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30歳を過ぎて、自撮りを平気でアップできるようになった


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記事:吉田裕子(ライティング・ゼミ)

夏休みに河口湖に出かけた。河口湖は、世界遺産・富士山のお膝元ということもあり、観光客に占める外国人の割合がとても高い。バスに乗ると、日本語はほとんど聞こえてこない。自撮り棒を駆使して、旅行を楽しむ自分たちを動画におさめている西洋人を見かけることもあった。

そうした中で印象的だったのは、中国人女性が自分の写真をうっとりと撮ること。(大変失礼なことを言えば)取り立てて美人でもない人が、女優やグラビアアイドルのように、しっかりポーズを決めて、写真に撮られている姿を何回か見かけた。

あれは、今の日本の若い女の子にはできないことではないかと思った。

あんなことをやって、うっかり知人にでも見られたら、「ナルシスト」の称号を付されかねない。

その辺りの自意識のややこしさは、女子高校生や女子大学生の自撮り写真を見ても、分かる。

Facebookは、自分の顔写真をアイコンに設定するのが基本だ。だけど、あの子たちのFacebookのプロフィール写真には、友達どうしの2ショットが多い。ここには、自撮りをアップするにあたっての複雑な意識が垣間見える。

自分単体の写真をアップするのはナルシスティックな感じがする。でも、友達との2ショットであれば、その友達との「思い出」だとか「絆」だとかいう、大義名分が立つのだ。(あるいは、「自分はあくまで、かわいい友達の引き立て役だから」というポジショニングも可能である。)

自分の写真を撮り、アップすることには、そんな厄介な自意識の問題が付きまとう。

私も、そんな自意識の問題から、自撮りをアップすることには消極的だった人間だ。

卒業式など、どうしても服装を思い出として載せておきたい機会には、わざわざ首から下だけをトリミングした写真を載せたこともあった。

「私、別に可愛くないし、誰も見たくないよねぇ?」というわけである。

ただ、逆に、顔も含めて載せる場合には、あえて、渾身の一枚を選んで載せていたのだから、自意識というものはなかなか厄介である。

そんな私であったが、ふと気がつくと、最近は、平気で自撮りをアップするようになっていた。

どうしてだろう?
どうして平気になったんだろう?

理由を考えてみた中で、ひとつ考えたのは、仕事の都合だ。

私は、フリーランスとして講演・執筆の仕事をしている。雑誌に寄稿することなどもあるので、少しでも顔が売れている方が得だ。ビジュアルの記憶の方が、インパクトは強い。私のお役に立てるような企画があったときに、「そういえば……」と思い出してもらえる可能性が上がる。だから、写真を載せる。選挙に立候補する政治家と同じような理由である。

そう考えてはみたけれど、そこまでの義務感でやっているのではないのだ。

「顔を出すのは恥ずかしいけれど、仕事のためには仕方がないから、顔をさらそう」

それほどの抵抗感を持って、やっているわけではない。

「よーし、顔を出そう!」という積極的な思いがあるわけではなく、「別に出しても気にならない」というくらいの温度。

「顔なんて出して周囲はどう思うんだろう?」という感覚を持たなくなったのだ。自意識が弱まったといえば良いのだろうか。思春期の頃、あんなにデリケートだった自意識はどこかへ行ってしまった。

それは、ネガティブに言えば、オバサン化したということかもしれない。

たまに、オバサンで、訳の分からないくらいに、日焼け防止の装備を固めている人がいる。あの格好は、お世辞にも、見栄えが良いとは言えない。でも、そのオバサンにとっては、そんな見栄えよりも、「日焼けしたら困るでしょう?」という方が問題なのだ。

見栄えを気にしなければ、完璧に日焼けを防ぐことができる。自意識が薄れれば、そんな実利的メリットがあるのだ。

そう、自意識を手放すと、良いことが結構ある。

例えば、私の場合、自意識がなくなって自撮りアップが平気になったことで、先ほど言ったような、仕事上のメリットがある。

そして、それほど打算的なことでなくても、良いことがある。

もう十数年ご無沙汰をしてしまっている親戚が、私のブログを見てくださっているそうだ。そのとき、写真が載っていることで、「裕子ちゃんも、すっかり大人になったのね~」という感覚を持ってもらえているのではないかと思う。

自意識が消えた先に、得られることは多いのだ。

(……オバサン化には気を付けた方が良いと思うけれど(苦笑))

そういえば先日、家の近所で盆踊りがあった。

盆踊り。小学校の頃には多少踊ったこともあるような気がするけれど、それ以降はとんとご無沙汰。屋台の食べ物をほおばりながら、遠目に眺めるばかりだった。

振り付けが何かダサいし。
どうせうまく踊れないし。
もし誰か見ていたら恥ずかしいし。

中高生の頃の私は、盆踊りに興味が全く無いわけではなかったものの、踊りの輪に加わる勇気は出なかった。

だけど、今回は違った。最近住み始めた街だから、そもそも知り合いはいない。大人になった今では、盆踊りというのは、うまく踊れなくたって、何となく真似していれば十分だと分かっている。勢いで、飛び込んだ。

やぐらの上で踊る人々を見ながら、真似する。1番で何となく覚えた振り付けを、2番で全力で踊る。完璧に真似ができているわけでなくても、多くの人といっしょに動きを合わせて踊るのは、一体感があって、楽しい。

見渡すと、文字通り、老若男女が笑顔で踊っている。

その全体の空気感を満喫するということはあっても、他の人の間違いを見とがめるような人は別にいない。みんな、自分が他人にどう見られているかを特に気にせず、伸び伸びと踊っている。その一員として踊ることは、圧倒的に楽しかった。

やはり自意識を手放した先に広がる世界は、楽しい。
 

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2016-08-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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