駄文ばかりの私はおっぱいに吸い付く《プロフェッショナル・ゼミ》
*この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:たいらまり(ライティング・ゼミ プロフェッショナルコース 通信)
一歳になったばかりの息子が、おっぱいを探してぐずり始めた。
「ちょっと待ってねー。ママがもう少し書けたらぱいぱいしようねー」
そうなだめながらも、私のおっぱいは、パソコンの方を向き続けている。
全く文章が書けず意気消沈していた。
わーん! 息子の泣き声が本格的になってきた。
顔を真っ赤にして、この世の終わりのように泣いている。
「母ちゃーん! 早くしてくれー! そのおっぱいがなければ死んでしまうー!」
きっと、そう訴えている。
「ごめんねっ。ごめんねっ。はい、ぱいぱいどうぞっ」
やっとパソコンから離れた私は、息子におっぱいを向ける。息子はハフっと頰ばり、この世の終わりから至福の時へと入っていった。
小さな小さな命が、生きるために全力でおっぱいに吸い付いている。
その尊い姿が、全く文章を書けない私を奮い立たせてくれる。
4ヶ月間、天狼院書店が開催する「人生を変えるライティング・ゼミ」を受講した。そして、そのゼミが終了した今は、「厳しい」と噂されるプロフェッショナルコースに進んだばかり。
もう5ヶ月間も学んでいる。
それなのに、それなのに……!
私が今、生み出す文章ときたら駄文続ばかりだ!
息子はこの5ヶ月で、おっぱいをたっぷり飲み、寝返りして、はいはいして、今では二足歩行に挑もうとしている。
一方で私は、5ヶ月前より書けなくなっている。
成長していなければ現状維持でもなく、衰退だ。
非常にまずい。このままでは人生を変えるどころか、死んでしまう。
息子がおっぱいに吸い付いたまま、上目遣いで私を見つめる。
「母ちゃん。おっぱい吸うところからやり直すんだ」
おなかと心が満たされ、生命力あふれた息子の目は、そう訴えてきた。
そうだ! いちいち落ち込んでる場合じゃない。
もう一度、講座を見直すんだ!
4ヶ月間のライティング・ゼミ全ての講義を、アーカイブで見直すことを始めた。
きっと足りないところが見つかるだろう。
見落としたことがあるだろう。
目をつぶっても講師の三浦さんの顔を描けるぐらい動画を見続けた。
目も鼻も口も耳も、毛穴もヘソもお尻の穴も、身体中で吸収するつもりで見続けた。
すると私は、恐ろしいことに気づいてしまった。
私が書いていた文章は、三浦さんが警告されていたタブーの塊だったのだ。
「これだけはしないでくださいねー」
「これやったら絶対読まれませんよー」
そう、ちゃんと読まれない理由を教えてくれていた。
自分よがりの文章。
読み手ではなく自分が主体になった文章。
毒を持ったままポジ抜けできていない文章。
講義を復習し、吸収しようと開いていた全身の穴から、冷や汗が出てきた。
復習どころではない。
書くことが好きで学んでいたのに、今の私は人が読みたくないものを書いている。
もう恐ろしい怪文書レベルだ。
怪文書を生み出す心から変えなくてはいけない。
全身の穴という穴をさらに大きくおっ開いて、講義の動画を見続けた。
ありがたいことに、ライティング・ゼミの内容は、書くテクニックだけではなく、本当に人間として、よりよく生きていくためのヒントがたくさん埋め込まれている。
繰り返し、繰り返し見ることで新しく気づくことが山ほどあった。
それは、書く技術よりも私の心構えに突き刺さる部分が多い。
私が書くものが怪文書になってしまった理由、その恐ろしい真実もよくわかった。
ライティング・ゼミでは毎週2000文字の記事を提出し、スタッフの方が良いと判断されれば、web天狼院に掲載される。まだ書くことに時間がかかっていた私は、40%ぐらいの提出率となってしまったが、なんとかweb天狼院に掲載していただくことができていた。この時は、書きたいこともたくさんあったし、ただただ刺激的で無邪気に楽しかった。
他の受講者さんの記事や、スタッフの方のフィードバックが楽しみで、スマホから離れられなくなりそうだった。
そして、もっと書けるようになりたいと思い、プロフェッショナルコースへの受験にチャレンジした。
受験に合格し、とても興奮した私は、急に「上手く書かなきゃ! かっこよく書かなきゃ!」と気張り始めた。
何故か? 分からない。ただ勘違いしやすいハイパーアホなんだと思う。
そんな勘違いしたハイパーアホな私は、未熟な知識、不完全燃焼のネガティブ感情を材料に、華美な表現を使い、無理やり文章を書いていた。
それは、成熟していない野菜と、賞味期限切れの肉で作ってしまったカレーのようだった。野菜の旨味は出ないし、異臭もする。とろみをつけようと入れすぎた小麦粉でドロドロだ。しかも、変にこだわって市販のルーを使わずに、にわか仕込みの自己流レシピでルーから作っているから、スパイスの配合だって悪い。誰だって食べたくない。
ライティング・ゼミではABCユニットという、初心者でも美味しく調理できるような、書くための秘訣を習っているのに、そんなことも忘れていたハイパーアホだった。
もっともっと学ばないとダメだ。
そしてもっともっと書きまくらないと、読んでもらえる文章には成長しない。
2017年の師走も押し迫った今日も私は、ライティング・ゼミの動画を見ている。一歳の息子もおっぱいに吸い付きながら、最近ではどんな幼児番組よりもライティング・ゼミだ。
心なしか、息子のころんとした癒しのシルエットが、講師の三浦さんのように見えてくる。「ぶわあぶわああ」と話し始めた喃語は、三浦さんがよく使われる「ハイパー」という言葉に聞こえる。そして、万歳と手を上にあげてヒラヒラさせる動きは、三浦さんがエアーパソコンをされる動作にそっくりだ。
そう思うのは、私の頭の中がライティング・ゼミ一色になっているからだろうか。それでも、子どもの成長のスピードは大人の数百倍というから、息子がペンを持つようになったら、パソコンを打てるようになったら、ものすごいものを書いているかもしれない。楽しみだ。
しかし、それよりも、まずは私だ。
書くことの戦場で生きてきた講師の三浦さん、素敵な文章を書く若いスタッフさん、そして2000人を超える過去の受講生のフィードバック。
文章を書く力を成長させるための栄養がたっぷりと詰まったおっぱい、「天狼院書店のライティング・ゼミ」は、今、私の目の前にある。
このおっぱいを吸わないと、私はまたハイパーアホになって、怪文書を書いてしまう。
読まれる文章を書けるようになりたい。
人の心が動くような文章を書きたい。
ライティングで二足歩行ができるようになりたい。
そのために、私はこのおっぱいを猛烈に吸い続ける。
一滴も残さず、卒乳できる日まで。
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この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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