私が四代目「天狼院秘本」を読まない理由
記事:Ryosuke Koike さん(ライティング・ラボ)
「天狼院秘本」
天狼院書店でたまに発売される本である。
名前からして怪しいものを想像してしまいたくなるが、何のことはない。いたってシンプルなものである。
タイトル秘密。真っ黒カバー。人に教えてはダメ。買っても、買ってからも秘密がつきまとう本だ。
内容がわからないものを買うことになるので、よく考えたらかなりリスキーである。
面白くないかもしれない。
興味がない内容かもしれない。
もう既に読んだかもしれない。
天狼院の店主を信じるしかないのだ。
それでも私は、今までにない面白い売り方だなと思い、三代目「天狼院秘本」を買ったことがある。結果的には充分満足できるものであった。
そして今度は四代目の「天狼院秘本」が発売されることになった。
早速、天狼院のWeb上の紹介記事を見た。どうやら売れ行きも好調なようだ。
しかし、今回の「天狼院秘本」に私の触手は動こうとして、その動きを止めた。
頭の中で、読むことを否定している私がいる。
昨年ぐらいから人の心理や人生観に関する本を多く読むようになっていたが、今春から仕事の内容が劇的に変わり、慣れない仕事による毎日襲い掛かってくるストレスに打ち勝つ方法はないかと、さらに手にするようになっていた。
多くの本を読んでいると、根本的な点ではいくつかの限られた数の考え方に集約され、あとは、それを実践や現実にどう活かすかという手段の部分に様々なバリエーションがあるのだと、私は感じていた。
とにかく日々の重圧から逃れたい私は、片っ端から本に書かれていることを試した。家でも、通勤時でも、職場でも、休日でも、起きた直後も、食事中も、就寝前の数分も。
そうやって試してみると、効果がないものもあれば、あるものもあった。しかし決定的なものはなく、徐々に状態は元に戻るという繰り返しであった。
そんな私の目の前に現れた、「生きづらさ」を緩和してくれるという四代目「天狼院秘本」
天狼院の店主が勧めている本。
喉から手が出るほど欲しくてすぐにインターネットで注文しようとする「私」の背後で、別の「私」が肩を掴んで耳元でささやく。
これだけ多くの本を読んで実行したのに、改善されない。読んでも意味がないのではないか、と諦めている「私」
本を読んだ後に、読めば解決すると思って買ったのに改善されない。裏切られたと失望するのではないか、と怯える「私」
別の方からも、天狼院の店主が言うように、逆境を乗り越えてこそ成長するのではないか。安易に飛びついていいのか、と諌める「私」
あと数年して振り返ってみれば大したことなかったと思う日がきっと来る、と気遣う「私」
一方で、もしかすると次は改善するかもしれないのに、行動する前に諦めるのか、と鼓舞する「私」
読めば改善するかもしれなかったのに、その機会を逃してしまった、と後悔するであろう「私」
天狼院の店主が言うのなら、きっと効果があるに違いない。買うべきだ、と煽る「私」
あー。
パソコンの前で悩む私。
すると、子どもを寝かせた妻が居間に戻ってきた。私は頭の中の葛藤を要約して話した。
「買えばいいやん」
「でも、読んで万が一がっかりしてもなあ」
「買って読まなかったらいいじゃない」
そうか。その手があったか。
買わなくて後悔することも防げるし、必要なときに読めばよいだけである。
幸い、「天狼院秘本」は黒いブックカバーで覆われている。既に持っている三代目「天狼院秘本」のように、我が家の黒い書棚の端っこに収納しておけば同化して気にならなくなる。必要なときは書棚から取り出し、黒い包装から取り出せばよい。
ちなみに、私の現在のストレスは慣れない仕事からくるものであり、過去の経験からすると、数か月して慣れれば消えていく一過性のものである、と信じている。しかし、もしこの状況がずっと続いたときに、買わなかった四代目「天狼院秘本」のことを思い出したら……
本当に必要なときの薬として、最終兵器として、お守りとして。
さあ、売り切れる前に手に入れるのだ。
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