我輩は犬である。そして天は犬の上に人は造らず。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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作品:うまほねまうま (ライティング・ゼミ平日コース)
我輩は犬である。我輩の飼い主であるママちゃんとは結構仲良しだ。
ママちゃんが部屋の中を歩けば常についていく。
ママちゃんが寝室に入れば、同時にベッドにダイブ! うつ伏せになったママちゃんの背中の上に乗る。
ママちゃんはポカポカする我輩のお腹が気持ちよく、その心地よい重みでどんなエステサロンでも味わえないほどの癒しを感じるらしい。そして30秒もしないうちに眠りに落ちる。我輩はいつもそうやってママちゃんを寝かしつける。
ママちゃんが寝るとお役目終了。
背中から降りると、今度はうつ伏せになったスヌーピーの背中の上で寝る。
我輩だって甘えたい。
ある日、ママちゃんのお友達とのキャンプに連れて行ってもらった。
ママちゃんが低くしゃがんだので、いつものように乗ってあげた。
すると、同じ犬かと我輩が思うほど大きくて、前が見えないほど毛の長い犬をつれたおばさんがママちゃんにいった。
「飼い主の上に乗るなんて、犬にナメられてるわねぇ」
我輩は喋れるものなら言いたかった。
「何を言う。ママちゃんに。甘えてるだけなのに。」
くやしかったけど、ガブッとしなかったよ。
ご褒美におやつちょうだい。
ところで、我輩は自分を犬だとは思っていない。お散歩のときにすれ違う犬に吠えられても気にしない。それどころか犬が前から歩いてきたら気づかぬふりして目を合わせない。
お散歩のときの我輩のポジションは、ママちゃんの足と足の間。頭をふくらはぎに挟まれながらくねくね歩く。我輩は犬ではなく人の足と足の間で歩く生き物。同じ、景色をみている。
くねくね運動をしているとお腹の動きが活発になると横断歩道の真ん中だろうがしゃんがんでしまう。困った顔をしながらうんちに付き合ってくれるママちゃんには感謝してる。
これぞ、共存。ダイバーシティ。
こんにちは、ママちゃんこと我輩は犬に癒されながら生きている人間である。白いトイプードルを飼っている。俗に言う「もふもふ」で、休日は戯れている間に自分が先に犬の腹の中で寝てしまう。とにかく犬のお腹は暖かい。
もしも子犬になったら、この暖かいお腹の中で眠れるのか……。
子犬になってみたい、この犬の……。
そんなバカなことを考えている間にうとうと眠りに堕ちてしまう。
でも人間だからこそこの種の幸せについてもあらためて感動することもできる。
やっぱり我輩は人間でよかった。
とにかく日々この子のおかげで癒されている。
なぜ、こんなに幸せな気持ちになるのだろうと思っていろいろ調べてみた。
人は出産の時や誰かと信頼関係ができたときや触れ合ったときに「オキシトシン」というホルモンが放出されるという。別名「幸せホルモン」とも呼ばれるこのホルモンが出ると幸福や安心を感じるといわれている。
このホルモン、嬉しいことにストレスを下げる効果もあるらしい。ストレスがかかるとこのホルモンが出て人に助けを求めたくなるのだそうだ。その結果、助け合いながら幸せを感じられるという素敵なホルモンの存在を知った。
それがなんと人だけでなく犬とでも見つめ合ったり、スキンシップすると人と犬どちらにもオキシトシンが出るというのだ。
今までの幸福感や、セラピー犬がいることも大いにうなづける。
これはみんなにとってハッピーだ。人にも犬にも、そして周りの人にとっても。
オキシトシンのおかげでみんな幸せで優しい気持ちになれるのであれば、共に出そうではないか、我がワンコよ!
そうママちゃん。我輩はママちゃんが外から帰ってきたらいつも飛びきりの大歓迎!
ママちゃんとソファーの間を3往復悶え歩きながらしっぽ秒速8往復するルティーン、
全身で喜びを表す最高の瞬間。
感情の交換は人を元気にする。癒すんだ。
感情豊かなことを「人間らしい」っていうらしいけど「犬らしい」ってどうだろう。
人間は全身で感情を表現することを忘れてないかい?
人前では感情を出してはいけないの? 本音はあまり言ってはいけないの?
人間って大変だね。
我輩は犬であると同時に、人を励まし、共に生き、癒し、励まし合う仲間。
人間が我輩に癒されるのは、うそ偽りのない感情で思い切りぶつかってきてくれるから。
大好きって全身で表現しちゃうから。
オキシトシンとか難しい脳内物質のしくみは我輩はよくわからないけど、
とにかく生き物はそういう風になってるんだワン。
お互いに安心と信頼を感じると幸福を感じるんだワン!
今「ワンチーム」って流行ってるらしいね。ワンは我輩のことではないみたいだけど、
みんなで仲良くしようではないか! 世界も種も超えて。
人と犬に上下がないように。
人と人にも、犬と犬にも上下なんてない。
「天は犬の上に人を造らず。人の下にも犬を造らず」
我輩がいつか老犬になったら、ママちゃんにおぶってもらう日が来るだろう。
もしママちゃんがもし倒れた時は、ママちゃんの上でわんわん吠えて人を呼ぼうと思う。
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