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天狼院には行きたいけれど田舎暮らしも悪くない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:安光伸江(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「はぁ、東京か~」
 
日曜の朝、東京の天狼院から放送される時間術ゼミを布団の中で通信受講しながら、10年前まで住んでいた練馬のすまいを思い出していた。
 
大学入学から長いこと住んでいた東京。最初は荻窪、途中から練馬に住んだ。持病のうつ病が悪化して実家の下関に引っ込んだのだが、あのまま練馬にいたら、今頃は池袋の天狼院に通っていたんだろうなぁ。
 
下関に帰った当初は、完全に両親の世話になっていた。当時は車で父が買い出しに出て、母が調理などをしていた。その後近くにゆめシティというショッピングセンターができ、数年後父が老齢で車をやめ、買い出しが私の担当になった。母が圧迫骨折でほぼ寝たきりになり、料理の苦手な私が朝ご飯の卵焼きだけ作るようになった。2年前に父が急逝し、その直後に私の乳がんが発覚し、手術と抗がん剤をし、母の介護をしていたけれども今年の初めにがんで亡くなった。
 
練馬では駅から10分くらいかかるところに住んでいて、買い物は駅にあるスーパーだった。池袋や新宿までは西武線・大江戸線で一本。便利なところだと思っていた。電車に乗るのが好きで、あちこちでかけていたっけ。代々木や青山一丁目や飯田橋の語学学校にも通っていたっけ。本屋さんも好きで、池袋のリブロやジュンク堂、新宿のルミネの中の本屋さんなど、時間があれば行っていたっけ。
 
今はゆめシティから徒歩数分のところに住んでいる。練馬では10分歩いて駅に出てあちこちでかけていたけれど、ゆめシティには食品館や衣料品、生活用品の直営店舗だけでなく各種専門店もあってたいていのご用がすんでしまうので、わざわざ綾羅木から汽車(非電化)に乗って下関駅まで出る必要もない。下関駅に行ってシーモールと大丸に行ったところで、ゆめシティより品揃えがいいかというとそんなでもない。大丸のお洋服はゆめシティより高級かもしれないけれど、そんな服を着る用事もない。下関から海を越えて2駅、小倉まで足を伸ばせば、もっと大きな店はあるけれど、そこまで交通費をかけて行かなくても、ゆめシティで十分用事がすんでしまう。着るものだってユニクロで十分だし、小さいながら本屋さんもある。練馬の駅前にあった本屋さんよりはよほど品揃えがいい。10分歩けば別のもうちょっと大きい本屋さんもある。この2軒で買えない本は、アマゾンやhontoで注文しちゃえばいい。というか本屋さんで取り寄せるより通販で買った方が速い。
 
ジュンク堂や天狼院には行けないけれど、練馬にいた時より徒歩で本屋さんに行けるようになったというのは大きな利点だ。先日リーディング・ゼミを受けていて、大きな本屋さんに行って実店舗で本を買った方がいいよ、という話をされたのだが、それはちょっと今は無理だ。在来線で小倉に行くのに片道360円。うちから2kmほどの新下関駅から新幹線で博多に出るのに土日の割引切符で往復5000円。さて博多まで行ってジュンク堂や天狼院に行く価値があるか……。ないとは言わない、大きな本屋がいいに決まってる。天狼院だって行ってみたい。池袋のジュンク堂のあの品揃えを覚えている私には、大きな本屋は憧れだ。一日中そこに浸って、がっつり本を買って来たい。
 
だけど
 
下関にいて、うつ病と乳がんのため家でごろごろ暮らしている私にとっては、がっつり本を買ってよっこらしょと持って帰るより、hontoやアマゾンで買ってクロネコさんに届けてもらう方が助かる。電子書籍だってある。Kindleで出ている本は一瞬で買えてしまう。あと5000円出して博多に行ってくることを考えると、5000円で天狼院のゼミをひとつ通信で受けた方がいいや、なんて思ってしまう。お布団にごろごろしながら、iPad Proの大画面で見る講義。そりゃぁ生で三浦さんを見た方がいいに決まってるけど、iPad Proからでも三浦さんのインパクトは十分伝わってくるのだ。
 
そして下関にいると、東京にいた頃より圧倒的に出費が少ない。なにしろ練馬の家賃1ヶ月分と固定資産税1年分が数千円しか違わないのだ。築ウン十年の古い家だからといっても、6DKの2階建て1年分と、1Kのマンションの1ヶ月分があんまり変わらないなんて。東京で私が具合を悪くしているのを知っていた母がよく「家賃分だけでも助かるやろうがね、帰っておいで」と電話で言っていたのも無理はない。
 
ゆめシティにはスタバもあって、今もそこで原稿を打っているのだが、昔の練馬の家からスタバに行こうと思うと、15分歩いて豊島園駅前のに行くか電車に乗って池袋や新宿に出るかだった。なんということだ。東京にいる時より、スタバが近くなっちゃった。
 
ゆめシティ徒歩数分の我が家って、都会かも!
 
インターネットが発達したおかげで、天狼院ゼミも通信で受けられるし、アマゾンプライム会員になっているおかげで注文して2日もすればモノが届く。病気の関係でフットワークの重い私にとってはいい時代になったものだと思う。
 
といってももう少し元気になったら、福岡や池袋の天狼院に行ってみたいし、ホンモノの三浦さんに会ってみたいなぁ。乳がんの手術をしてもうすぐ2年、抗がん剤も終わってホルモン剤を5年間飲むだけになり、なんとか生き延びられそうなので、もう少し、フットワークが軽くなれるといいなぁ。
 
それまでは下関の我が家とその周辺にこもって、田舎暮らしのレポートをお届けしようと思う。田舎にいてもiPad Proは使えるしネットでいろいろ楽しめるよ、って。
 
ゆめシティは私にとって冷蔵庫であり、書斎であり、応接間でもある。もし下関に来てくれる人がいたら、ゆめシティのスタバまで私に会いに来てね!

 
 
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2018-05-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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