メディアグランプリ

ライティングの為にこんな性格やめてやる!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:あきら(ライティング・ゼミ)

もういやだ、こんな性格! やめてやる!
僕は自分にいら立ちを覚えていた。
僕は自分自身のことや自分の気持ちを書くことが苦手である。
今、僕は天狼院のライティングゼミを受けており、メディアグランプリに記事を掲載してもらおうと毎週あれこれと悩みながら記事を書いている。自分自身の事となると、途端に書けなくなってしまうのである。

僕はなぜ自分自身のことが書けないのだろうか?
僕が思っていること、感じていることを、避けているような気がする。
いや、思っていることや感じていることを、自覚しないようにしているのかも知れない。
僕と自分の心の間に、感覚を鈍らせてしまうバリアが存在しているようである。
そのバリアを感じるたびに、僕はキーボードを打つ手の動きが止まり前に進まなくなる。自分自身にいら立ちを覚えるのである。

いつから僕はこうなってしまったのだろうか?
僕は子供の頃にくやしかった出来事を思い出していた。

「お前、考えてることがすぐ分かって面白い。すぐに顔に出るんだよな」
中学生の頃であっただろうか。そう何度か友達にからかわれ、いじめられたことがある。
そのころの僕は、今では羨ましく思うほどとても素直な性格だったかも知れない。
しかし、友達にからかわれた僕は、心の中を全て読まれているようで、とても嫌で悔しく思った。

喧嘩が強くて、からかった友達を一括出来たらよかったかもしれない。しかし、もやしのような体格で大人しかった僕は、対抗するすべがなかった。
そんな事なら、自分の表情を消してしまおう、ポーカーフェイスになろう、そう決心した。
僕は表情を消すトレーニングを始めたのである。

「あははははは、面白い!」
みんながわっと、笑い声をあげた。

「・・・・・・」
僕は笑わない様に、吹き出しそうなのをこらえて、表情を崩さないように努めた。

「お前は何で笑わないのだ。そんなに俺の話が面白くないのか?」
友達は、けげんな表情を僕に向けた。
「いや、とても面白いよ。顔は笑っていないけど、心の中では面白くてお腹がよじれてるよ」
その他にも、にらめっこで決して笑わない、涙を誘うドラマを見ても決して人前では涙を流さない、嬉しいことがあっても決して表立っては喜ばない。などなど色んな訓練を行った。
今思い出していると、その頃の自分にそんなことはやめろよ、と言いたい。

高校から大学生にかけての僕は無口で表情をあまり変えない人物、よく言えばクール、悪く言えば頑固ものにあこがれを感じていた。
無表情にもくもくと働く、ラーメン屋のおやじ。勝利者インタビューで、肩で息をして汗を拭きながら聞かれて問いに対し、「そうっすね」、としか答えない大相撲の力士。インタビューを受けているときに椅子に深々と座り、足を組み、ほとんど口を開かないハードロックミュージシャン。
これぞ男というかっこよさを感じた。僕も彼らの真似をして、あまり人と話すこともしなくなった。
「お前は何を考えているかわからない。急に発言をすると驚くんだよな」、次第にそう言われるになった。僕は、「あっ、そう」とそっけなく無表情に答えながら、心の中ではガットボーズをした。人に心を読まれていないことに嬉しさを感じ、自分のプライドは十分に満たされていた。
今だから言えるかもしれない。そんなことはして欲しくなかった。

プライドは満たされるようになったものの、ポーカーフェイスを続けるほど心の中にぽっかりと穴が開いたようになってきたのだ。
10年ほど前のことである。仕事が終わって更衣室で着替えているときに、会社の現場のオッチャンから言われた言葉がぐさりと心にささった。
「お前、本当に面白くないやつだな。友達なんかお前、まったくいないだろう。よくそれで生きていれるわ」
失礼極まりない発言でむかっとしたが、僕の心の迷いをずばりと言い当てられたような言葉であった。

そのおっちゃんが言う通り、僕は相当変わった人物であった。友達はごく限られ、親友はもちろんいなかった。
今思うと、行き過ぎたポーカーフェイスで、人から自分自身の存在を消していたのであった。
いや、それ以上の存在を消していた。

次第に僕は孤独を感じるようになってきた。
多くの人と一緒に、楽しくワイワイとやりたいなあ、というあこがれは持つようになった。
僕は酒の力に頼るようになった。酒を飲めばポーカーフェイスは剥がれ、剥がれていることも忘れ、次第に楽しむことが出来るようになった。酒を飲まなくても同じように楽しめたらよいなあとは思うものの、依然としてしらふの状態では、人から心を読まれることを恐れポーカーフェイスを続けていた。

世の中にはいろいろなポーカーフェイスがあって、人それぞれかも知れない。
僕の場合のポーカーフェイスは、人に対してバリアを貼っているだけではない。ポーカーフェイスのトレーニングをしすぎたせいか自分に対してもバリアを貼るようになってしまい、僕が思っていること、感じていることに素直に向き合うことが出来なくなってしまっていた。
つまり、心までポーカーフェイスになっていた。

ライティングゼミを受けて、自分のことを文章にしようとしたときに、そう強く感じた。自分のことを表現できない、文章に書くことができない。書こうとすると大きな抵抗を感じてしまう。酒浸りで書くと良いのかもしれないが、そういう訳にもいかない。

自分自身でやってきたことは自分で責任をとらなければならない。
自分自身に向き合い、自分自身を乗り越えていかねばならない。
文章が書けなくていらいらするのも、もう御免だ。

こんな性格! やめてやる!
ポーカーフェイスをやめてやる!
僕は自分自身へ挑戦状をたたきつけたのである。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-01-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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