僕がCanonではなくSONYのカメラを選んだ理由《僕は大きくなったらカメラマンになりたい「SONY α7RⅡ 超速勉強記」》
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❏本当は憧れのCanon 5Dを買う予定だった
「三浦さん、あまり大きな声では言えないんですが」
と、そのスペシャルなクリエーターは言った。僕には様々な優れた知人がいるが、彼はその中でも「天才」と称されることが多く、世の中に様々なブームを作ってきた男だ。彼が切り拓いた「道」に、皆、遅れて参入し、それが「市場」となるのを、僕はリアルタイムで何度もこの目で見てきた。
少年のように目をらんらんと輝かせて、彼がそういうときは、決まって、未来が動くときだ。
僕が先を促すように頷くと、彼は、こう言った。
「SONY、まもなく、完全に復活しますよ」
今からちょうど半年ほど前の話である。ある仕事でSONYの本社に行き、担当者からVRなどのSONYの未来の話をいち早く聞いた彼は、そう確信したのだと言う。
彼が言うのだから、間違いない。
きっと、SONYは、世界のSONYとして、近い将来、再び、世界を席巻するのだろう。
やはり、SONYなのか、と僕は思った。
やはり、というのは、そこから遡ること、およそ一ヶ月、テレビ番組のプロデューサーであり、映画監督の方が、僕にこう言っていたのだ。
「僕は、今までの機材をすべて捨てて、200万円投じて、収録用の機材をSONYの一眼カメラにしましたよ」
「プロ用機材ではなくて、一眼カメラですか?」
それというのも、それというのも仕事に使っていたのは、完全にプロ用の機材だったからだ。
「そうなんですよ。α7SⅡというのが出て、これがプロの映像クリエーター仕様になっているんですよ! 4Kも撮れます! そして、色調がまるで違っていて、これだと本格的な映画も撮れます」
ほどなく、僕は江ノ島へ行った天狼院の旅部でその機材を見せてもらった。
モニターも外付けで、音声もワイヤレスで飛ばせるもので、大きなズームレンズもついているが、中央は、本当にSONYのα7SⅡという小さなカメラだった。
そういえば、と僕は思い出す。
僕が経営する天狼院書店には、大人気の「天狼院フォト部」という、300人を超える大きなコミュニティーがあるのだけれども、ここのお客さんたちがフォト部の際に、SONYのα7のシリーズがどんなにいいか、熱弁ふるっていたのを何度も見ている。
僕は、そのとき、御伽ねこむが主演し僕が監督した映画『世界で一番美しい死体〜天狼院殺人事件〜』を撮るときに買った、Canonの70Dを持っていて、Canonをとても気に入っていたので、正直、SONYのα7がいいという話は、ちょっと耳障りだった。
天狼院書店は、様々な雑誌や新聞に、本当に頻繁に取り上げられるのだけれども、そのときに編集者やライターの方と一緒に取材に来るカメラマンの実に90%がCanonの5Dを持っていたし、フォト部の先生たちもみんなCanonの5Dを持っていたので、買うとすれば、5D一択だなと常々思っていた。
そして、フルサイズの一眼カメラを買う機会を、虎視眈々と狙っていた。
やがて、そのときが来た。
天狼院書店が、事業で、いいカメラをふんだんに使う機会が一気に増えそうになったのだ。
それで、Canonの5Dを買うための資金を僕は密かに準備していた。
憧れのフルサイズ、Canon5D。
プロが持っている一眼レフカメラだ。
ところが、やたらとSONYがいいという話を聞く。
❏困ったときは師匠である「その人史上最高の一枚を撮る」プロカメラマンにきこう!
