結婚しても男が「イクメン」や「カジメン」に絶対になってはならない理由
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:西部直樹(ライティング・ゼミ)
ここ数年、若い知人たちが、つぎつぎと結婚をしている。
いらぬ節介だとは思うが、若い婿たちへ、ひと言忠告を申し上げたい。
結婚しても、カジメンやイクメンはなってはいけない!
カジメンとは 家事を積極的に手伝う夫
イクメンとは 育児に参加する夫
のことだ。
どうしてかって?
少し前、あるシンポジウムに出ることになった。
行政が主催するごく小さなシンポジウム・パネルディスカッションである。
テーマは、「カジメン、イクメンになる」というようなもの。
「積極的」に家事や育児に関わっている男性を集め、これからの男女共同参画社会について……云々ということである。
パネラーの一人として参加することになった。
その中で、他のカジメン、イクメンたちの話に、ちょっと違和感を覚えた。
曰く
「私が家事を「手伝う」ようになったのは……」
「育児に「参加して」みると、これが楽しいので……」
家庭生活に必要な家事は、手伝うことなのか?
家族を作っていく育児は、参加するものなのか?
「手伝う」とか、「参加する」というのは、家事や育児に馴染まないのではないか。
※ 手伝うのは、本業以外のこと
手伝うというのは、本業、自分の仕事以外のことで、他者の本業というか仕事を手助けするということだろう。つまり、その作業の主体ではないということだ。
例えば、子どもが家の仕事を「手伝う」とか。
私は北海道、オホーツク海に面した小さな町で生まれた。
家は畑作と酪農を営む農家である。
畑と家畜がいると、親は休む間がない。
当然のように、子どもも働くことになる。
畑仕事に、家畜の世話など、学校から帰ってきたら、あるいは休日は
家の仕事を「手伝う」のだ。
手伝いは、面倒で、辛く、できれば避けたいものだった。
子どもの本業は、勉強と遊びだから、面倒で、辛く、避けたかったのだろう。
※ 仕事はするもの
家の手伝いから解放されて、就職した時のことだ。
新人の頃、配属された日には、何をしていいのかわからず、しばし、呆然としていた。
少しずつ仕事を覚え、それでも1年を過ぎるまでは、先輩の仕事を「手伝ったり」していた。
社会人の仕事に「参加」させて頂いているようなものだった。
新人時代が終わり、後輩ができると、先輩社員からこう言われた「仕事は指示を待つのではなく、自分で作るものだ」
なるほど。
見渡せば、自分がやるべきことはわかってくる、仕事は見つかっていくのだ。
それから、紆余曲折を経て、独立し、自分で会社をしていると、仕事は作るものでもなく、自然とそこにあるもの、あるいは湧水のように、湧き出るものだと思うようになった。
仕事のtodoリストは、長く、全てを消し去ることができない。
仕事は手伝うものでも、参加するようなことでもなく、そこにあるから「する」ことなのだ。
※家族をつくる
長じて家庭を持った時のことだ。
結婚すると何かが大きく変わるかと思っていたが、思いの外独身時代と、日常生活は変わりないものであった。
もちろん、独身時代と結婚してからでは、変わったことは多々ある、数えれば253個くらいあげることができるが、本題ではないので割愛しておこう。
変わらなかったことは、生活するということ。
生きて活動するためにおこなうことは、独身時代も結婚後も変わりはない。
家のことを「手伝っていた」子どもの頃は、被扶養者だったから、家庭の主体ではなかったからだ。だから手伝っていたのだ。
家事を手伝うということは、家庭の主体ではなく、被扶養者であるということなのか?
手伝っている限り、誰からに世話をしてもらわなければならない、自立も自律できない子どもである、ということではないか。
参加する、ということは、「今日は不参加です」とか、行動に選択の余地があるかのような言葉である。
育児には時々参加したり、不参加だったりはできない。
子どもが育つのに休みはないのだから。
自分の仕事を「手伝う」という人はいないだろう。
自分の仕事は「する」だ。
同じように、家事も育児も「する」のだ。
カジメン・イクメンは、家事をする、育児をする男性が珍しいから、あえてつけられた名称だ。
「カジメン」「イクメン」と言われることを誇らしいとか思ってはいけない。
家事をする、育児をする女性を「カジウーマン」とか「イクウーマン」などと呼ばない。なぜなら、当然のことだから。当然のことをしている人は、特別な名称では呼ばない。
特別な名称を与えられるということは、当然のことをしていない者だからだ。
誰かが子どもにミルクを与えていたら、その間は何もできないのだから、別のものが家事をする。おむつを替えるのは、近くにいる者だ。夜泣きをすれば、体力のある方があやせばいいのだ。
家事や育児は「する」ものだ、参加することでも、手伝うことでも、ない。「する」のだ。当たり前ことだから、あえて名称などいらない。
名をつけるならもう付いている、それは「夫」と「父親」だ。
だから、男子たるもの、結婚したからといって、家事を手伝ってはいけない、子どもができたら育児に参加してもいけない。決してカジメンやイクメンになってはいけない。
では、何になればいいのか「夫」や「父親」になるのだ。
若き男性たちよ、夫とか父親として、え~と、頑張ろうではないか
さてと、原稿を書き終えたから、今日はゴミの回収日だったな、ゴミを出して、洗濯してと、あっと、食器洗いが残っていた……。
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