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受験が僕に教えてくれたこと


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記事:NT(ライティング・ゼミ 平日コース)

 

 

毎年この時期になると、高校三年の終わりを思い出す。
 
僕は、第一志望だった大学の受験に落ちた。
高校三年の二月、三月付近の記憶は、あまりにも強く焼き付いている。
 
当時、僕の高校にはすごく尖った外部講師がいた。仮にA先生としよう。
 
A先生は、かなり過激な発言をしたり、尖った授業方針を打ち出すなど、いろいろな意味で有名な先生だった。自分の指導についてくるかこないかは生徒次第、というスタンスだったので、A先生についていく派とついていかない派で生徒が二分されていた。
 
僕はというと、ついていく派だった。
 
自分で言うのもアレだが、僕は真面目な部類の人間だと思う。与えられた課題はちゃんとやる。塾のことだけやって学校のことをサボる、なんてことはしない。そんな模範的な生徒だった。成績も良く、高3の夏の時点で志望大学の模試でA判定を出していた。
 
しかしそんな僕だが、重大な欠点があった。メンタルが弱かったのだ。
模試ですら結構緊張してしまい、特に数学などの点のブレが激しいタイプの受験生だったのだ。
 
そんな中でA先生に出会った。
 
「とにかくついてくれば高い成績で受かることができる」
 
先生はよくそう豪語していた。僕は合格を確実なものにしようと、A先生についていくことに決めたのだった。
 
秋からは、とにかくその先生の教えを守るようにした。持ち前の真面目さで、言われたことを丁寧にやり尽くした。
 
センター試験でも満足いく結果を出せた。
 
二次試験の前にもA先生の講習に出席した。課題も出した。必死で勉強した。他科目の戦略なども相談して立ててもらった。
 
そして安心して本番を迎えた僕だったが、なぜか思い通りにはいかなかった。
 
思うように解けない。苦しい。どうしよう。
 
わからない中でもがいた。できる限りのことはしたと思う。ただ、感触は良くなかった。
 
結果は不合格だった。
 
パソコンを開いて落ちたことを確認した瞬間は、とても、とてもあっさりしていた。ああ、番号ねえな。ダメだったのか。それだけだった。昔良い成績を取っていたとか、そんなプライドのかけらも全くなかった。
 
ぼーっとした頭で、結局僕の何がダメだったんだろう、と考える頭に、A先生の顔が浮かび上がって消えなかった。
 
A先生が教えていた生徒のうち、受かった人の割合は実際まあまあ多かったと思う。つまり、A先生の指導内容が悪かったのかというと多分そうではない。
 
問題は、自分の中にあった。
 
結局、僕は自分の頭で何一つ考えていなかったのだろう。
 
受験とは自分の弱点を減らし、強みを伸ばし、点数を上げるゲームだ。受かった生徒は、ひたすらそれに徹していた。新しいことを学べば、それがどう自分の点数アップに活きるかを考え、取捨選択して勉強していた。A先生の授業も、点数をあげて合格するための手段の一つでしかなかった。
 
僕は違った。
 
とにかく安心したかった。これをやっていれば大丈夫、と言われたかった。与えられた教材をこなしている自分は優秀だと無意識のうちに思っていた。そんな自己満足という麻薬に溺れていた。なんのためにその勉強をやっているのか、そこが見えていなかったし、A先生の講義に対して自分の頭で考えて取捨選択することも一切なかった。
 
要するに、僕には主体性がなかった。それに尽きる。
 
受験に必勝法はない、と言われるがその通りだと思う。特に勉強の方法については、自分のやりやすいもの、やりにくいものについて、個人差があるのは当然だ。では、どう点数を上げて受かるための戦略を練るか、ということになると、本やネットで調べたり、先生や先輩の話を聞いたりするのは良いが、最終的には自分の頭で考えるほかはないのだ。言われたことを愚直にやり続けることは、自己満足という麻薬に近い。そのクスリの安心感という快楽の力は計り知れないから、やみつきになる。さらに、自分は頑張っている。できる。これで大丈夫。そんな幻覚に支配されてしまう。
 
僕は、当時受験したところ以外の大学は受けていなかったので、一浪してもう一度受験をすることに決めた。
 
そして僕は、安心することをやめた。
 
予備校には通ったが、先生の言うこと、友達のすごい勉強法は鵜呑みにしなかった。いろんなところから情報を集め、自分に一番あった勉強法を目指し、日々方針を変え続けた。
 
そんな一年はあっという間だった。
そして去年届かなかったあの大学に、しっかり合格できていた。僕は、パソコンの前でほっと胸をなでおろしたのを覚えている。
 
そんなこんなで、毎年僕の通う大学の合格発表の日には、落ちた時の自分、受かった時の自分、そしてA先生の顔をふと思い出す。
 
結局一年分遠回りしてしまったけど、受験を経て、僕は多少なりとも自分の頭で考えられるような人間になれたのかもしれないな、とふと思った。
 
 
***

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2018-03-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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