困ったときは、数いる僕の知り合いのカメラマンの中でも、最も信頼しているカメラマンに聞いてみることにした。彼は、その人史上最高の一枚を撮るカメラマンとして定評があり、みんなが知っている芸能人なども平気で撮っている人だった。
「みんな、SONY、SONYって言ってますけど、やっぱり、プロならCanonですよね? 5Dですよね?」
そのカメラマンに、僕は、SONYをけっちょんけっちょんにけなしてほしかった。
Canonをほめたたえてほしかった。
そして、SONYに傾きつつある僕の迷いを払拭してほしかった。
なぜなら、そのカメラマンは、プロカメランが登録するCanonのプロサービスにも入っていたからだ。
ところが、彼はこんなことを言う。
「三浦さん、ここだけの話、今から10年を考えるのなら、SONYですよ」
もう、ブルータス、おまえもか!的な心境だ。
「へ? Canonじゃなくて、SONYですか? あのプレステのSONYですか? ニコンでもなくて、SONYですか?」
「はい。そのSONYです。僕も、できれば、全部SONYに移行したいと思っていたところなんですよ」
「ええー!!!!! まじっすかー!!!!」
「まじっす」
なんということでしょう。Canonを長年愛用し、Canonのレンズも数多く揃え、Canonのプロサービスにも加盟している第一戦で活躍しているプロのカメラマンが、SONYに移りたいと言う。
「グラビアで有名な渡辺達生さんもSONYに移ったと言ってましたし、僕の周りでもプロがどんどんSONYに移行しているんですよ」
「え、どうしてですか? なぜ、Canonじゃなくて、SONYなんですか?」
「もともと、SONYのセンサーは圧倒的に良かったんです。それが、α7が出て、ミラーレスでもフルサイズのセンサーを搭載し、性能がとんでもなく良くなったんですよ。しかも、α7RⅡは、ミラーレスなんですけど4240万画素でCanonの5Dよりいいんです」
「あの5Dよりも!?」
はい、とそのカメラマンは頷く。
「しかも、レンズがちょっと弱かったんですけど、Gマスターレンズという新しいブランドが出て、これがまたいいんですよ。ま、アダプターをつければ、α7RⅡは様々なメーカーのレンズも使えますしね」
「ちょっとまってください」
と、僕はそのカメラマンの先生の前に、手のひらを見せて、自分を落ち着かせるようにいう。
「もし、師匠が今の僕の立場なら、どのカメラを買いますか?」
今の僕の立場なら、大きくなったらプロのカメラマンになりたいと思っている立場のことだ。
そう、僕は本屋の経営をし、本の編集をし、本を書きながら、プロのカメラマンになろうと思っているのだ。
そんなの決まってます、とそのカメラマンは清々しい笑顔で言いました。
「SONYのα7RⅡですよ」
――これが、決定打となった。
もう、運命なんだろう、と覚悟を決めた。
福岡に滞在しているときに、今年できたばかりのSONYストアに行ってみた。
すると、入ってすぐのところに、みんなが絶賛するSONYのα7RⅡがディスプレイされている。しかも、それに付けれているのが、赤い「G」のマークが付いた大きなレンズだった。
そう、それがSONYが威信をかけて作った「Gマスターレンズ」の堂々たるエンブレムだった。
ショップの店員さん、森田さんに聞いてみると、もう、熱狂的なほどに熱く、いかにSONYのα7RⅡがいいか、語ってくる。
ま、それは、仕事なので当然のことだが、彼は実際にα7を買って、いつも撮っているのだと言う。
操作の仕方から、レンズの使い方までとても丁寧に、そして「ファナティック」に教えてくれる。
森田さんが撮ったという写真を、SONYの4Kの65インチの巨大テレビに映し出してくれる。
「うぉー!!!」
と、思わず、声が出る。
それが、すさまじく、美しい。
「モニターとかパソコンとかの画面だと小さくて、この写真の本当の美しさがあまりわかんないんですよね。でも、4Kテレビでみると、その美しさは一目瞭然です」
たしかにそうだった。
4240万画素のレベルになると、大きく引き伸ばしても、美しいままなのだ。
いや、大きく引き伸ばしてみるからこそ、その半端ない美しさが際立つ。
「いやー、モデルさんも綺麗に写ってますね」
というと、森田さんは笑う。
「あ、モデルさんじゃなくて、うちのスタッフです。しかもここで撮りました」
と、店内を指す。
「え!?」
てっきり、モデルさんを使って、どこか特別なところで撮っていたと思っていた。
けれども、普通にいるスタッフの人がモデル並みに美しく写って、しかも、普通の店内がスタジオ並に美しく写っている。
これが、SONYのα7RⅡの実力か、ともう驚嘆した。
もし、これを手に入れたら、と一旦想像が始まると、妄想の無限連鎖が始まって、もうとめどなくなってしまった。
まちがいなく、プロのカメラマンになれる。
そう、僕は結論づけた。
そして、僕は、ついにSONYのα7RⅡと2本の特別なGマスターレンズ「FE 24-70mm F2.8 GM」と「FE 85mm F1.4 GM」を手に入れた。
大きくなったら、プロカメラマンになるためだ。
❏なぜ、本屋の僕はプロカメラマンになれると思っているのか?
これから、このシリーズでは、39歳の僕がどうやってプロカメラマンになるか、詳細に書いていこうと思う。
様々な本や、第一線で活躍しているプロカメラマンの先生から学んだことを、ここに記録して行こうと思う。
プロ級の機材は手に入った。
ということは、
「ああ、僕のカメラはフルサイズじゃないからな」
とか、
「僕のレンズは、大したレンズじゃないからな」
なんて言い訳は通用しない。
あとは、知識と腕の問題だ。
僕は、今、100%プロのカメラマンになれると考えている。
そして、本気でなろうと考えている。
それでは、なぜ、僕がプロのカメラマンになれると思っているのか?
