いいねという居場所をあげる
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:神本崇聖(ライティング・ゼミ日曜コース)
「いいね!」
SNSを始めた頃から、僕はこの「いいね!」に取りつかれている。
Facebook、Twitter、Instagram、note、ameblo。
僕がこれまで使ってきた、「いいね!」をもらうためのWebメディアである。
今やこれなしではいられないというほど、毎日触れ合うものたちになってしまった。
僕が「いいね!」と出会ったのは5年前、つまり2015年頃になる。
当時の僕は、社会人になり、仕事にも少しずつ慣れてきたけど、どこかこのままじゃいけないと思っていた。
なんとか今の人生から少しでも脱したい、もっと成長して今よりも上のレベルにいきたいともがいていたのだ。
そんなときにインターネットでの検索の末、出会ったのが医療介護業界ナンバーワンコーチと名乗るプロコーチだった。
彼は、僕が出会う前から、数々の医療介護従事者に向けてコーチングを行い、1人ひとりの人生に大きな変化のきっかけを作り、実際に成果を出していた。
当時の僕からすると、とんでもない雲の上にいるような存在であった。
ただ気付いたときには、どうしても変わりたいと思っていた僕は、『半年間月1回コーチングセッション10万円(税込)』という、今まで払ったことのない高額な商品の購入ボタンを押していた。
後日、コーチングセッションの初回の日程が決まった。
そして、何を行うのか全く分からないまま初日を迎えた。
そのときにコーチされたことは、今でも鮮明に覚えている。
「かみもっちゃんはね、絶対情報発信した方がいいよ。その内に秘めている思いをどんどん出していったらさぁ、絶対に誰か共感してくれて、どんどん仲間が出来るよ」
このセッションが終わった後、僕のamebloとFacebookでの情報発信が始まった。
そう、このとき「いいね!」の味を知ったのだ。
ただここで、言っておかないといけないのは、この時まで僕はFacebookに自分の言葉で自分の情報を投稿することを今では信じられないほどビビっていたということ。
超小心者の僕がいたということである。
なんていったって、それまでFacebookに投稿したのは1回だったのだ。
その1回も恥ずかしさのあまり、友達の名前を使って投稿した。
「俊、これが新しく買ったソファ、これで投稿あっとるか?」
あたかも、自分の投稿じゃないと言わんばかりの保険を掛けていた。
今思い返すと、何の意味もない恥ずかしい投稿だ。
書いて投稿すればするほど、「いいね!」がつく、コメントも貰える。
今までに感じたことのないような、自分の承認欲求というものが満たされたのだった。
「これがSNSの力か!」
そんな「いいね!」の魅力に気付いてから5年。
いまだにSNSをはじめ、情報発信ツールを使用して自分の承認欲求を満たしている。
その一方、どこかそんな承認欲求だけを満たしているような自分にも飽きてきているようにも感じていた。
オンラインじゃなくて、人の目ばかり気にしなくてもよくて、承認が得られた場所がどこかにあった記憶があるはず……。
あぁそうかと、思い出したのが、学生時代の部活動。
上手くもないが、好きという理由だけで続けていたサッカー部。
もちろん万年補欠で、先生の情けで2軍の試合には出させてもらえる程度の実力だった。
そんな僕でも頑張れることは何かあると思って、出した答えがみんなを応援することだった。
「ナイスプレー!」
「ナイスキーパー!」
「ドンマイ、ドンマイ!」
誰も声を出さなくても、必ず出し続けていた。
どんな言葉でも、同じことの繰り返しでもいいから声を出し続けていた。
そんなことをずっと続けているうちに、周りのチームメイトたちからも自然と仲間のプレーを称賛するような声が出始めたのだ。
今振り返ると、このとき、僕はきっと仲間たちからの承認を感じていたはずだ。
言葉としての承認ではない。
「いいね!」もついてない。
ただ、みんなが僕の声につられて、自然と声を出し始めた。
僕の勘違いでないことを願いたいが、あの時がおそらく、僕があの場所、あの部活にいていいんだという承認が得られた瞬間だった。
あの承認だ、今の僕が欲しいのは。
「そこにいてもいいよ、そこにいてよ」
そういう言葉だ。
ただ自己満足だけの「いいね!」ではなかったのだ。
「いいね!」という機能は常識になっているなか、僕たちはその数を誰かと比較して、喜んだり落ち込んだりして忙しい。
僕自身も、誰かの投稿を見れば、親しい友人や好きな著名人には「いいね!」を押す。
あまりに毎日、目にしてしまっていることで、呪文のように頭の中をぐるぐると巡る。
そして、当たり前のように求めるようになってきている。
そんな毎日を過ごしながら、僕らの人生はいつの間にか「いいね!」に支配されているのかもしれない。
だからこそ、「いいね!」とは自分にとってはどんな意味があるのかを気付きたい。
僕にとっての「いいね!」の本質は、あのサッカー部で過ごした居場所。
そこにいてもいいよ、そこにいてよっていう承認だった。
「いいね!」とは承認を満たすことだけじゃない、自分を認めてくれる居場所だったのだ。
自分が必要とされる居場所を求めているのである。
「せーの、いいね!」
***
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