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メディアグランプリ

ライティングやめました。

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Koikeさん ライティング

 

記事:Ryosuke Koike(ライティング・ゼミ)

 

自宅にあるノートPCのwordを起動させず、1週間が経過した。

天狼院書店のweb上で繰り広げられているメディアグランプリへ投稿するため、半年以上週1本は記事を書いてきたのだが、年末に途絶えてしまった。

短い年末年始の休みを利用して、夫婦お互いの実家に帰省していたことも理由の1つではある。
それでは、書くネタが尽きてきたのかというと、そうでもない。
いや、ネタは山ほどある。通勤途中の街並みの中にも、昼休みにも、休日子どもたちと過ごしているときも、1日過ごしていれば文書の種が至るところに眠っていることに気づく。気づいた時には、花粉のように目の前を飛び回っていることすらある。
これはライティング・ラボやライティング・ゼミで学んだ成果だと私は思っている。

それでは何か。
例えて言うなら、心の中でガス切れを起こしたようなものであろうか。
今まで激しく燃え盛っていた炎が、急に燃料の供給が途絶え、段々と小さくなりやがては鎮火するような感じだった。

兆候はあった。
メディアグランプリで総合2位を獲得した後、意気揚々と次シーズンに挑んだ。しかし、上手く書けたという自分の思いとは裏腹に、成績は散々たるものであった。
約半年前に書いた、知人から「エロ小説家」と称される所以となっている「【大切なこと】土曜深夜の夫婦生活」(http://tenro-in.com/lab/writing/12924)の方が、いまだに天狼院書店web上の人気記事ランキングに入ったりしていて、首をかしげたくなる事態である。

また、次のステップへと、これまでより長い文章を書くことにチャレンジしてみた。
しかし、充分な文字量になったという私の自信とは裏腹に、天狼院書店店主はその首をやすやすとは縦に振ってくれなかった。

ライティング・ゼミのグループに投稿され、天狼院書店店主の「面白かったです!」のお墨付きを得た記事が次々とweb上に掲載されるのを横目で見ていると、なんだか置いてきぼりになった気がした。
恥ずかしい話だが、寂しさを感じていた。

なんで、上手くいかなかったのだろう。
せっかくの店主のアドバイスも理屈では理解していたが、感情が納得してくれなかった。
現実を目の辺りにした結果、半分ふてくされるように、ライティングからは距離を置いた。
それからしばらく、気付いたことを書き留めていたメモ帳も、携帯のメモ機能すらも開かなかった。

年末年始は、ライティングや記事とは全く関係なく過ごした。
その代わり、甥っ子も含め子どもたちとよく遊び、また、普段は会わない親戚ととことん飲み明かした。

記憶をなくすまで飲んだ翌日、胃もたれした体に義母から差し出された朝食は、唐芋が中に入ったもちだった。
いつも正月に食べるあんこのもちと違い、新鮮だった。初めて食べたもちだったが、妻の実家周辺ではよく食べられているらしい。

ん?

また、昨晩の飲酒を反省することなく義父と飲んでいると、バイク好きな義父が長野までツーリングに行った道中の、笑いあり涙ありの様々なエピソードを語ってくれた。

ん?

酔っぱらっているにもかかわらず、あの言葉が、何度も繰り返し聞いた言葉が、天狼院書店店主が口を酸っぱくして喋っていた言葉が、頭の底から急浮上してきた。

「書くことはサービスである」

サービスとは価値の提供である。
このキーワードに対する「私なり」の考え方としては、
①読者に知らないことを知ってもらう。知っていたことを思い出してもらう。
②読者に読むこと自体を楽しんでもらう。
の2種類である。

これができていないなら、ただの日記に過ぎないと思う。
もちろん、自分に対してのサービスという意味も含め、日記を書くことに全く問題はない。
しかし、不特定多数の「他人」に読んでもらう場合にはどうだろうか。

改めて自分のことを振り返ってみる。
「書くこと」自体が目的になっていなかったか?
長文を書くことが目的になっていなかったか?
自分の都合のために、天狼院書店店主をはじめとする人々の、貴重な時間を奪っていなかったか?

そう考えると、上手くいかなかったこともすんなりと納得できた。
結局のところ、自分は書けるという、何の根拠もない自意識過剰の勝手な思い込みにより、大切なものを見失っていたのだ。
文章には自分の思いや思考が素直に、正直に出るものと思い知らされる。

初心に戻ってみる。
私がライティングを学んだ当初に掲げた目標は、
①東京の人に福岡のことを知ってもらうこと。
②読んでもらった方に、楽しんでもらうこと。
だった。

ライティングは「書くこと」ではない。
言葉や文章に思いを込めるのは大事であり必須なことだが、相手があってこその伝達手段であり、エンターテイメントなのだ。

実家から福岡に戻り、今年最初の仕事を終えて帰宅した。
子どもを寝かせつけ、棚にしまってあったノートPCを取り出しwordを起動させる。

すらすらと書き綴られる文字たち。
この感覚。

文字量も関係ない。
書くペースも関係ない。
メディアグランプリで入賞すると嬉しい特典もあるけれど、とりあえずは脇に置いておく。

「私の」文章をせっかく読んでくれる人たちへ1つでも多くのお土産を手渡すことが、ライターに、いや、天狼院書店のライティング・ゼミに参加している者に期待されている役割であると、私は確信する。

そこに注力する。

独りよがりのライティングは、もうやめた。

 

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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2016-01-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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