがあるかもしれません。自然に脚に視線が行っていれば、脚フェチ、胸に視線がいっていれば胸フェチの可能性が高いかもしれませんね。
そして、これは男性がどういった女性に興味あるかだけでなく、いろいろなことに応用できると思います。周りの人の視線を追いかけてみてください。街中で他人が注意深くみている先を見てみるとかわいい子猫がいたり、きれいな映画のポスターがあったり、あるいは新しい催しの告知があったりすることがあるでしょう。
仕事でもそうですね。話中に相手がそわそわして目線を違う方向にやると、その先には出張先から急に帰ってきた上司の姿があったりすることがあります。
視線の先にはその人の見ているもの、そして興味の対象があるんですよね。
もし気になる人がいたら、その人の視線を追いかけてみると、面白いかもしれませんね。その人の視線の先はその人が見ているもの、そして興味あることですから。
おっと、また女性に視線がいってしまった。
うん? 先方さんもこちらを見ていて、視線が合ってしまった。
ということはぼくも興味あるけど、相手もぼくに興味あるってことかなー。
しかし、注意してください。興味が常に好意とは限りませんから! 残念!
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