そもそも何に悩んでいるの?
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記事:うらん(ライティング・ゼミ)
噺家の林家木久扇(旧名:木久蔵)の師匠、故・林家彦六は、面白いエピソードに事欠かない人だった。それでよく木久扇が噺のネタにする。
例えばこんなものだ。
ある年の一月、弟子の木久蔵(現・木久扇)が鏡餅に生えたカビを取っていると、彦六がその様子をじっと見ている。師匠の視線が気になる木久蔵は、どうにか間を持たせようと師匠にこんな質問をした。
「師匠、どうして餅ってカビが生えるんでしょうかね」
すると彦六、
「ばかやろう、早く食わねえからだ」
この手のエピソードが尽きない。
何度聞いてもおかしくて、オチが分かっていても笑ってしまう。
だが、これはネタとして面白いだけではない。
とても示唆に富んでいる。
そう感じたのは、こんなことがあったからだ。
以前住んでいたマンションには、メールボックス室の傍にゴミ箱が設置してあった。郵便物や新聞とは別に、勝手に入れられたチラシ等を捨てるためのものだ。
ある日、そのゴミ箱にちょっとしたボヤ騒ぎがあった。誰かがタバコの吸い殻を捨てたらしい。幸い大事には至らなかったが、居住者の間では大問題である。
早速、対策が話し合われた。監視カメラを付けるのはいかがか? 監視カメラは設置するのに大体30万円はかかる。更に維持費も。その費用はどこから? ならば、ゴミ箱にフタをするというのは? そんな子供だましのようなこと……、と、侃々諤々の議論が繰り広げられたのだった。
話し合いは、もはや収集がつかないところまでいってしまったものの、ある一言で問題は一気に解決したのである。
それは、ある人のこんな言葉だった。
「そもそも、そこにゴミ箱って必要なのかな」
そうなのだ。そこにゴミ箱なんてあるから、不届きもののいたずら心を煽る。各戸に入ったチラシは、各人が持ち帰って処分すればいい。
翌日に早速ゴミ箱は撤去され、一件落着と相成った。
私たちは問題に直面したとき、その問題にばかり注目してしまい、そもそもなぜそれを解決しなければいけないかを忘れがちだ。問題を論理的に掘り進めていくことは大切だけれども、それだけでは解決しないこともある。
そんなときに、視点を変えると新しいアイデアが得られることがある。
つまり、問題の「そもそも」を問うてみるのだ。すると、自分たちが本当に何に取り組もうとしているのかがクリアになってくる。
仕事においても、日常生活においても、何かと一生懸命にやっていると、行動することそのものが目的になってしまっていることがないだろうか。
そんなとき、そもそも今の活動は何のためかということを振り返ってみるといい。
とはいっても、活動に没頭しているときというのは盲信してそれに取り組んでいるのだから、疑問にすら思わないのだろうけれど。そこを何とか、習慣づけてでも、ちょっとやってみてほしい。
意外と、成果に乏しいことを頑張っているかもしれない。
ああ。彦六師匠が生きていたら、尋ねてみたい。
どうしたらライティングのプロエッショナルになれるのですか、と。
「そりゃおめぇ、プロフェッショナルになるまで続けるってことよ」
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