メディアグランプリ

逃げ出した先に待っていたのは、試練の大波だった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:一宮ルミ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
今考えれば、どうかしていたとしか思えない。
 
あの時、私は仕事がうまくいってなかった。
毎日仕事に行くのが嫌で嫌でたまらなかった。
異動で今年から配属された職場で、私の仕事は大きく変わり、経験のない仕事が次から次へとやってくる。当然時間が足りなくて、残業の毎日。それに今まで、培ってきた経験が全く使えない。まるで新人になったような気分だ。かといって新人のように手取り足取り教えてくれる人はいない。20年勤めてきたというだけで、肩書きだけはしっかり付けてくれるものだから、一応「チームリーダー」ということになっている。部下もいるが、こんなダメな上司で申し訳なくて仕方がない。仕事の勘所が掴めない私は、どこで上司に指摘を受けるか分からず、四六時中、気が休まる暇がなかった。
今までの私なら、それでもなんとかしがみついて、初めての仕事も自分のものにし、なんとかやってきた。それなのに、なぜか今回は、そのしがみつく気力さえ出ないのだ。
本当に何もかも嫌でたまらく、ちっともやる気が出ない。やる気がないので仕事が覚えられない。いい加減で中途半端な結果しか出ない。やる気のなさは当然バレて、叱られる。悪循環、負のスパイラル。
 
「もうこの仕事、辞めようかな」
「辞めたら、もうこんなしんどい思いをしなくてすむし」
「そもそもこの仕事が向いてなかったんだ」
「だいたい、就職氷河期で、辛うじてここしか採用されなかったから就いた仕事だっただけで、そんなにやりたい仕事じゃなかった」
そんな子供じみた考えを頭の中で繰り返し、悶々とした日々を送っていた時、フェイスブックで「ライティング・ゼミ」を知った。
以前、旅行で京都へ行くことになり、せっかくだから変わった本屋に行こうと、いろいろ調べていて、偶然京都天狼院のフェイスブックを見つけた。残念ながら、旅程の都合が合わず、京都天狼院に寄ることができなかったが、斜陽の書店業界で新しいチャレンジをするこの書店から目が離せず、いつか行ってみようとずっとフェイスブックをフォローしていたのだ。
 
「そうだ! 私、若い頃は、小説家やエッセイストになりたかったんだ」
「物書きになったら、新しい仕事を覚えることも、上司に叱られることもない。最高じゃん!」
「私の人生、ここから変わるかも!」
今の状況から抜け出せて、文章で食べて行くスキルが学べるらしい「ライティング・ゼミ」は神様からの贈り物に見えた。
藁にもすがる思いだった。
それほどまで思い詰めていた。
そして、申し込みボタンをクリックした。
 
去年までの私なら、絶対申し込んだりしていないはずだ。
過去、フェイスブック上でも何度も「ライティング・ゼミ」開講のお知らせを目にしていたが、特に気にも留めず、何度もスルーしていた。
今でも仕事や家事で忙しく、帰って寝るだけの生活なのに、一体いつ課題をやるのか。土日も仕事が入ることもあるのに、日曜を逃したら一体いつ2時間を超える講義を聞くのか。受講料だって、お金のかかる時期の子供を持つ主婦にとっては、安くはない。この間、「一日たったの20分であなたの美文字に!」の通信講座さえ、時間が作れず途中で辞めてしまって、分割の支払いだけを延々とする羽目になり、もう習い事はしないと誓ったではなかったか。
そもそもそんなに簡単に、文章が書けるはずがない。
仕事が嫌だからといって、まともに文章を書いたこともない人間が、物書きになって生計を立てようなんて、本気で考えることがおかしいのだ。
冷静になって考えれば、受講するはずがなかった。
 
それでも、始めてしまったものはもう仕方がない。
やるしかないのだ。
どうにか時間を見つけて、講義を聞き、課題をやらなければならない。
課題をやるには、ネタだって考えなければならない。
楽な方へ逃げ出したつもりなのに、その先に待っていたのは、ライティング・ゼミという大波だった。
 
逃げ出して始めたけれど、この大波に飲まれることなく、乗ってやろうじゃないか。
そして、自分がこの先一体どうなるのか、見てやろうじゃないか。
 
4ヶ月後、この間の通信講座のように、受講料をドブに捨ててしまうのだろうか。睡眠時間を削って、真剣に課題をこなしているのだろうか。身も心もボロボロになって、もう二度と文章は書かないと誓っているだろうか。そして、もしかすると本当に、文章を書く仕事に就いているかもしれない。
 
そうやって考えていたら、不思議と明日仕事に行くのが嫌じゃなくなっていた。
 
 
***

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2017-08-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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