メディアグランプリ

アニメ映画で学んだ、文章の力


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ほさか 梨恵(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「そうか! ライティング・ゼミで言いたかったことってこういうことなのか!」
その映画を見終わった後、私は確信した。
 
15歳の時から、そういう環境にいたせいもあるのか、
理系の私にとって、文章を書くというのはレポートや報告書を書くということと同じ意味だ。
実験の報告書で「この実験はめんどくさい」なんて書いたら、間違いなく「再提出」と赤ペンで書かれるだろう。
役所に出す書類に「たぶんこう思う」なんていうのもNGだ。
今の仕事も、あるテーマに沿って調査したことをまとめることが多い。
事実を並べて、数字で示し、自分の感情を一切排除して、淡々と書く。
私の書く文章はあまり面白みがない。
 
会社員の時はそれでも正直問題なかった。
そういう仕事だったからだ。
けれど、昨年独立してから、私は壁にぶち当たった。
Facebookも、ホームページも、文章が固い。
確かに要点はまとまっているし、書いていることに間違いはない。
それでも何かが足りない。
反応もない。
何が足りないんだろう……
 
半年ほど悩んでいた時、ある仕事の依頼で「殺し屋のマーケティング」を読むことになった。
数ページ読んだ私は一旦本を閉じた。
「これ、ビジネス書じゃないっしょ」
きっと上司がタイトルの「マーケティング」だけ見て、私に依頼してきたのだろう。
「まぁ、急ぎの仕事もないし、読むだけ読んでみようか」
再び、本を開いて読み進めると、私がこの本を誤解していたことに気づいた。
これは紛れもなく、ビジネス書だ。
けれども一つの小説としてみても面白い。
何なんだ、この本……
 
これが私と天狼院書店の出会いだった。
私にもこんな面白い文章が書けるようになるのかな……
そんな思いで、ライティング・ゼミを受講することにした。
ライティング・ゼミで教えてもらったことは、内容は盛りだくさんだったものの、理解はできた。
毎週の課題も欠かさず提出し、何度かは天狼院書店のホームページにもアップされた。
けれども、文章が人の心を動かすというところがまだしっくりきていなかったのだ。
 
悶々としながら迎えたゴールデンウィーク。
私はとある映画を観に行った。
誰もが知っている子供向けアニメ番組『名探偵コナン』の映画だ。
最近、その番組で映画の宣伝があり、気になっていたのだ。
この番組の映画を見るのは久しぶり。
というか、初めて映画化した時以来だから、もう20年も前になる。
新しい登場人物は居るし、あらすじも読まずに来たから、私に理解できるのか不安ではあった。
 
しかし、手に汗握るストーリーを前にそんな不安は無駄であった。
上映が終わり、館内が明るくなった時、私はすっかりその映画に出てくるイケメンの虜になっていた。
Twitterでイケメンに関するツイートを探し、映画のパンフレットを購入し、友人に「この映画は見に行くべきだ」とLINEした。
それには飽き足らず、そのイケメンが出ている話を集めた単行本を買い、スピンオフが連載されている雑誌も買い、次はいつ映画を観に行けばいいのか手帳とにらめっこしていた。
 
そして2回目の上映後、私は確信した。
私は確実にこの映画に心を動かされた。
映画そのものだけではなく、映画の宣伝の時から動かされていると。
そして、それはライティング・ゼミで学んだことからも説明ができると。
 
映画を分解するとしたら、画像と音声に分かれる。
そして、それらを構成するのは紛れもなく文章だ。
登場人物の設定、セリフ、ストーリー。
 
そうか、文章が人の心を動かすってこういうことなのか。
 
心を動かされると、人は行動したくなる。
私の場合は、物の購入だ。
別にイケメンは直接私に「グッズを買って」と言ったわけではないし、また会いにおいでと言ってくれたわけではない。
もちろん、そう言ってくれれば嬉しいわけだが、紛れもなく私が「購入したい」「また見に行きたい」と考えたからだ。
そして、そう考えたのは私だけではない。
数多くの女性が同じように行動しているのだ。
最近、朝のバラエティー番組でこの現象が紹介されたらしい。
それを見て、私の行動なんかはまだ序の口だということを思い知らされた。
たった二時間足らずの映画でここまで多くの人が動いてしまう。
文章のもつ力って大きい。
そう実感したのだ。
 
先週、ボランティア活動の参加募集のメールを作る機会があったので、ライティング・ゼミで学んだことをベースに書いてみる事にした。
送信の結果、9割は返信なし。
多分そうだろうなと、ここまでは予想していた。
しかし、何人かからは「気持ちが伝わった」「できることがあれば協力したい」と嬉しい返事があったのだ。
 
結果から言うと、まだ私の文章では数人の人の心を動かすので精いっぱいだ。
映画のように、たくさんの人が動く文章を書くにはまだまだ道のりは遠い。
それでも人の心を動かす文章を書けたということは、私にとって成長した証だ。
しかし、ライティング・ゼミは今月で終わる。課題を添削してくれる人もいなくなる。
正直、私のスキルにはまだまだ不安がある。
それでも、私は伝えたいことがあるし、やりたいことがある。
そのためには文章のもつ力が必要だ。
だから、これからも書き続けていこう。
そう、私は心に誓った。

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2018-05-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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