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今は遠いけど、そんなに遠くない近い未来のために《『READING LIFE ─PROTOTYPE─』予約受付開始》


 
記事:西後知春(READING LIFE ─PROTOTYPE─)
 
「時間の問題です。口呼吸になりました」
と、母からラインがきた。
え? まさか? 本当に? 冗談でしょ?
そんな言葉が思いつく。でも、私は何もできない。
 
実家に子猫が二匹、やってきた。
白い猫と三毛猫。
二匹は姉妹。
保護猫だ。
実家に帰るのが楽しみになった。
早く会いたい。早く一緒に遊びたい。
 
実家に行くと、二匹は私を得体の知れない怖いやつ、というように避けた。
そこがまたなんともかわいい。
猫じゃらしでしばらく遊んでいると、二匹とも慣れてきた。
白い猫は人懐っこい。近寄ってくる。
ミケはものすごく抱っこされるのを嫌がる。
そこがまたかわいい! 私の目は多分ハートになっている。
 
あれ? 二匹がいない。
探す。外には出ていないと思う。
「もしかしたら」
母がそう言って洗面所に行ってみると、二匹ともくっついてカゴの後ろの、こんなとこ、よく見つけたねってところにいた。
それもかわいい。
親バカか? 親ではないけど。それくらいものすごくかわいい。
100均で毛糸を買ってきて丸めて転がした。
二匹は喜んで遊んでいる。
こんなんでいいのか? というものを遊び道具にしている。
高くないおもちゃの方が喜ぶそうだ。
安い猫だね。そんな話をしてみんな笑う。
猫がいるだけでみんな笑っちゃう。
やっぱり猫が大好きだ。
自分でも飼いたいけれど、日中いないし。かわいそうかな?
そう思って飼うのを思いとどまっている。
実家にこんなにかわいい猫がいるなら、できる限り帰ってきて、遊べばいいし。
 
二匹の猫の名前は壱號(いちごう)と弐號(にごう)という。
すごいネーミングセンスな甥っ子。
白い方が壱號で、ミケの方が弐號。
私と母は壱號をイッチ、弐號はニゴと呼んでいた。
かわいい。イッチはものすごく人懐っこい。自分勝手で、愛くるしい。
ニゴはイッチよりもちょっとおっとりしている。
イッチの方がよく食べるから、イッチの方が体は大きい。そして、遊ぶ時もイッチは遊び続けるけれど、ニゴは少し遊ぶと少し休む。
もう、デレデレだ。
私だけじゃない。みんな、家族みんなデレデレだ。
 
帰らなきゃいけない日がきた。
やっと二匹とも私に懐いてくれていたのに。
イッチが母の上に乗りながら、ちょっと私を睨む。
その顔がものすごく、印象的でなんだか引っかかった。
 
「イッチの調子が悪い。猫風邪みたい」
母からラインがきた。
え? あのイッチが?
めちゃくちゃ元気に遊びまくっていたイッチが?
 
写真が送られてきた。グッタリしている。
でも、病院も行っているみたいだし。
早く良くなってほしい。
そうだ、10月の三連休は二匹に会いに行こう。飛行機の予約をする。
 
台風が来た。
結構でかいやつ。
来ないでくれ! ものすごく祈った。
祈りに反して台風直撃。飛行機は飛ばない。
予約を泣く泣くキャンセルする。
この後は仕事も忙しくなって、なかなか実家には行けない。
残念。イッチとニゴに会いたかった。
 
「今日も点滴に行ってきました」
なかなか良くならないイッチ。
イッチの病院代がものすごくかかる。
母はやめると言っていた珠算塾をやめずに頑張っている。
二匹の餌代と病院代のために。
 
