「やらない」は「やる」への近道
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:織巴まどか(ライティング・ゼミ平日コース)
12月半ば。
私はひとつの真理にたどり着いていた。
12月は、「師走」とも呼ばれる。師が走り回るほど忙しい月、というのが語源のひとつとされている。
私は「師」と呼ばれるような立場ではないけれど、たしかにこの12月は、めちゃくちゃやることが多かった。
店舗経営をしているため、毎月末はただでさえ、通常業務に加えて月締めの経理処理をしなければならない。
加えて、12月は、クリスマスにちなんだイベントを開催し、年明けの福袋や初売りや年頭イベントの企画をたて、さらに営業日数がいつもよりも少ない。
ここに、家族関連のタスクも加わる。娘の幼稚園のクリスマス会での保護者たちによる余興やレクリエーションの企画。そして家族へのクリスマスプレゼントを準備し、娘の分はそっと25日の朝に枕元へお届け、というサンタクロース業務を無事にこなせば、早々に冬休みに入った娘のお世話。(もちろん、ライティング・ゼミの課題もある)
これだけでも、普段に比べて3~5倍くらいはやることがあると思う。
そんな中、さらに私の頭を悩ませる大きな問題がひとつあるのだけれど。
けれども。
あー、これは無理だわ。
これまでも、毎年いつも最後まで間に合わなかったけど、今年はもう本当に無理だわ。
私は気付いてしまったのだ。
「年末の忙しいときに、大掃除まで抱え込むのは完全に無理ゲー」だと……!
そう、これが私が昨年末に得た、個人的なひとつの真理である。
大掃除、無理!
大体、どうしてこの思い切り寒い時期に、水を使ったり外に出たり窓を開けたりして、寒くて縮こまった体を酷使して、掃除をしまくらなくてはいけないのだ。
聞くところによると、ここ最近では、私と同じ真理にたどり着いた人が多いのか、「年末に大掃除なんてしない」という風潮もあるそうじゃないか。
よし、それに便乗しよう。
もう、年末の大掃除はやめて、これからは暖かい時期に大掃除しよう!
……と、決意して。
結果、どうなったか。
日頃の掃除嫌いが蓄積して、正直かなりひどい有様だったお店のバックヤードや自宅が、現在どうなっているのか。
新年を迎えた今。
わりとぴかぴかなのである。
実は昨年末は、例年よりもずっと効率的に、ささっと大掃除ができてしまったのだ。
なんだか、奇跡の逆転ホームランを打てたような気分。
このミラクルが起きた経緯としては。
「大掃除するの本当にしんどい、無理」となったとき、いつもの私であれば、「とはいえ、いつもあんまり掃除してない分、年末くらいはやらないとダメだよなぁ……」と無理矢理やろうとしていたと思う。
でも今回は、
「大掃除は、今年はできなくていい。やらなくていい」
と、完全に割り切ることにしたのだ。周りにもそう宣言した。
気分がそれだけで格段に楽になった。
すると、不思議なことに、
「あっ、でも明日午後に来客あるから、午前中に、お客さんの目に入る範囲だけ、きれいにしておこう」
とか
「今から寝るまでの間だけ、いるものと捨ててもいいものを整理してみよう」
とか、自主的に、動き始めるようになった。
嫌々掃除するのが毎年すごく苦痛だった気がするのだけど、何故かそんなに嫌だとも思わなかった。
そして気がついたら、いつもよりずっとしっかり、大掃除ができていた。
すべてを完璧に完了させたわけではないけれど、年が明けてからも、毎日ちょっとずつ残した箇所を片付けたりしている。
自分でも、この心境の変化にびっくりした。
振り返って分析してみると、
やっぱり、一度「もう、やらない。一切やらなくていい」と決めたことが、大きかったのかなと思う。
気が乗らないけれど、仕方なく。やらなければいけないから。という意識でやっていることは、どうしても「やらされている感」を無意識のうちに、自分の中で抱いてしまうものだと思う。
すると必要以上に、心にブレーキがかかって、腰も重くなり、嫌々が増していく。
結果、上手く進まないので、さらに嫌になっていく、という悪循環。
こうなってしまったときのひとつの打開策として、
「やらない」
と決めてしまう、ということは有効かもしれない。
それも、本当はやった方がいいんだろうなー、でもやりたくないんだよなー、などと罪悪感を持ちながらやらないでいるのではなくて、
潔く「やらない」。堂々と「やらない」。本気で「やらない」こと。
だって、それができないと死ぬなんてことは、人生においてほとんどないのだ。
大体が、「やらないといけない」と勝手に思い込んでいるものばかり。
そして、本気で「やらない」と決めると。
自主的に、「やる」ことを決めて、動き始めたりもする。
人の心理は不思議なものだ。
もちろん、「絶対にこれをやるんだ」と自分にコミットして、やるということが大事な場面もあるだろう。
それでは上手くいかなくなってしまったとき、この「押してもダメなら引いてみる」的な方法も試してみてほしい。
私が最近たどり着いた、もうひとつの真理。
「やらない」は「やる」への近道、である。
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