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宝くじを買う時の直感は神様の前髪


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記事:Hanao(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
これは、ちょっと不思議な体験をしたごくごく最近のお話。
 
私は宝くじファンだ。そして、昔からくじ運はいいほうだった。
 
母に言わせるとそれは祖母からの遺伝らしく、とにかく祖母もくじ運が良かった(らしい)。祖母は宝くじを買うことはなかったけれど、商店街の年末福引では、1等が当たったり、ちょっとしたくじが当たったりして、娘である私の母に、「なんで、アンタたちは当たらないの?」と、他の人からすると嫌味としか思えない発言もしていた(笑)。そんな祖母の血を引いてか、私も小学生のころからこまめに懸賞に応募しては、賞品を当てて家族を驚かせていた。
 
宝くじに限って言えば、「もし当たったら何をしよう?」とか、実際に当たった人の体験談を読んでワクワクしたり、明るい気持ちになったりすることもとても楽しい。毎日の生活にちょっとの幸せとスパイスを運んでくれて、いい気分になったりもする。
 
でも、懸賞や宝くじが好きだというと、ほとんどの人に「どうせ当たらないよ」と言われてしまう。
 
だけど私はなぜかそんなふうに考えることはあまりなく過ごしてきた。だって確実に誰かには当たっているのだ。その確率がたったの0.1%であっても、その0.1%に自分がなれないなんて誰が決めたのか? 可能性が0(ゼロ)ではない限り、私にだってチャンスはあるはずだ。そんな風に「くじ」に関しては、強烈ポジティブ思考の私でも、宝くじとなると相当な強敵で、高額当選はまだ経験したことがない未知の領域だ。
 
そんな私に、先日不思議なことが起こった。
 
いつものように通勤電車で、とあるライターさんが書いているお気に入りのブログを読んでいると、その文章の中に書かれていたある数字が目に飛び込んできた。
 
「88」 と 「79」。
 
なんとなく気になって、「この数字でナンバーズ4でも買ったら当たるのかな?」とぼんやり考えていた。でも、そのままいつも通り出勤し、普段通り、仕事をして自宅に戻った。
 
「そういえば、きょうあの数字を買っていたら、どうなっていたんだろう?」
 
テレビを見ているときに、ふとそう思って何気なくその日のナンバーズ4の当選番号を確認した。
 
鳥肌が立った。
 
当選番号が「8879」だったからだ。
 
当たっていたら70万円。
あの時の自分の直感にしたがって買っていたら、私は70万円を手にしていたことになる。
 
でも私は買わなかった。それが現実だ。
 
 
「チャンスの神様には前髪しかない」
 
私はその時、瞬間的にそんな言葉を思い出した。
「これだ!」というチャンスの神様が目の前に現れたとき、その前髪をしっかりとつかんでおかなければいけないという教えだ。なぜなら、チャンスの神様には前髪しかなく、後ろには髪の毛がないからだ。目の前を通り過ぎて振り返ったときには、神様の髪の毛をつかむことはもう、できない。
 
私はあのとき、ふっと浮かんだ感覚をそのままやり過ごし、前髪をつかみ損ねてしまった。
そして、もちろん初めての高額当選は逃し、残念な気持ちだけが残った。
 
でもそれは、お金がどうのこうのという感覚とは少し違っていた。
 
私たちは、たぶん、日常生活でも同じようなことを繰り返しているのだと思う。
ふと浮かんでくるアイディアや考え、湧き上がる思い。自分の中に浮かんでも、行動に移すことは、なかなかしない。でも、その思いのかけらを大切にして行動に移せるかどうか、形にできるかどうかで、未来は変わってくるはずだ。それなのに、毎日の忙しさやささいなことを理由にして、なんとなく神様の前髪をつかみ損ねてしまっている。そしてつかみ損ねたことすら気が付かずにいる。それはなんだかとても怖いことのように感じた。だけど、その怖いことが、たくさん起こっているような気がした。
 
今回、私が逃したものは70万円というリアルなお金だった。だけど、チャンスの神様の前髪がどうやってすり抜けていくのかを自分の実感として、体感できたことは自分にとって、とても大きかった。
 
「あの時ああすればよかった」なんて誰だって言えることだ。だけどそんな言い訳をどれだけ少なくしていけるか。それは自分のことをどれだけ豊かにできるかともつながっているような気がするし、ふと浮かんできた感覚を無視してしまうこと、それ自体、なんだか、自分のことを信じてあげられていないような気がして、とっても失礼な気にもなってくる。
 
成功した起業家や世の中を変えた革命家、そんな人たちは、きっとこうして目の前に現れたチャンスの前髪を確実につかんできたはずだ。そしてそこに言い訳は存在しない。自分の気持ちにどれだけ正直に行動できるか、それだけがたくさんの未来を変えていくことになる。
 
あの時、私が感じた思いは、まさにチャンスの神様の前髪だった。
宝くじだけではない、長い人生これからまた、たくさんの場面できっと私の前に神様の前髪が現れる。
 
それは、気が付きやすい場面もあれば、気が付きにくい場面もあるかもしれない。
 
それでも、感度を上げて。
次こそは逃さないように。
 
そう自分に誓って、しっかりとがっちりと前髪をつかむことを、こころに決めた。

 
 
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2018-10-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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