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ふるさとグランプリ

初対面の美女と15秒で打ち解けるワザ。その秘密は「なわとび」にあった《ふるさとグランプリ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:あわづりつこ(ライティング・ゼミ)

「河川敷走った?」 「走りましたよ、寒い中!」
「水泳大会は?」 「もちろん!!」
「なわとびは?」 「泣きながら飛びましたよぉ!!!」

ああ、そうなんだ。
この20歳も下のかわいい今どきの子も、あれをやったんだ。

彼女の顔にも同じ色が浮かぶ。「ああ、この人もあれ、跳んだんだな」。

間違いない。

ちょっとした安心感と強い共感がお互いの心の中に広がり、急に打ち解けた雰囲気になる。
さっきまで標準語でよそゆきのしゃべり方だったのが、一気に大阪弁に砕ける。

「なわとび買ったんって、あの商店街のあらもんやさん(荒物屋さん)?」

「そうそう、そうですよー。ほんまあれってただの「なわ」ですよねぇ。端っこくるって括っただけのやつ」

「あの店、ほんまボロいよねぇ。ロープ切って売るだけやねんから。毎年まとまった数必ず売れるし……」

大阪の公立高校である我が母校は、進学校のくせに体育が厳しいことで有名だった。
名物はこの三つ。
「冬のマラソン競争」、「水泳大会」、そして「前後の二重跳び」だ。

三つの中でも、もっとも特異なのが、二重跳び。説明するまでもないと思うが、二重跳びとは、なわとびで足が地面から離れて着地するまでの間になわを2回回す。ヒュンヒュンとなわの音を鳴らして連続して跳べると、なかなか気持ちいい。これを1年生の時は前の二重跳び、2年になったらうしろ二重。最低10回連続で跳ばないと、体育の単位はもらえない。ミソはこの「連続」というところ。あと1回のところで連続が途絶え、あえなく撃沈となった記憶が生々しい。運動部の子でも、この「あと1回」で引っかかり追試になった子が予想外に続出した。体育の他の試験はわりと適当に通してくれるのに、なわ跳びだけは、いじめではないかと思うほど厳しかった。

「追試」である。
体育なのに、追試がある。

他の教科、数学や英語などと同様、なわ跳びの試験も試験期間中にあった。連続で飛べないと、追試。連続で規定回数跳べるまで、追試は続く。追試が続くと、試験期間中なのに試験勉強よりなわ跳びの練習をしている時間の方が長い、という意味不明な状況に追い込まれる。

10回なんて軽いと思っていた。
前二重は、それでもなんとかなった。小学校の頃、二重跳びが大流行して、その頃にある程度練習を積んで跳べていたからだ。

問題は、うしろ二重。
初めは一度も跳べなかった。腕の回し方、着地のタイミング、すべてが慣れない動き。運動神経が決していいとは言えない私は、絶望した。

10回目で引っかかった時は、心が折れ、本当に泣きそうだった。家では跳べたのに……。泣きながら練習して、やっと跳べたのに……。苦手な数学や物理の心配が頭をよぎり、焦りの気持ちが混じり始めると、よけいに跳べない。そしてタチの悪いことに、なわとびの試験担当の先生は全く情け容赦なかった。1度か2度のやり直しのチャンスはもらえるものの、引っかかった瞬間即、死刑宣告。ただちに追試の日程が告げられる。試験中は半日なので、みんなが昼過ぎには帰っていくのを横目に、追試を食らった者だけが、体操服に着がえて体育館の横のバレーボールコートに集められる。帰って勉強したいのに、と焦る気持ちと、跳べなかったらまた追試かという不安。できなければまた勉強時間が削られる、他の教科の単位が危うくなる。体育で留年した先輩がいたという噂の信憑性が、いやがうえにも増してくる。そういえば、なわとびが嫌で受験の時に志望校を別の高校に変えた子がいた、あれは賢い選択だったかもしれない、と今考えなくてもいいことが浮かんでくる。

留年。体育で。それもなわとびで……。それだけは避けたい。

なわとびは、それくらい強烈な高校の思い出だ。

そんな外から見るとバカバカしいだろうが、本人にとっては人生の一大事がかかったできごとは、卒業すると格好のネタになる。

間違いない、同窓だ。

どこの学校にも名物先生がいたり、名物行事があるだろう。
それがうちの高校では体育だった。どこで知り合っても、どんなに学年が離れていても、同じ高校の出身と聞けば必ず話題に上る体育の授業。水泳大会もマラソンも、キツかった。全くズルの余地はなく、結果的に全員が泳ぎきり、走りきった。

そして、卒業できたということは「前後の二重跳びができる」ことを意味する。初対面の相手でも、確実に相手のことをすでに一つは知っているわけだ。前と後ろの二重跳びを連続で跳べた、という共通の経験を。よその学校ではまず聞かない、特異性。できなかったものほど深く味わう試練と、できた時の喜び。あの高校に通った私たちだけの、共通の苦しみと喜び。それが、初対面であってもお互いを急速に、かつ、強く結びつける。だからこんなにも、この話題は盛り上がるのだ。まさに鉄板。今まで、この話題で距離がちぢまなかったことなど、一度もない。それまでただの知り合いだったのが、お互い同窓だとわかった瞬間、親近感が一気に増したことも数え切れない。

跳べた時の嬉しさ、達成感。久しぶりに思い出したわー。
「やればできる」を叩き込んでくれたのは、あのなわとびやったなー。
そんで、あんなに厳しかったオバチャンが、跳べた瞬間はめちゃくちゃ喜んでくれたん、あれ嬉しかったなぁ……。

先生の顔が浮かび、ちょっと涙腺が緩むのもお約束。音楽、地学、英語と他の名物先生の話から課外活動の武勇伝へと、酒の肴は尽きない。いい高校だったよね……。

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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