Good&New 1人でやっても効果あり
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:岩居雅俊(ライティング・ゼミ通信限定コース)
「初めに、『Good&New』というエクササイズをしましょう」
司会者の進行でミーティングが始まった。アイスブレイクを兼ねて参加者1人1人が簡単に話をするというエクササイズだ。
24時間以内にあった「よかったこと(Good)」または「新しい発見(New)」を、1人1分位で話して、聞いていた皆が拍手をするというものだ。1人終えたら次の人にバトンタッチし、全員が話し終えるまで行う。
全員がポジティブな内容を話すため、その場全体の雰囲気が温まりやすいと言われている。
元々は、アメリカの教育学者であるピーター・クライン氏が考案したもので、アイスブレイクの手法や組織の活性化の手法として活用されており、企業の朝礼等に使われることも増えているようだ。
「書く事が苦手な自分は、今ライティングゼミで学んでいます。2000文字の文章がなかなか書けず、つい冗長になってしまう悩みがあったのですが、『早く書く』『短い文章で書く』というアドバイスをいただきました。実践してみたら、今までより短い時間で、少しは読める文章を書くことができました。久しぶりに嬉しかったです」
聞いていた皆から拍手が湧く。恥ずかしいような、嬉しいような気持ちになった。
1人で感じていたことを、言葉にして話すことで、喜びが増してきた感覚だった。
他の人の話を聞いている時も、その人のポジティブな感情が伝わってきた。
「Good&New」のメカニズムはシンプルだ。「よかったこと」「新しい発見」というポジティブな問いに答えようとすることで、思考もポジティブになり、参加者全員が共有することで、お互いの関係性も深まりやすいというものだ。
実は、この「Good&New」は、個人としても活用できるようだ。脳のメカニズムにより、自問自答することで、人は自然に問いに対する答えを探そうとする。そして繰り返し行うことで習慣化されていくらしい。
試しに、次の朝起きた時に、「24時間以内に起きたよかったこと、新しい発見」を考えてみた。すぐに、昨夜の「オンラインで友人と久しぶりに会い、懐かしい会話をしたシーン」が思い浮かんだ。そして、「自分が知らなかったビジネスの情報」を聞いたことを思い出した。
すると、朝からすっきりした気分になり、すぐに仕事をする準備を始めていた。
次の日は、朝目覚めた瞬間に、前日の出来事が思い出された。「子供と一緒に久しぶりにファミリーレストランで夕食をしたシーン」だった。空いていた店内で、子供が夢中になっている漫画の話を聞いて、こちらも嬉しい気持ちになった。
それからは、毎朝起きると自然に、前日のよかったこと、新しい発見を考えるようになった。
不思議なもので、朝の気分がいいと、午前中から体の動きが少し早くなっている気がする。仕事も以前よりはかどっている感じがある。
10日程たってから、あることに気付いた。
自分が毎日思い出す「よかったこと」のシーンには、登場人物がいるということだ。どうやら自分には、人との関わりの中で喜びや嬉しさを見出す傾向があるらしい。
一方で、「新しい発見」は思い浮かばない日もある。むしろ、無い日の方が多いようだ。
よく考えてみると、最近は同じ行動パターンを繰り返すことが多い。新しいことにチャレンジしたり、いつもと違う行動をしてみることが少なくなっている。
最近、ワクワクする感じが少なくなっているのは、そのせいかもしれないと思った。では身近なことから変化をつけてみようと、朝の通勤ルートを変えてみた。いつもと違う道を歩いてみた。いつのまにか知らない店がオープンしていた。入口に興味深い看板があり、今度入ってみようという気持ちになった。
次の日は、仕事で抱えていた課題を、今まで全く接点のなかった人に話してみた。以外なことに、「興味があるので協力してもいい」という人が3人も現れた。驚くと同時に嬉しさが込み上げてきた。自分の勝手な思い込みで、狭い範囲でしか物事を考えていなかったのかもしれない。
それからは、「新しい発見」も意識するようになった。自分にとっての好奇心が刺激されているのかもしれない。
ふとしたきっかけで、始めてみた「1人Good&New」は、自分にとって思いがけない効果をもたらしている。ちょっと意識してみるだけで、朝の目覚めに寝床でできるのが気軽で気に入っている。
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