私たちは無意識に地雷を仕掛けている。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:Yuki Hashizume(ライティング・ゼミ平日コース)
「あんたは早く再婚すべきよ。再婚しないとこれから大変よ」
カチッ
あぁ。私はまた【言葉】の地雷を踏んでしまったのだ。
一歩でも動いたらこの身が滅んでしまうのだ。
離婚して6年が経つ。
生活も安定し、軌道に乗ってきている私に対して未だに母が放つ言葉だ。
母だけに限らず同じようなニュアンスの言葉を何度言われた事だろう。
離婚直後は精神的にも不安定になり、食事も喉を通らなかった。
子供達も夜中に泣き叫んで落ち着かなくなってしまった。
体重は10kg急激に落ちてしまい、確かに病的な状態。
そんな辛い時期が1年半ほど続いた。
言われてみてば、こんな状態のシングルマザーを見ればどんな人でもアドバイスせずにはいられなかったのだろう。
「あなたはこうすれば、より良くなれるのよ」
という一見優しく見えて、人を身動き取れなくなってしまう恐ろしい言葉を。
母は大好きだし、尊敬もしている。
しかし今ならわかる。
私の母は離婚を経験したこともない、最愛の人に裏切られたこともない。
ましてやある日急に、子ども二人を抱えシングルマザーとなり一家の大黒柱にもなったことがないのだ。
彼女が経験したこともない問題に対して、彼女が勝手に決めつた「こうすべき」と言う前提は果たして正しいのだろうか。
本当に彼女の言った通りに行動していれば、人生は今よりもより良いものになるという確証があったと言えるのか。
当時の私は、その言葉を鵜呑みにして自分を見つめ直す事や自分の成長を置き去りにして「再婚するための出会い」を優先順位の一番に持ってきてしまった期間があった。
母の言葉に背中を押され、自分自身で決断せずにテキトーに出会いを求めたりもした。
結果はもちろん想像できるだろう。
ただただ、時間無駄遣いをしてしまった。
なぜって?
だってそもそも私は「再婚したい」なんて全く思っていなかったんだもの。
母が発する無意識の言葉が地雷となり、私の周りに埋まってゆく。
私も無意識に生きていく中で、平気でその地雷の上に足をおろしてしまったのだ。
その瞬間、身動きが取れなくなり私はその上で時間を過ごしていくはめになるのだ。
私は少しの間、その地雷の上から動けなくなってしまった。
しかし、多少のダメージを覚悟の上で足を前へと進めてみることにしたのだ。
その「再婚しなければ」という地雷から足を外した途端、自分の目の前が明るくなったのを今でも覚えている。
今では毎日子供達笑顔で楽しく過ごしている。
好きな仕事をして、好きな挑戦をして、好きな仲間と過ごす。
そんな時間があることが大切だということに気がつくことができたのだ。
胸を張って充実した時間を送っていると言える自信がある私に向かって、母は今でも同じことを言ってくる。
しかし、客観的に普段の生活でのコミュニケーションを見てみると母以外にも多くの人が「こうすべき」と言う勝手な前提を押し付けていることに気がついた。
それは会社の同僚であったり、ママ友、地域の人たち、知り合ったばかりの人たちだったりする。
なるほど、ここは戦場。
無意識の【言葉】の地雷原に私は立っているのだ。
その地雷に足を乗せてしまうことで、私は不安を感じ身動きが取れなくなってしまうのだ。
だから私は、彼らが言葉巧みに仕掛けていった地雷をヒョイヒョイかわしながら前に進んでいく。
無意識の言葉の怖さ。
その言葉が他人を動けなくさせてしまう、まるで地雷だということ。
そこに気がついて、初めて私は自分自身も普段から地雷を仕掛けているのではないか? と意識するようになった。
この地雷の怖さを知っている私だからこそ、自分が意識することで周りの人に対する地雷は減られるはずだ。
私の勝手な思い込みや、決めつけで物事を判断しない。
ましてや、アドバイスをするなんてもっての他なのだ。
この記事をここまで読んでくれた、そんなあなたにお願いしたい。
一度、あなたが普段話している【言葉】について考えてみて欲しい。
相手に対して勝手に何かを決めつけたり「こうするのが当たり前」と思い込んで接してはいないだろうか?
もしくは、誰かに何かを決めつけられて、「こうすべきだよ」と言われてそのまま鵜呑みにしているかもしれない。
それは家庭で、職場で、友人関係で、子どもと接している時など様々なシーンで起きているだろう。
この世に全く同じ経験をした人もいなければ、同じ価値観を持った人間なんて存在していない。
あなた自身が考える前提・当たり前・意見が必ず正しいなんて、100%じゃないのだ。
ましてや他人が考える前提が常に正しい保証など全くないのだ。
実は私たちの答えは常に自分自身の中にある事を覚えておいて欲しい。
答えを探し出すには、人それぞれの方法と時間のかけ方がある。
その答えを探す間に、周りの人の仕掛けた地雷を踏んでいればそれだけで時間ロスだ。
言葉の地雷は意識すれば、簡単に発見することができる。
ヒョイヒョイと避けながら地雷原を突破し答えを見つけるのか、地雷に足を取られ時間とメンタルにダメージを受けながら進むのか見極めよう。
周りの人が無意識に発している言葉は地雷となり、私たちの周りに仕掛けられている。
それは意識すると見えてくる。
ほら、あなたの周りにもたくさん。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/zemi/102023
天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。