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メディアグランプリ

ネットで片思いをしている私の話。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:福居ゆかり(ライティング・ゼミ)

 

「今、何見てるの?」

そう問いかけられて顔を上げると、こちらを見ている夫と目線があった。子どもが寝た後の静かな時間なので、会話がやけに大きく響く。

「ん? ネット見てるだけだよ。なんで?」

「いや、ひとりでニヤニヤしてて楽しそうだったからさ」

そういう夫も、片手にはスマートフォン。2人で顔を向かい合わせて話す時もあれば、こんな風に会話をしながらそれぞれ携帯に向かっている時もある。まさに、現代版の夫婦の姿といえよう。

しかし、携帯を手にして話していると、なんだか少し後ろめたい気持ちになる。

夫は気づいているだろうか。

この瞬間、私が他の人に心を傾けていることを。

 

インターネットを通して、私たちは様々に繋がっている。ブログやTwitter、Facebookなどだ。

私も流行に乗ろうと、人気が出始めた時に色々なアカウントを作ってみたが、飽きっぽいため結局ほぼ使っていない。

しかし、実家から遠く離れた県に嫁いだ身としては、地元の友人と手軽に交流できるという点でとても便利だった。

あー、今あの子、何してるかな……そう思ってFacebookを開くと、彼女や子どもの写真がニュースフィードに出てくる。

昔と雰囲気が変わってないことにほっとし、でもしっかりお母さんしてるんだ、などと感心する。友人の日常の一部分を覗き、「今」の彼女を知る。そうして繋がりを感じ、満足していた。

 

そんなある日、変化が訪れた。

それは他ならぬ、天狼院書店のライティング・ゼミに参加してからだった。

参加が決まってからというもの、私のフィードには天狼院書店、または店長である三浦さんの投稿が1日何件か流れてくるようになった。旧友の投稿と並べて、私はそれを見ていた。

なんだなんだ、面白そうだ、次は何をやるんだろう? ああ、なんでうちの県には天狼院書店がないのだろう……ぜひ来てくれないかな。その時にはぜひ、三浦さんに交渉して働かせてもらおう。そんな風にじりじりと歯噛みしながら眺めていた。

羨ましさから、気づいたら熱を入れて見ていた。三浦さんの動向にも目が行く。今、福岡にいるのか。こんな事をしているのか。大変そうだけど、楽しそうだなあ……。

 

そして、講義の日。私は通信受講であり、子どもが小さくリアルタイムでの閲覧もできないため、大体翌日に動画を見ていた。

YouTubeを開くと、基本的に三浦さんが上半身アップで映っている。そして音量を上げ見ていると、あたかも画面のその向こう、すぐそこに三浦さんがいる気分になる。

その人柄とトークスキルによるものだと思うが、画面の向こうで話している姿はとても親しみやすそうに見えた。一度直接お話ししてみたいな、そう思いながら毎回講義を見ていた。

 

そうして続いた数回目の講義の後、いつものようにFacebookを開き、三浦さんの投稿を見る。すると、不思議な気持ちに襲われた。

話しかけたくなったのだ。

ずっと前から知り合いであったかのように「がんばってください!」などと、気軽にコメントをしたくなったのだ。

ただの一度もお会いしたことはないのに。

それどころか、三浦さんはいくつかやってるゼミの中の、ただの通信受講生の1人である私の存在自体を覚えていない可能性が非常に高いのに。その確率は、明日の天気が予報通りになること以上だと思う。

それなのにいつの間にか、私は三浦さんに、自分でも驚くほどの親近感を抱いていた。

 

同じ頃、もう1つの出来事があった。

園のママ友とFacebook上でも「友達」となっていた。その人は毎日、自分と子どもとの日常を投稿していた。

彼女が今どんな状況で、どんな悩みを抱き、そして家族はどうなのか。かなり細かく書いてあるものを毎日読んでいると、すっかり距離が縮まった気でいた。三浦さんに感じた親近感以上に、普段毎夕方に会って挨拶や、時には世間話をしているだけ余計、身近に感じていた。

 

ある時、彼女の投稿で「情報を募集しています」といったものがあった。やりたいことに対して、手段や場所などについて知恵を貸してください、といったものだった。

それを読んで多少思い当たる節があった私は、お迎えで会った時に挨拶をしながら話しかけた。投稿を読んだんですけれど、これはいかがですか? と。

「……ああ、はい、ありがとうございます」

彼女はそれだけ言うと薄く微笑んで会釈し、すっと行ってしまった。

残された私は不思議に思った。もっと話が盛り上がると思ったのに。なぜそんなに反応が薄かったのか理由がわからず、違和感が残った。

その後も彼女の投稿は相変わらずいつものペースで行われ、私はそれを毎日読んでいた。

 

そしてふと、気がついた。

違和感の正体に。

 

彼女は普段、さほどおしゃべりな方ではなかった。

けれどSNS上ではものすごく饒舌だったので、私は勝手に、彼女は本当はよく話す人なんだろう、そう思っていた。日頃そんなに話さないのは園で会うからなのではないか、と。その一面を見たことで、より距離が縮まった気でいた。そして、それを読んでいるよ、と話すことでもっと話してくれるのではないか、そう期待していた。

けれど、彼女から見た私は、それまでの私と同じだった。普段、いいね! をする程度では、彼女からは「距離が縮まった」とは思わないのは当たり前だ。

そこに気がつかず話しかけ、自分と違う距離感に戸惑ったので違和感があったのだ。

勝手に自分が勘違いをしていたことを自覚すると、恥ずかしくていたたまれなくてしょうがなかった。

 

 

SNSや、ブログ、動画配信などはいずれにしても見ている方は相手に対する情報を得て、身近に感じ、親しみを覚える。けれど、受信側から発信側へなんらかのアプローチが常にない限り、発信者は受信者に対して、受信者が抱くような親近感を抱くことはないのだ。

片方だけが相手のことを思っている状態。それは一方通行の恋愛に似ている。

さながら「片思い」のようだ。

 

今日も私は、ネット上で片思いをし続ける。友達に、知っている人に、あるいは直接お会いしたことのない著名人に。

そんな風に手元の小さい箱に没頭している妻の態度は、面白くないのではないか。それが、携帯を眺めていると夫に後ろめたい気持ちを抱く理由だった。

さりげなく夫に話すと、夫は「他人の日常」というものには興味がないらしく、「ふーん」の一言で終わった。とんだ杞憂だったのだが、がっかりしたのはなぜだろう。

こちらもどうやら、その点では私の片思いのようだった。

 

しかし、ずっと「片思い」をしているのは、悲しく辛い。受信側であるこちらが親近感を感じていればいるほど、尚更だ。

できれば、「両思い」とまではいかなくても、少しだけでも相手に自分の存在を知ってもらいたい、そう思う。

行動しなければ、何も始まらない。

そう思い、私は携帯を手に取った。

 

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2016-11-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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