そうして今日も私は洗顔料を絞りだすのです
記事:聡苑(ライティング·ゼミ)
「あ······また買い忘れた」
お風呂に入る度思い出して2週間。いつも使っている洗顔料がもう無くなりかけているのだ。毎日使っている洗顔料だから、買い足しを日中思い出しても良さそうなのに、毎日お風呂に入る度に思い出し、きっと明日も忘れているのだろう。そして明日もまた同じ様に言うのだろう。
「あ······また買い忘れた」
毎日毎日後ろの方から絞り出す様に使っている。きっと今日はもう無いだろうと思いながらも、絞り出すと、しぶとく出て来るから何だかんだで使ってしまう。
「明日は買わなきゃ。忘れない様にしよっと」
ドラッグストアでも売っている、どこにでもある普通の洗顔料。職場の目の前には2店舗ドラッグストアが並んでいるので、いつでも買える。コンビニにも売っているのかもしれない。いつでも買えるから、すぐに忘れてしまうのかもしれない。ここでしか買えない、今しか無理など切羽詰まった状況でない限り、優先順位の低い事は、人間は忘れてしまうのかもしれない。
ライティング·ゼミを受講し始めて約1ヶ月。元々天狼院を知ったのは、フェイスブックで友人が福岡に天狼院という面白い本屋が出来るという事を書いていたのがきっかけだった。去年の暑い夏の日だった。
「天狼院······何と読むっちゃろうか?」
「天狼院そもそも名前が本屋らしくないし」
「何故福岡なんやろう?」
それがきっかけだったと思う。それからWeb天狼院や三浦さんの文章を読みながら、読ませる文章ってすごいな。今は本が文章よりも、動画にも移行している時代に文章で読ませるってすごいなと思っていました。そしたら、なんと! ライティング·を学ぶきっかけが、ラボとして体験出来る日がきたのです。
しかしその日は仕事の都合で受講できず。縁がないのかなと残念に思っていたら、ラボがゼミに昇格!即受けようと思いました。上手な人に読ませる文章が書ける。私の様に仕事をして、シフト制だと時間も曜日も読めない仕事でも通信で受けられるし。しかもゼミ参加者はWeb天狼院のサイトに投稿チャレンジ権があり、記事を寄稿し、店主三浦さんのOKが出れば、Web天狼院の記事として掲載していただけるのだ。
どうですか?
「おおっ?何か良さそうだな」「三浦さんに読んでもらえるなんて凄いな」と思いました?
私も最初はそう思いました。選ばれるかどうかはさておき、自分の投稿が人気のサイトに掲載されるなんて、凄いなと。しかも私の好きな天狼院のサイトに。でも投稿チャレンジまだたった4回目ですが、既に書くネタが無いというピンチに陥っています。最初は良かったんですよ。今思えば、勢いだけで書いていたと思います。読み返せばその時の自分が手に取るようにわかります。
書くネタが無いとは、薄々と気づいていたんですね。「あ、これヤバいなと」
今迄はフッと湧き出る感情をグッと掴みとって、そこから文章を組み立てていくという流れだったんですが、今週はそれすらない。無いことは無いのですが、いかんせん知識が入ってくると、頭で考えてしまい、文章にならないのです。
「そもそも派遣で働いているのに、文章力って今更必要無いんじゃないか?」
「一週くらい休んでもよかろうもん」
「今週は書くの止めようかな」と思う自分もいるのですが、でもゼミを受ける4ヶ月は毎週書こうと決めた自分との約束を破れない無駄に真面目な自分との戦い。
でもそうすると人間の頭ってすごいですね。
何か無いだろうかと常に頭の片隅にライティングの件が頭にあるのです。本や雑誌を読んでいても、何かないだろうかと常にアンテナがたっている様な感覚。
この言葉はタイトルに使えるんじゃないか。
こういう写真を使いたい。
ライティング·ゼミで一緒に学んでいる人達の文章から、何かヒントになるものは無いか、これはどういう意図で書いているのだろうかと文章の読み方まで変わってきている事に気づいたのです。
まさに洗顔料を絞り出す感覚。
昨日たまたまテレビを見ていたら、イタリア在住で世界的に活躍する日本人ヴェネチアン·ガラスデザイナーの土田康彦氏が出ていました。1200年の歴史を繋ぐヴェネチアン·ガラス。ヴェネツィアのムラーノ島に工房を構える唯一の日本人。
彼が言っていたのは、常に何かヒントになる事はないのか、と常に模索して、日常全てがインスピレーションの源になると。正に三浦さんが最初に言われていた事と同じ事を言っていました。
全ての何か新しい物を生み出そうをしている人達はきっとそうなのかもしれない。その表現手段がアートであり、料理であり、ライティングであり女優など、表現方法が違うのだけかもしれない。日常全てがヒントになり、書く事で訓練になり、そこからまた新しい一歩が開けるのかもしれない。
そうして私は今日こそは絶対に洗顔料を買う事と忘れない様にします。今晩後悔しない為にも。
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
【東京/福岡/通信】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?〜《最高ランクの「ゼミ」に昇格して12月開講!初回振替講座2回有》
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