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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:TOMOYO EAGLE (ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「娘さんは、学習障害でしょう。」
3人兄妹の末っ子。
兄2人の中で、男勝りに育った娘。
その娘が、医師からそう言われたのは、彼女が小学校一年生の頃。
 
男の子の中で育った彼女は、兄2人よりも男らしい。
そして、唯一女の子らしいのは口が達者な所。
簡単に言ってしまうと、生意気なクソガキでした。
そんな彼女が、保育園に通っていた時、静かになる時間があったそうです。
絵本を読む時間。 字を練習する時間。
保育園の先生達は、彼女が静かになるから、気にも止めなかったみたいです。
 
私の仕事で引っ越しの為、小学校入学前の3ヶ月を、私と家で過ごした娘。
入学前に、名前ぐらいは書けた方が良いと聞いたので、娘とドリルで、練習することにしました。
けど、なんだか様子がおかしい。いつもの生意気オーラが、無くなります。
「あいうえお表」 は、順番に読めました。 次に、「あいうえお表」 から、自分の名前を選ぶ事もできました。そして、ドリルで名前を練習させ始めました。
彼女の名前には、「鏡文字」 になりやすい文字が含まれています。 それぐらいは、スタートしたばかりと覚悟していました。 しかし彼女は……
薄く書いてある印を、なぞる所もかなり時間を要し、真似して書く事を促すと、かなりてこずります。
長男は彼女の3歳上。次男は年子で、1歳の違いなので、彼らがどれぐらいでひらがなを
習得したかは、まだ覚えていました。
そして彼らは、保育園の頃私に、ラブレターを書いてくれていました。
よく考えると、保育園の頃は友達に手紙をもらっていた彼女は、それをあまり開封しませんでした。
または、手紙を開封して、長男に頼み返事を書いてもらっている所を見たことがありました。
私は、保育園の様子を詳しく聞かなければいけない気がして、保育園に問い合わせました。 先生からは、「ひらがなの練習や絵本の音読は、彼女専用に先生が1人横についてマンツーマン状態でした。 でも、とても静かにできていましたよ!」
と、返答がありました。
そんな大事な事は、早く言ってくれ……
それは、静かに参加してた。 って意味じゃない気がする。
そう思いながらも、私は教師でも保育園の先生でもない。
さらに、家だから、甘えているのか?
色々と考えましたが、入学まではドリルをして過ごしました。
入学後、しばらくして担任の先生から電話をもらいました。
「娘さんの、読み書きの学習で、ご相談があります」
やっぱり…… と思いながら、先生に今までの流れを説明しました。
そして、検査を受ける事に。
 
そうです。 その結果が、冒頭の「学習障害(LD)」です。
英語で、Learning Disability(LD)
その中でも種類があり、読字障害(ディスレクシア)、書字表出障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア) に分けられます。
娘は、読み書きを苦手とするタイプだと診断されました。
そして、彼女が「あいうえお表」 を、読めたトリックが明らかになりました。
彼女は、50音表を音で暗記。
そして、指さされるスピードに合わせて、
「読む」ではなく、 「言う」 という方法なんです。
なんと、名前の文字は指を使い、発音の文字がどこにあるか、計算に近い方法で探していました。 その、独特な計算法? 読み方? には驚きました。
彼女は、1人で自分なりの方法を見つけようとしていました。
手探りで頑張っていたんです。負けず嫌いだから、周りにバレないように1人で必死に……
 
私はすぐに、娘と話しました。 医師の診断も、娘に伝えました。
難しすぎる言葉は噛み砕いて、でも隠すことなく全て。
彼女は、「バカだから」 読み書きができないと、思っていました。
LDを子供に正しく伝える方法なんて、私は今でもわかりません。
でも、私は彼女といくつかの約束をしました。
自分を否定しないこと。
「バカ」という言葉。
まず彼女に、その言葉の意味を尋ねてみました。
彼女の定義は、勉強ができない人でした。
いくら綺麗事を言っても、現実は変わりません。
彼女は、ひらがな、カタカナ、漢字を使わないといけない日本に生まれました。
けど私は娘に、もし読み書きをできたとしても、優しさのない人や、他人を見下す様な人になって欲しくない。 そして、自分のことを否定して、恥じている人を周りの人は、愛してくれない事を伝えました。
さらに私は娘に、「あなたが、キラキラ輝けるモノを探そう!」 と、言いました。
もちろん彼女には、意味がわかっていませんでした。
私は、「ママの今までの宝物は、物じゃない。 3人の子供が、私の所に生まれたこと。 その子供達との時間がキラキラの宝物。 だから、あなたも自分の宝物を見つけよう! もしかすると、誰かがあなたの宝の地図を持ってるかもしれない! だから、優しい心を忘れないで、自分の出来ることを思いっきりやる! できないことも、どうやったら少しでもできるのか、 「あいうえお表」みたいに、自分なりにやってみる! だから、宝探しだと思って、自分がキラキラできるものを探そう!」 そう話しました。
いまだにそれで良かったのか、わかりません。
 
けど、中学2年になった彼女は、大会でメダルを貰ってくる陸上部員。
ステップアップファミリーで、新しいパパがアメリカ人だけど、
人一倍リスニング力が成長した彼女。
そして、アルファベットは、たくさん練習して完璧に覚えた彼女。
運動神経の良さは、いつも先生方のお墨付き。
手先も器用で、恐ろしく小さい鶴を折ったりします。
 
もちろん、これからも大変な道だと思います。
けど私達はこれからも、家族みんなでそれぞれの宝物を探していきます!
そして、なによりも
たくさんの子供達が、自分だけのキラキラした宝物をたくさん見つけられる事を
心から願っています。
 
 
 
 
***
 
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2019-06-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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