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企画したオフ会が終わった後に待っていたのは虚無感だった

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:村人F(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 
昼13時から初めて翌日朝8時までぶっ続けのイベントに出たらもっと満足するはずだった。
しかも自分が企画したオフ会だ。
参加者も多い。
同じアーティストが好きな方々で集まる形で募集をしたのだが、20人近く来てくれた。
僕のXフォロワーの約10%にあたる大人数だ。
素人が思いつきで立ち上げたことを考えると奇跡に近い。
 
そしてこの大人数でライブのBlu-rayを鑑賞し飲み会、推し縛りのカラオケ、おまけの初詣のてんこ盛りスケジュールをこなしたのだ。
普通だったら、達成感とか、そういう感情が終わった後いっぱいになる。
そうやる前は思っていた。
 
けれどもすべてを終え帰宅した僕に芽生えたのは虚無感だった。
別にほぼ徹夜で疲れ切っていたからではない。
急に1人になって寂しくなったのとも違う。
ただただ表現しようがない空っぽな感じがずっとあった。
 
それを抱えたまま横になり、なんとなく動画サイトをボケっとしながら眺めている。
眠気も峠を越えてしまったからあまり起こらない。
なんとも言えないモヤモヤだけがずっと残っている。
 
なぜだ。
なにがそうさせるんだ。
やることがないので考え続けてしまう。
 
しかしふとした瞬間、わかった。
「もっと面白くできたなぁ」って気持ちなんだと。
 
オフ会企画は初めてのことだった。
会場の会議室をレンタルしてプログラムを組み立て、2次会、3次会のお店を予約する。
さらに宣伝文を考えて拡散もしなければならない。
思った以上にやることが多かった。
 
だから不手際も当然ながら多い。
Blu-rayを映すプロジェクターの場所がわからず30分くらい彷徨った。
ドリンクも予測を誤ってしまい途中で参加者に買ってきてもらっている。
他にも気づいていない細かい点がいっぱいあっただろう。
宣伝も工夫すればもっと集まったかもしれないのに。
そう、虚無感に近いモヤモヤのなか頭に浮かんだのは反省だった。
 
ああ、これが企画するってことなんだな。
自分が楽しければいいという訳じゃないのだ。
わざわざ来てくれた方々が心から笑えるよう力を出せたか。
こういう基準でやり切った感じがしないと満足できないんだな。
イベント主催という立場ならではの悩みを初めて実感した。
 
ただそう考えると、このモヤモヤも心地よくなってくる。
ものすごく楽しかったんだなと。
 
なにせ「もっとよくできたはず」と納得いっていなかったのだ。
よく考えてみたら、ある程度は満足しているということじゃないか。
 
しかも僕だけではない。
参加者の分もプラスされているのだ。
 
グループチャットでも「楽しかった!」、「次回もぜひ!」みたいな声がいっぱいある。
こんなの一人だけで曲を聴いていた時代には全く想像していなかった。
そういう特別な体験をしていたのだ。
 
だから眠れず悩んでいた頭で考えていたのも反省だけでない。
次の企画も浮かんでいたのだ。
近所にあるライブハウスの音響で聴く会にしようかなど、そういう想像もしていたのだ。
つまり、もう一回したくてたまらない。
それくらい楽しすぎたのだ。
幸せすぎて一周して何も感じないような気がしていたのだ。
 
そして、これこそがイベントを立ち上げた人だけが味わえる特権なのかもしれない。
僕は一人じゃなかったと。
「昼から朝まで遊ぼうぜ」なんて意味不明なことをぶち上げてもノッてくれる人がいっぱいいる。
「日程合わないけど次は絶対行くから!」という方もいた。
数年前「近くに友達がいない」と悩んでいた時には考えられなかった光景じゃないか。
いつの間にか、そういう時間を手に入れていたのだ。
 
そして、これを生み出したのは一歩踏み出すことだった。
ライブのついでにフォロワーさんに挨拶しよう。
アフターで飲み会開こう。
いい感じで誘えるよう『ライティング・ゼミ』を受講しよう。
 
この具合で色々と歩き続けていたら、こうなっていた。
知らず知らずのうちに想像以上の原動力を得ていたのだなあ。
すると抱えていたモヤモヤも心地よく感じてきた。
 
Xに次回の企画案やら「オフ会ありがとうございました」と投稿してみる。
予想の10倍いいねが飛んできた。
 
うん、僕はかなり楽しんでいる。
次が待ち遠しすぎて自分でまた企画しようとするくらいなのだから。
そして、賛同してくれる方々もいっぱいいた。
 
この気持ちを満足させるには、みんながもっと楽しんでくれるよう頑張ることしかない。
なんて心地のいい目標だろう。
 
徹夜明けの空虚な気持ちに炎が灯った。
 
 
 
 
***

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2025-01-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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