それは、
1.デジタルに完全移行し、無数の「失敗」が可能になったから
2.機材の進化で、プロ級の写真を簡単に撮れるようになったから
3.様々な方法で、写真の技術を学ぶことができるようになったから
だ。
1.デジタルに完全移行し、無数の「失敗」が可能になったから
たとえば、モーターレースの最高峰F1グランプリは、どんなに優れたチームも、レース前の「テスト」を重視する。
ハイパーテクノロジーの塊とも言えるF1においても、スーパーコンピュータの数値通りのスピードをマシーンは出してくれないのだ。
テストでの周回数が多ければ多いほど、本来出るべきスピードとの「誤差」が修正される。そして、「失敗」をより多くして、それを克服したチームが、早いマシーンを手にすることになる。
カメラではフィルム時代は、手間と金銭の問題から「失敗」があまり許されなかった。
36枚撮りとか、そのフィルムによって「失敗」できる数が決められていた。
でも、デジタルの時代になり、革命がおきた。
本当に小さなSDカードにも、数千枚分の写真のデータが簡単に書き込めるようになったのだ。
しかも、フィルムでは、撮ったら現像しないとどう写っているかがわからなかったのに、今では、撮ったらすぐに確認でき、修正も簡単にできるようになった。
つまり、単純に考えると、1000枚ほど撮れば、奇跡の一枚が混じっていて、それがプロに匹敵する可能性も高くなったということだ。
そして、無数の「失敗」が可能になったということは、スキルが伸びるのが早くなるということでもある。
昨今の人工知能が、その回路の中で、無数の失敗を繰り返しながら、奇跡の一手を見出し、無敵の棋士に勝手しまうように、無数の失敗を繰り返しながら、奇跡の一枚を撮って、プロカメラマンを凌駕することもありえる時代なのだ。
2.機材の進化で、プロ級の写真を簡単に撮れるようになったから
プロカメラマンの方と一緒に仕事をしていると、いつも、撮ったあとにモニターを確認しながらこう言っているのに気づく。
「どうだろう、この一枚、ピン、来てるかな? おお、ピン、完璧に来てるね!」
彼が気にしている「ピン」とは、「ピント」のことだ。
プロがプロである所以は、この「ピント」にあると言う。
一般の場合、一眼レフを使っていたとしても、「ピント」を合わせるのは、顔認識頼りで、顔にさえ「ピント」が合うと安心する。
たとえば、普通のサイズの写真に刷るくらいならそれでもいいだろう。
けれども、プロは違う。
たとえば、アップでアイドルを撮る際には、顔はもとより、「ピント」を瞳に合わせなければならない。
このピントの精度は、一昔前まではプロの独占技術だった。
ところが、僕が買ったSONYのスペシャルなカメラα7RⅡには、なんと、「瞳オートフォーカス」機能がついてしまっているのだ。
ボタン一つで、それまでプロの技巧と言われていた、「瞳にピント」が合っちゃうのだ。
しかも、5軸の手ぶれ補正機能が搭載されているので、ブレることがほとんどない。
画素が大きければ、ブレやすいと、ビックカメラのお兄さんも言っていたが、ところが、このα7RⅡは違う。
4240万画素というとんでもない画素数にもかかわらず、ブレない!
少なくとも、僕の場合、「ああ、せっかくよかったのに、ブレちゃって、もったいないことしたな」という経験をしたことがまだない。
しかも、ISO感度も、自分でやると設定が少々迷うかもしれませんが、このα7RⅡは違う。
ISOのAUTO(オート)モードが極めて優秀で、何度かいじってみたのだが、オートでやったほうがはるかにいい!
