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なぜ偏差値を5上げるより30上げる方がずっと簡単なのかプロ家庭教師がこっそり教えます


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:田林洋(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
2月初頭、冬のこの時期は受験シーズンです。受験をしたことのある人は、在りし日に寒さの中必死に受験勉強に励んだ思い出を振り返ることも多いでしょう。さて、受験には偏差値がつきものです。偏差値とは、難しい話は置いておいて、要するに順位を点数換算したものです。そして、受験者数の多いテストや模試であれば、偏差値40から60の間に全受験者数の2/3が入る仕組みになっています。
 
今日は、この偏差値が上がっていくプロセスについて、私がプロの家庭教師としてこの数年間受験生と過ごした結果、一つ驚きのことがわかったので、ここでこっそり教えようと思います。とはいっても、この業界ではどうも常識らしいので、ここでばらしたところで大きな影響はないはずです。
 
いきなり答えをいいます。それは、偏差値を5上げるより30上げる方がずっと簡単だということです。そんな馬鹿な! それなら私のあの苦労を返してくれ! そう思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。落ち着いてください。もちろん、どちらも簡単ではないです。これは強調しすぎてもしすぎることはないですね。簡単に成績が上がるなら誰も苦労しないんです。しかし、5だけ上げるのと30上げるのではやることが全然違います。先ほどの偏差値の話を思い出してください。偏差値とは40から60の間に約70%の人数が入っていますよね。だから、偏差値を5上げるというのは多くの場合、この70%の中でどう上がっていくかという話です。そして、偏差値を30上げるというのは、これもほとんどの場合は偏差値40未満から70以上まで上げることを意味しています。言い換えると、ほぼ何も勉強をしておらず(もしくは全然成果が出ておらず)下位15%にいるところから上位15%まで駆け上がるということです。
 
では、偏差値を5上げるのと30上げるのでは何が違うのでしょう。
 
「偏差値を5上げる」とは、私が思うに、受験生が今まで自分なりのやり方で勉強をしてきて、その上に成果である偏差値をのせることです。これは教える側からみると、実は厄介な問題が潜んでいます。それは、受験生本人が自分なりの勉強法を既にもってしまっているということです。
 
世の中の多くの問題は常に変化していて、正解は存在しないもしくは流動的ですよね。しかし、受験というフィールドにおいては、何をどう学ぶべきか、から解答の書き方、までほぼ既に正解が確立しています。(その正解については、ウェブや書籍に溢れかえっているのでここでは紹介しません)
 
勉強の経験が浅い受験生本人が自己流でやっていると、大抵はその正解からはほど遠いやり方でやっています。代表的なものをつらつらと紹介しましょう。英語。難しい文法をみっちり学び、ほとんど喋ったことがない。数学。自分のわかる問題ばかりやり、わからない問題は飛ばしてそのまま。国語。己の日本語力を信じ、何もしない。勉強法全般。机に座っている時間を長くすればよいと思い、ほぼ座禅。もしくは、勉強をせずに奇跡を祈っている。
 
最後の方は「そんなわけないでしょ!」と思った方も多いかもしれませんが、まあ客観的に観察できる立場からみれば、みんなそんなものです。私自身、受験生の頃は座禅ばかりでした。もちろん現役では志望校には落ちて、浪人生活をしました。また、「ああ、自分の知っている問題がでないかな」と祈ったことがある人は、私一人ではないはずです。
 
そうなんです。偏差値を5上げるというのは、一度自分の勉強法を見直し、多くの場合はそれを捨てて、新しいやり方に挑戦する手間がかかるのです。これは、心理的に非常に負荷がかかります。それなりに成果が出ているのならなおさらです。これを他人である家庭教師が教えるというのは至難の業です。言うなれば、今まで必死に走ってゴールを目指していた人に向かって、横から突然「いや、走るより自転車乗った方が速いよ」と言うようなものです。「こんなに汗かいたんです。それに、自転車乗れるまでにかかる時間を考えたら走った方がいいです」と反論されるのがオチです。
 
ですから、偏差値を5上げるために行う家庭教師の指導は「勉強法が間違っているということに気が付いてもらう」という一点に集中します。
 
「偏差値を30上げる」場合は、違います。ほぼ白紙状態の受験生に、やり方から教えていくことになります。さっきの例えでいうなら、これからレースを始める人に対して「みんな走ってるけど、実は自転車が使えるよ」と言えるということです。レース前なら「え、本当ですか?なら自転車乗ります」となるのは想像できるのではないでしょうか。ましてや、みんながスタートしていて自分だけ遅れている状況なら、挽回したい気持ちも相まってちゃんと自転車の乗り方を学びます。実際、今年の受験生でも、一年で私の教えた物理の偏差値が河合塾の全国模試で37.9→72.1に上がりました。でも、白紙から教えられると、大体みんなこんな感じです。
 
もうわかっていただけたと思います。偏差値5上げる場合は、自己流を諦めるという大きなハードルが存在すること、逆に30上げる場合は、1から正しいやり方を学ぶだけ、という差があるのです。これを読んでいるあなたがもし今まで勉強をしてきた受験生なら、まずは自分のやり方を少し疑ってみてください。そして、まだ座禅と祈りばかりの受験生なら、君の眼前は希望に満ち溢れていますね。自転車の乗り方を学んで、偏差値30駆け上がって下さい。
 
 
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2018-02-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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