「食う 寝る 遊ぶ」
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:今津眞一(ライティング・ゼミ8月コース)
「働き方改革? 私にとってはクソくらえです!」
昨夜のテレビ番組「ザ・トラベルナース」の中の主人公の言葉に、大いに感動した。
一昔前は、ワークホーリックと揶揄されてた日本人の働きぶりは、今では「働き方改革」の名のもとに変わってきている。「残業を減らせ」とか「休みを増やせ」などの議論が中心だ。果たして、これだけで生産性が上がるのか大いに疑問だ。人が仕事をするのに、何か大切なものを忘れてないだろうか?
今日はそのことについて話をしたい。
斯く言う私も、アメリカ留学から帰ってきた頃は、「仕事は仕事、遊びは遊び」と割り切って考えていた。そうすることで仕事を頑張ることが出来、また遊びも目一杯楽しめると思っていた。
小さい頃から、商売をしている家で育ち、仕事とプライベートの区別が殆どない家庭に育った私は、漠然と自分の人生では親と同じことはしないぞ! と思っていた。
私が、仕事とプライベートを分けることに拘ったのは、アメリカで知り合った友人家族の影響を受けたからだ。プロとして仕事に誇りを持ち、プライベートは家族と一緒に休暇を楽しむ、なんて理想的な環境なんだろうと思っていた。そして、自分もそんなアメリカンドリームを実現させたい! と意気込んでいた。
ところが、いろんな事情が重なり、帰国して家業の飲食店で仕事をスタートすることとなった。
自分の理想とする働き方ではなかったが、自分の夢を実現させる為に、ここは先ず「郷に入れば郷に従え」の戦略で行くことに決めた。そして、先ずは一社員として、ブツブツ文句を言う前に実績を作ることに専念した。
いつの間にか、気付けば一日16時間ぐらい毎日働いていた。
「何故、そこまで頑張れたの?」と、問われれば、
「目標や目的が明確だったから」と答えるしかない。
少なくとも働くこと自体は楽しむようにしていた。嫌々仕事するぐらいなら転職した方がいい。ストレスをためない仕事であれば「遊び」と同じで、起きている間ずっと遊んでいても大丈夫な自信はあった。少なくとも遊び過ぎで死ねれば本望ぐらいに思っていた。
例えば、私の店長時代には、店の上に住んでいた。
家内も同じ職場だったので、「住み込みの共働き」という昭和な働き方だ。傍から見れば、24時間店にいるようなもので、「休めないんと違う? 大変やね~!」 と、よく同情された。しかし私の実際は違っていた。
忙しい日の朝など、目が覚めるなりパジャマ姿で調理場へ降り、だしを作る寸胴の火を点ける。湯を沸かしている間に部屋に戻り、シャワーを浴び朝食を済ませ、また調理場へ。一番だしを取り、天つゆ、赤だし、茶わん蒸しの地、など他のスタッフが来る前に一気に作ってしまう。
如何に短時間で効率よく仕事を組み立てるかが勝負、材料の出し入れや洗い物の使いまわしなど、工夫できるところが沢山あり楽しい挑戦となった! スタッフが来たら一日の段取りの指示を伝え、後は自由時間。朝から晩まで一日中店にいるようだが、開閉店時、込み合うピーク時間以外は全て自由時間。休みの日でも、大事なお客様がいらっしゃる時だけネクタイを締めて挨拶に行く。お客様からは「店長いつ来てもおるなぁ~」と喜ばれ、お連れ様を紹介してもらえた。通勤時間ゼロの強みだ。
つまり、仕事とは自分への挑戦だった。私にとって夢に向かって自分の自由時間を手に入れるための手段だった。
ここまでの話の中で、私の新人の頃の思いと実際に仕事を始めてからの思いが、変化してきていることに気付かれたかもしれない。私自身の中で仕事の価値観や物の捉え方が変わってきていた。
ここで勘違いしないでほしいのは、仕事は手段でお金儲けさえできれば何でもいいという訳ではない。少なくとも自分の夢(ライフワーク)に関係したことで時間を費やしたいと思っていた。同じ時間を使うなら何か人生にプラスになる方がいいに決まっている。だから遊ぶように仕事が楽しめることになるのだ。
私自身、自分の夢に向かって仕事してたので、特に苦労も感じることなく過ごしてきた。しかし、理由は沢山あるにせよ、まだ夢を叶えていない。子供たちは既に家から出て、それぞれの道を歩んでいる。これから、どう夢を叶えていこう……。定年で会社を卒業したのを機に、自分の目的を再検討し、目標を作り直した。
「よっしゃ! 今からもっと 好きなことやって遊ぶで~!」
「働き方改革」もいいが、その前に大事なのは「働き甲斐改革」だ。
大きく自分の人生の使命を考え自覚することで、目の前の問題に負けることなく楽しく仕事に取り組める。(諦めなければ負けることはない。一生挑戦中でいいのだ!)その大事な部分を疎かにして目先の損得ばかり考えてると、いつまでたってもブレる人生を送ることになり兼ねない。
仕事とは遊ぶこと。仕事を楽しむことは、いかに遊ぶかに繋がる。そして、それが人生を充実したものにしてくれると思っている。
是非、あなたにも、後悔のない生き方をしていただきたい。
***
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