つまり、機材がとても進化していて、プロとの技量の差を確実に埋めてくれているのだ。
たぶん、これからはさらにそれが加速するだろうと思う。
3.様々な方法で、写真の技術を学ぶことができるようになったから
僕は、本屋だ。そして、大学を出ていないので、経営やマーケティングなどは、すべて本で学んだ。
マーケティングなどは、『マーケティング・マネジメント』を徹底して読み潰すことで習得した。
(実際に僕が読み潰した本が東京天狼院にありますので、興味のあるかたは御覧ください)
そう、僕はまず、何かになろうと決めたら、その分野の本を徹底して読む。
これでもかというくらいに読み潰す。
今、数多くの写真に関する本があるので、これらを読み潰せば、かなりの知識が身につく。
そして、最近ではYouTubeなどの動画で、撮影方法をわかりやすく解説したものもある。
僕は、これも徹底的に観ている。ちょっと時間があけば、英語がわからないにもかかわらず、ずっと撮影方法の動画を観ている。
どういう本を、どうやって読んだかについては、いずれ、記事にするので、お楽しみに。そして、僕が徹底して読み潰した写真に関する本は、天狼院書店でももちろん販売する。
「僕は大きくなったらカメラマンになりたい」コーナーが各店に出来ている。そこに随時、追加されていくので、こちらもお楽しみに。
また、世の中には、様々な写真教室があって、実際に撮り方を教えてくれる。
本屋の僕がこう言っては、なんですが、本だけではやはりプロのカメラマンにはなれるはずがない。
プロのカメラマンに教えてもらったほうが、習得が早い。
しかも、実践して学ばなければ、体得もできない。
様々な写真教室の中でも、天狼院が展開している「天狼院フォト部」を中核とした天狼院のフォト系のイベントは、かなり、充実している。
風景が得意な天才フォトグラファー松本茜先生が教えてくれて、講評もしてくれる通称「茜塾」や、プロカメラマン榊智朗氏による「パーフェクト・ポートレート講座」など、様々な講座を用意している。
そして、僕がプロのカメラマンになると宣言してから、講座の内容は、さらにグレードアップしている。
なぜなら、僕は、天狼院の講座だけで、プロになると決めているからだ。
たとえば、ストロボについて、ちゃんと知りたい、技術を身につけたい、と思えば、大人気の「パーフェクト・ポートレート講座」で、光をテーマに徹底してプロカメラマンの先生に教えてもらうことができる。
それを、自分だけではなく、皆さんにも開放しているのが、天狼院のフォト講座だ。
昔は写真の専門学校に入って、プロのカメラマンに弟子入りしてというのがプロカメラマンになれる王道だっただろうが、このように写真を学びやすくなった今は、誰もがプロのカメラマンになれるチャンスのある時代だ。
これまで、プロのカメラマンでしか撮れなかった写真が、もしかして、撮れるかもしれない時代になった。
つまり、もう『進撃の巨人』的な巨大なウォールは崩れ去ったのだ。
我々は、今、「フォト革命」という大きな時代の変わり目にいるということだ。
僕は、このチャンスの波に乗ろうと考えている。
❏写真をはじめて、世の中の見え方が変わるようになった。
なぜ、僕はプロのカメラマンになろうと思ったのか。
小さな理由でいえば、女性をセクシーに美しく撮る技術を極めてみたいと思ったからだ。
そして、少し大きな理由で言えば、これからの時代、写真がコミュニケーション・ツールになると思ったからだ。
僕はプロのライターでもあるが、僕が日本語で書いた文章が、そのまま海外で読まれることはない。
ところが、写真は違う。
Facebookやinstagramで、容易に国境を超えてしまう。
海外のカメラマンから、instagramに、日々、
awesome!
Nice Pick!
Well done!!!
Nice Photo!
などとコメントいただくようになった。
僕は、英語ができないので、thanks!と返すのが精一杯だけれども、これは文章を書くことでは味わえなかったことだ。
そして、その人のinstagramをみると、とんでもなく、すばらしい写真がアップされていたりする。
こんなすばらしい写真を撮る人がいるんだ、と日々感動する。
しかも、それを写真でやり取りできるのだ。
すでに、コミュニケーションとして、完成している。
そして、写真をはじめて、日々に意外な変化があった。
世の中の見え方が、まるで変わってしまったのだ。
写真を撮るということを日常的にしていると、どこかに美しい瞬間がないかと、無意識的に世の中をポジティブに見るようになったのだ。
人の美しい表情や仕草を探すようになったのだ。
天気の日は、逆光の中で、女性を立たせると長い髪の毛がふんわりと光って美しいのではないかとそわそわするようになったし、日没前後のマジックアワーと呼ばれる時間帯には、SONYのα7RⅡを傍らにおいて、西武の屋上で仕事をしながら、刻々と変化する空の様子を撮るようになった。
天狼院のフォト部の中でも、素晴らしい写真を撮る人の思考というか、「カメラマンとしての目」に心から敬意を払うようになった。
そして、写真を本格的に撮るようになってはじめて、プロのカメラマンの先生方が撮る写真が、いかにすばらしいのかがわかるようになった。
毎日、身の回りでは、ドラマが生まれていることに気づくようになった。
何も、ウユニ塩湖に行く必要がない。
パリコレのモデルを撮る必要もない。
東京でも、池袋でも、田舎でも、美しい瞬間はあるし、
今、そばにいる人を、美しく撮ればいい。
首から下げているカメラに、僕は多くのことを教えられている。
「僕は大きくなったらカメラマンになりたい」のinstagramはこちら。写真、随時アップしています。
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10月22日(土曜日)「パーフェクト・ポートレート講座」テーマ「構図」イベントページ
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