震度5弱が生んだ感謝のマイブーム
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:古山有則(ライティング・ゼミ10月)
「まさか、こんなにハマるなんて……」
今年で30歳になった私は、あるものにどっぷりハマってしまいました。
そのことについて四六時中考えていて、つい10分までやっていたくらい好きです。
周りの人にマイブームを聞かれたときに、素直に告白したら
「え、なんで今なの?」
と言われました。
たしかに「なんで今?」と言われることかもしれません。
なぜなら、時代に逆行しているからです。
あるものにハマったきっかけは、地震でした。
震度5弱の大きな地震が起き、ネットの回線が重くなったときに、
「ネットの繋がりは、今後何があるかわからないぞ」
と思いました。
今では、SNSで誰でも簡単に繋がることができる時代です。
簡単に繋がることができる反面、ネットが使えなくなってしまうと、連絡が取れなくなってしまうことも多いでしょう。
仲の良い友人と連絡が取れなくなったとしたら、家までいけるでしょうか。
私はいけません。
私と同様な人も珍しくないと思いますし、そもそも住所を知らない場合も多いでしょう。
では、私は何にハマっているでしょうか。
それは、ハガキを書くことです。
毎日のように、3〜5枚のハガキを書いています。
このようにいうと、
「仕事の営業ハガキなんでしょ?」
と言われることも多いですが、営業ハガキではありません。
むしろ、ハガキでは一切営業をしないと決めているくらいです。
ハガキには、感謝と近況を書いています。
つまり、特に用事はないのです。
ただ、ふとその人のことを思い出したタイミングで、ハガキを送っています。
最近書いたハガキには、
「以前オススメしてもらった本を購入しました。最高です! 今、僕は徳島ラーメンを食べています。徳島ラーメンはすき焼き風で美味しいです。PS.最近どうですか?」
と書きました。
数日後、ハガキが相手に届くと、メッセージがきます。
「とってもハガキ嬉しかったです! 古山さん、徳島行ったんですか?」
そこから数通のメッセージを交わします。
その後、数週間から数ヶ月を経て、相手から近況を書いたハガキが届くのです。
最近次のようなハガキをいただきました。
「おかげさまで、転職決まりました。自分らしくを忘れずに、精進していきます。PS.富士急ハイランドで楽しんできました!」
ハガキを書くときは、その人のことだけを考えます。
「〇〇さんは、お寿司が大好きだっけ」
「そういえば、〇〇さんの地元は鹿児島だっけ」
ハガキは、1対1のコミュニケーションです。
誰にでも書ける内容ではなく、その人と自分にしかわからない内容を選んで書いています。
すると、想像もしなかったのですが、ハガキを送ると
「いつも持ち歩いています」
「ファイリングしました」
「家宝にします」
と言っていただくのです。
「いやいや、字汚いから、家宝なんかにしないで!」
というのですが、本音はものすごく嬉しいです。
友人がいうには、字が上手かどうかよりも、自分のことを考えてくれていることに感動しているようです。
そのようなリアクションがあることも嬉しいことですが、それ以上に嬉しいことがあります。
それは、書いている間に、心の中が感謝でいっぱいになることです。
「おかげさまで、今の僕が笑っていられるな」
「あのときに相談を聞いてくれて、救われたな」
と今までの感謝が溢れ出してきます。
それに今は、SNSを通じて、メッセージを無料ですぐに送ることができます。
ハガキで想いを伝えようとすると、お金は63円かかりますし、ポストを探す手間もありますし、文字を書くのに10分程度かかりますし、文字量もTwitterの140字も書くことができません。
私はだからこそ良いと思うんです。
どんどん効率になっていく時代だからこそ、お金や時間をかけて、今までの感謝を伝えたいのです。
心の中は、誰にも見ることができません。
なので、感謝も言葉にして具体的に相手に伝えていきたいと思うのです。
毎日のように書いていくと、相手からハガキを送っていただくことも増えてきます。
返事の期待はせず、単純に感謝を伝えて幸せなので書いていますが、返事はやはり嬉しいものです。
今日は、ディズニー・シーのポストから投函されたポストカードが届いていました。
「とっても温かいな」
と思ったときに、ふとこう思ったんです。
「毎日のように、誰かからの近況報告がもらえたら幸せだろうな」
ハガキを書き始める前は、感謝を感じることが少なかったと思いました。
「それくらいしてくれて当たり前じゃんか」
と思い、傲慢になっていたと思います。
地震が起こったことをきっかけに、ハガキを書き始め、感謝をすることがこんなにも心を豊かにしてくれるものなんだと気づきました。
これからもこの気持ちを忘れず、コツコツ感謝を書いていきます。
***
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