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ビールの売り子はプロ将棋士と戦えるのか!?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:大野 絵理(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
3月、プロ野球のオープン戦が始まった。
「vs何戦の試合見に行く?」
「外野にする?」
そんな会話が弾む。
 
広島や関西は地元のプロ野球ファンが熱狂的であるイメージは全国的に知られているだろう。
私の住む福岡も、実は負けずと熱狂的なプロ野球ファンが多い町だと感じている。
ホークスの野球の試合がある日はタクシーの運転手もチェックするほど渋滞も発生する。
その渋滞を街中が、ホークス戦あってるからね!
仕方ないね!
と公認している。
スーパーや百貨店で何かと応援セールが始まる。
銀行でも、優勝したら金利アップ預金キャンペーンみたいなのが始まる。
 
町中が、今年もソフトバンクホークスの優勝パレードを見るのを楽しみに応援する。
そのように活気を与えてくれているのもソフトバンクホークスの選手のおかげだ。
春の訪れと同時に毎年の恒例行事かのようにワクワクしてくる。
 
私は学生の頃、福岡ドームでビールの売り子をするようになり、ホークスファンの一員となった。
会場では、応援団をはじめ、会社帰りのサラリーマンからOLさん、将来プロ野球選手になりたいと夢を抱き応援している小学生など、幅広い世代が心ひとつに応援する。
その臨場感が大好きだ。
 
お客さんの観戦の邪魔にならないよう、野球とビールを楽しむ方へ冷たいビールをタイミングよく提供するよう考えて球場内を歩き回る。
野球の試合開始前から終了直前の約4時間、20㎏以上のビールの樽を背に歩き回る。
毎回の試合でどれくらいの汗をかいたのかわからないほど歩き回る。
だが、3年間いちどもこの登り下りの階段をきついと感じた事がない。
あっという間と感じる毎日だった。
 
球場のお客さんと一緒に、点が入ったり、または点をとられる臨場感を選手とともに楽しむ。
試合の勝ち負けを昨日まで知らなかった人たちと分かち合いたたえ合う。
そんな場に常々いれる幸福感のほうが辛さをはるかに超える。
ビールの売り子の醍醐味だ。
 
もちろん、知られている通り収入も歩合制で売れば売るほど増す。
だからこそ、思い樽を背負って歩き回っても辛さなど感じることなく、その場の雰囲気を楽しみながらビールを売れるのかもしれない。
 
ビールの売り子をしているときは、売っている側の目線でしかなかったが、
バイトをやめ、社会人となり、今度は仕事終わりに観戦に行く立場になると目線が変わる。
「あ、あの子売れるだろうな」
もともと自分が売り子をしていたからついつい目につくのかもしれないが、きっと買い手も好みのタイプなどの
個人的意見も入ってくるかもしれないが、「売れる子」は見抜いてる気がする。
 
だから売れる子はとことん売れる。
違いは何だろう。
ふと考える。
笑顔?
愛嬌?
ハーフパンツから見える美脚?
このような外見も加味されていると思うが、
先日TVで売り子の特集番組を見た。
やはり売れる子はしっかり計算している。
計算と言っても良い意味での計算高さだ。
 
先程買ってくれたお客さんはそろそろビールがなくなる頃かな?
逆転ホームランの歓喜の後はスピード勝負だ。
同じ銘柄を売っている子がどのように動いているのか。
しっかり周りに目を配り、自分が今どのように動くべきか優先順位をしっかりとつけている。
計算高いなんて言葉もあるが、やはり状況把握し、先を見越し行動することは重要だ。
 
今、話題の将棋も先読み力の象徴だろう。
現在、藤井聡太四段の活躍により、さらに注目を浴びている将棋界。
古くから親しまれる将棋だが、戦略は無限に広がる。
だからいつの時代にも愛されるのだろう。
 
相手の出方次第で刻一刻と目まぐるしく戦う。
心理戦だ。
いや、頭脳戦だろうか。
 
私は、正直に将棋を楽しむ一般的なルールは知っているが、騎士の凄さを正直理解できていなかった。
連日のニュースで取り上げられる将棋の話題に少しずつだが、将棋の楽しさが伝わってきた。
 
相手の意図を読み、ピンチをチャンスに変える面白さ。
計算に計算しつくされたというほどの頭脳戦だ。
考えることが楽しい、それこそが将棋の醍醐味なのかもしれない。
運や勘、ツキなどに左右さるることもあるかもしれないが、
将棋は小学生の息子も楽しんでいる程、年齢を問わず楽しめる娯楽でもある。
 
相手の状況をいち早く察知し、先を読み、戦術を立てる。
まさに先読み力の先駆けかもしれない。
仕事においても重要とされる先読み力だ。
 
ビールの売り子が売れる秘訣も先読み力だが、プロ将棋士も同様であった。
カフェの店員も、営業マンにもあらゆる職業でも重視されるのかもしれない。
そのくらい先を読み行動することは、自身の人生を動かし、成功への道標となってくれているのだろう。
 
では、そのような先読み力はどう鍛えたら良いのだろうか?
私もそれこそ、藤井四段に質問してみたい。
 
「先読み力」なんて単語にするから堅苦しく考えてしまうのかもしれない。
ただ、単純に目の前にいる人が、今どうしてほし良いと思っているのか?
自分はどうしてあげれるのか?
考えてまず行動してみる。
それだけで良いのだろう。
 
きっとこういう姿勢でいることがで、自然と自分にもかえってくる。
そんな気がする。
 
自分の見返りを先に望んでは本末転倒だが、
誰かのために、目の前の人のために、自分ができることを心から楽しんで行動してみる。
そんなことから始めてみようと思う。
 
 
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2018-03-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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