三浦さんも知らないライティング・ゼミの凄さ《プロフェッショナル・ゼミ》
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記事:中野 篤史(プロフェッショナル・ゼミ)
たとえば、家のPCで探しものに集中している時に、「あのね……」と妻から話しかけられたりすると、若干イラっとして素っ気ない返事になってしまいます。また、私は取り込んだ洗濯物をよく床にドバっとおいて置くことがあって、妻から「そういう風に置かれると、皺になっちゃうから」と言われると、これまたイラっとしてしまうこともあります。そんなことを少し後から考えると「ああ、小さいなぁ俺は……」と思うことがよくあります。
どちらかといえば、私が自分中心的な考えをしていることが多いのですが、それでイラっとくる自分に、器が小さいと感じてしまうのです。
40歳も過ぎてミドルになってくると、もう人間的な成長は望めないのかな……。なんて、ややあきらめモードで自分を眺めてしまいます。20歳の頃は、40歳って結構な大人だなと思っていました。それなりに人間としても成熟していると。でも、いざなってみると、なんのことはありません。20歳の頃の外観が古くなっただけで、中身自体にそれほど変化はないように感じます。中身の成熟、もしくは器の成長というものは年とともに自然に進んでいくものではないようです。でも、そうは思いつつも、生きている間は人として成長していたいね、なんていう希望的観測もなくもありません。
そこで、成人した後でも、なんとか器を成長させられないものかと調べてみました。するとあったんです。こんな器の小さな私でも、この年齢から成長できるという理論が。その名も『成人発達理論』と言います。名前のとおり、成人も成長する前提の理論です。ややあきらめ気味だった、私の心に光が差し込んできたようです。そして、なんと最終的には、人の成長とライティング・ゼミが大きく関係していたことを知ることになるのでした。
まず、成人発達理論でポイントになってくるのが「視点」です。ついこの間終わったばかりのオリンピックで、この視点と関係するストーリーがありました。それはスピードスケートに出場した小平選手のニュースです。これは日本だけでなく韓国メディアでも話題になっていました。競技が終わった後、銀メダルに終わった韓国のイ・サンファ選手への対応を私は涙して観ておりました。小平選手を凄いなと感じたのは、競技後のインタビューでした。イ・サンファ選手は、これまでオリンピックを2連覇している世界王者です。彼女にとって今回は、自国開催ということもあり、相当な期待とプレッシャーがかかる大会でもありました。ただ、ここ数年は怪我に悩まされ、思うような成績を残せていませんでした。小平選手は、そのような彼女の栄光と苦労を知っていたので、今回の決勝が終わった後、イ・サンファ選手の元へ滑りより、肩をだき抱え「尊敬している」と声をかけたのでした。
自らは金メダルが確定した直後の喜びの最中にいるので、普通は他の選手のことは視野に入りません。しかし彼女の場合は、ライバルでもあり友人でもあるイ・サンファ選手の立場になって世界を見ることができていました。これは視点の高さです。どの競技の日本人選手たちも日本では当然TOPの選手ですし、世界的にTOPレベルの選手もいます。ですから、インタビューをみていると、精神的な成熟度の高さが伝わってきます。そのような一流選手の中においても小平さんの成熟度といいますか、視点の高さは頭ひとつ抜けていたように感じました。自分のことで精一杯の私とは大違いであります。
さて、普段何気なく使っている人の「器」という言葉ですが、わかるようでわかりにくいと思いませんか? 「具体的にどういうことなのさ」と聞かれてしまうと、ちょっと困ってしまいます。そこで、もう少し噛み砕いて、考えてみました。つまりそれは、物事を捉える視点の高さと、広さのことではないかと。
そして、視点は次のように発展していきます。自分中心の「点」としての視点。そして、自分と相手という「線」の視点。それから集団の中の自分という面の視点になり、さらに自分も含めた集団を俯瞰する立体的な視点という具合です。つまり、器の成長とは、点から線へ、線から面へ、面から立体の視点へ移行していくことだと思うのです。
もし、自分と異なる世界観を持つ他者を、自分の世界観に取り込むことができれば、器が広がったということです。さらに、自分と他者を含む様々な世界観を持つ集団も自らの世界観の中で許容することができれば、もっと大きな器になったと言えます。
