幸せって、タンスの中の服みたい
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:篠原奈緒(ライティング・ゼミ集中コース)
「みんなええなぁ、なんか幸せそう」
ランニング好きの私は、近くの公園のランニングコースで週末走ることにしている。そして人が少ない朝を狙って走るのだ。朝を逃すと、どんどん人が増え。幸せそうな家族たちが楽しそうに過ごしている。そんな姿を見るのがなんだか嫌だった。
「なんでこんなに努力しているのに昇進昇格できないのか……人生思うとおりにいかない」
キャリアアップしたくて、約4年間の間、睡眠時間を削り、プライベートの時間を我慢し、仕事と両立しながら経営大学院に通い経営の勉強をした。しかし仕事の成果に結びつけることができず、どんどん昇進ルートから外れていく自分自身が情けなかった。
コロナ禍元年の2020年、私には「周りの人に対するうらやましさ」「自分の人生のふがいなさ」という二つの負の感情が自分の中を占めていた。
「幸せって何なんやろう……」
こんな思考になってしまう私だが、成長意欲はかなり高く、なんとかこの“負の感情”から抜け出したいという思いは強かった。そして私には行動力もあるようで、何か動かないときがすまなかった。そして自分の可能性を信じてくれる人がそばにいることが大きかった。
やったことはいくつかある。
「幸せ」「自己肯定感」「Wellbeing」「キャリア」「感謝」。こんなキーワードをもとに、本を読み、YOUTUBE動画やClubhouseで学び、友達と対話してみる。
感謝できることを1日3つ挙げてTwitterにあげてみる。
週末には、カフェに行って内省する時間をとってみる。
こどものころの写真を見ながら自分って小さいころ、どんなことを考えていたのか思いをはせてみる。
自分のいいところを友達にも手伝ってもらって100個出してみる。
定期的な運動で心の状態を整える。
こんな実践をしていく中で、自分に変化が出てきた。
余計なプライドがそぎ落とされて、思考が変わっていくのを感じた。
「みんなの憧れの人でありたい」から「誰か1人にとって本当に役に立ちたい」へ。
「みんなに好かれた」から「人は50%の人に好かれ、50%の人に嫌われる」へ。
「かっこいいポジションでいたい」から「自分の個性を通して助けられたらうれしいな」へ。
「努力しても大したことないな、自分は」から「頑張ってるやん、ええとこあるやん、自分は」へ。
とはいえ、人間そんな単純な生き物ではないので、そう思えない時もあるのが現状であることを一言付け加えておく。
そして、
「あれ?幸せそうに見える人って実はそうでもないのかもしれない。幸せそうに見えない人でも幸せに暮らしているのかもしれない」
こんな感情が湧いてきた。
「私が幸せそうに見える人」って、つまり「大企業で働き、昇進し活躍すること」であったようだ。
だから自分自身もそれを目指していた。
けれど、これは単なる事象であり、「=幸せ」ではない。そんなことに気づかされた。
「幸せな人」って、自分で「幸せの定義を決めて持っている人」で、それを大事に日々生きている人。それがいまの私の答えである。
では、私にとって「幸せの定義」ってなんだろうか。
ストレングスファインダーやMBTIなど自分の強みや特性を図るツールの活用、友達に壁打ちしてもらいながら、自分に向き合っていった。
そんな中、出てきた私の答えは、
「一人ひとりの可能性」を信じているようで「自分を通して、一人ひとりの個性が生かされていくこと」が何よりの喜びのようだ。
ありがたいことに今の職場はいろんな人が相談に来てくれる部署である。今まで培ってきた人脈を大いに生かせる場所である。そんな職場で働けることに感謝だ。
職場に限らず、周りの友達、家族、健康な体、数えたらきりがない。すでに幸せは手に入れていた。気づいていないだけだった。
「“幸せ”って“タンスの中の服”みたい」
よいと思うものを自分決めて購入する。タンスには自分の中のお気に入りの服がたくさん入っていて、自分らしさが凝縮されている。そして当たり前のように着ているからその存在の価値にあまり気づかない。けれどなくてはならないものである。
毎日着ている服のように、自分らしさを大事にして生きていきたい。そして当たり前のものに感謝できるようになりたい。
最後に、一言だけいっておきたい。
過去、突っ走ってきた自分がいるけれど、頑張ってきた自分は絶対に否定しない。
今があるのは、過去の自分があるから。過去の自分も大切にしたいと思う。
***
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