この理論では、人の成長の初歩的段階を、利己的段階といいます。私は、もしかしたら私はこの段階じゃないか? とちょっと焦っています。利己的段階では、自分中心の視点で世の中を見ています。そのため、自分が話したことを「相手がどのように感じるだろうか?」とか、「相手にどのように受け取られるのだろうか?」という視点で、物事を考えることが難しいのです。
たまに「子供は残酷」という言い方をすることがあります。子ども達は相手の世界観(視点)でコミュニケーションできるほど成長していません。だから相手が傷つくことを恐れずに、ストレートに表現してしまうことがあります。また他人を道具のように捉える傾向があるので「この人は使える」とか「あの人は使えない」というような判断基準を持ちやすい。社会人にもこの段階の人はいます。私も際どいです。書いている自分で思い当たる節がありま。
さて、この段階から成長すると次はどういう状態になるでしょうか? まず自分中心の視点から、徐々に他者の視点を理解できるようになってきます。これが点から線へと器が成長していくということになります。さらにそこから、自分も含めた集団という面での視点へと展開が始まります。
学生や社会人になると、クラブやサークル活動、職場という集団の中での自分の立ち位置はどうなのか、という視点が求められるようになってきます。いわゆる「大人」というやつです。ただ、ここまで成長してくると今度は、個が集団に埋没してくるということが起こり始めます。
面という広い視点を手に入れたのはいいのですが、まだ明確な意思決定の基準が発達していないので、友人や上司の意見に無意識に従うという状態です。これを他社依存段階と呼びます。
例えば「今回のプロジェクトの進め方について、Aという方法を採用しようと思うが、他に案がある人は?」と、上司から聞かれた時に、何も意見が出てこないような状態です。いわゆる指示待ち人間と呼ばれることもあります。私には、身に覚えのある状況です。こういう「大人」な、長いものには巻かれる的な自分がいることを否めません。言い換えると、他者や会社の意思決定基準に盲目的なんです。
逆に集団や社会の方からは、その集団の基準に従うよう求心力が働いて、個人が逸脱しようとすると、押さえ込もうとする力が自然と働きます。
最近、何かとニュースになることが多い大相撲ですが、ここは求心力がかなり強そうな世界だなということを、観ていて感じます。協会と貴乃花親方の関係は、この力学がわかりやすく現れているように思います。
一説によると、日本の社会はこの他社依存段階に属している人が多いそうです。だから、利己的な段階にいる人たちは、もっと大人になりなさいと引っ張り上げてもらえます。一方しっかりとした主張を持ち、次の発達段階へ移行しようとすると、出る杭は打たれるといいますか、引きづりおろそうとする集団心理が働くようです。
さあ、こんな私がさらに器を成長させていくにはどうすればいいのか?
これは、偶然といいますか、実はライティング・ゼミが大きく関係していることがわかったのです。
成人発達理論で言うと、他社依存段階から自己主導主義段階へ移行していくことです。言い換えると、集団の中の自分でありながら、自分の意見を主張することができるようになることです。
先ほども書きましたが他社依存段階の人は、意思決定基準が曖昧で自分の意見をあまり持とうとしません。でもこれは、自分の意見を全く持っていないのではなく、自分の内なる声に気付けていないだけなのです。なんとなく自分中にある、モヤモヤっとした言語される前のものを、うまく捉えて言葉にできていないんです。
私を含めて指示待ち傾向にある人は、自分の内に芽生えた感情や意思に気づいて言語化してあげる練習が必要なんです。言語化をする意味は「内なる声の発見」です。実はこの言語化の練習ににとてもいい方法があります。それが「書く」習慣なんです。
確か、天狼院の川代さんが、こんなことを言っていました「書いていいると、書きたいことが増えてくる」と。そこで私は「なるほど!」腑に落ちました。書き続けることによって、自分の中の曖昧なもの、モヤモヤとしたものを言語化する能力が向上します。すると「内なる声の発見」する量が増え、またさらに書けるようになってくるのです。
そして、書くことによって自分の意思決定基準がハッキリとしてきます。ということは、書けば書くほど他社依存段階から自己主導主義段階へのシフトがおこりやすくなるのです。おお! これは凄い! つまり、書くことによって器の成長にもつながるのです。自分で書いていて、なんだか書くモチベーションが上がってきました。
そうか、そうか。ライティング・ゼミって相当凄いかも。
おそらく、これは天狼院代表の三浦さんですら知らない。
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