会いたい。
でも、ちょうど仕事が忙しい時期だ。
行けない。
そんな時に母からラインがきた。
「時間の問題です。口呼吸をしています」
 
猫は口呼吸になった段階ですぐに病院に行かなければならない。
口呼吸をする動物ではないからだ。
え? まさか。
だって、まだ1歳にもなっていないんだよ?
なんとか日帰りでもいいから、実家に帰ろうか?
ラインを送ってみるが、返事は帰ってこない。
飛行機のチケットを検索し始める。なかなか良い時間帯がない。
どれにしよう。迷っていると母からラインがきた。
 
「先ほど亡くなりました。来なくていいです」と。
なんとも言えない気分。なんとも言いたくもない気分。
何かできたことはなかったのかということと、やっぱりなんとか時間をやりくりして実家に行くべきだったんじゃないかとか。行っても私は結局何もできなかったんじゃないかとか。色々な考えがぐるぐるする。考えてもしょうがないのに。
 
今回のPROTOTYPEでは写真の方で参加したいことを伝えていた。
○メフォトってやつで色々なお題で写真を撮ってみようというコーナー。
二匹を載せたい。そう思った。
二匹が喧嘩しながらも仲良く一緒にいる写真。
そう思って写真を選び始めた。
選びながら、なんだか涙が止まらない。
写真の中の二匹はとっても元気で。
二匹仲良くて。喧嘩もして。そんな写真ばかり。
まさかイッチが死んじゃうなんて、思えないような写真の数々。
そう思うとどんどん涙が止まらない。
残されたニゴのことを思うといたたまれなくなって、また涙が出てくる。
 
二匹の写真はいつでも紙ベースにできるけれど。
今は二匹一緒の写真は見られない。
またイッチを思い出して、涙が溢れてしまうから。
 
でも、もう少し時間が経って。
今は遠いけど、そんなに遠くない近い未来。
ニゴが成猫になって。
私が遊ぼって言ってもふーん、って感じの対応をするようになる近い未来。
そんな頃に、そう言えば私、二匹の写真を雑誌に載せたんだよねーって。
そう言って母や甥にも見せて。
そう言えばこんなとき、あったねって。
可愛かったよね、イッチ。いや、ニゴだってかわいいよってニゴにご機嫌とりして。
そんな頃に今回作った雑誌を見せてあげたい。
働き方再定義。
確かに母さんにとっても働き方再定義されちゃったよねって笑いながら言えるころ。
そんな時期を待ちつつ。

 

 

 

雑誌『READING LIFE ─PROTOTYPE─』目次

■働き方再定義
バブル期及びバブル崩壊を経て、昭和生まれのサラリーマンが語る。
何のために? どう働く!? 自分に合った働き方の見つけ方

■大人の育て方 ─「ティール組織」から新しい働き方を考える─
ティール・エバンジェリスト 大森雄貴さんインタビュー

■「夢を持っている君も、夢を持っていない君も」
セントオーディン 代表・デザイナー 永井純さんインタビュー

【COLUMN 1】◯めフォト!

■「攻めスポ」VS「密スポ」
・婚活、マルシェ、肉フェス?! むすびの神「鳥飼八幡宮」さんの神主さんに突撃インタビュー!
・小さな命と人を繋ぐ、新しい支援のかたち ゲストハウス「ねこ蔵ホステル」
・池袋で攻めている急先鋒店舗と核弾頭店長「シアターカフェ天狼院」
・1週間で全てのメニューが入れ替わる?! 京都のアイスクリーム屋さん「PICARO EIS」

【COLUMN 2】◯めフォト!

■休日の再定義
1週間休みならどう過ごす? 天狼院書店「STYLE for Biz 」山中菜摘店長にインタビュー!

■日常Short Trip
・朝のひと時、帰りのひと時。街を歩いてみませんか?
・アフター5の過ごし方
・仕事帰りにホテル泊! ─街中ホテルステイ─
・そこまで行っちゃう?!編 ─1日で名古屋から北海道までの日帰り旅─

【COLUMN 3】◯めフォト!

■大人の教養シリーズ
・「二十代の内に読んでおくことをお勧めする《書籍編》」
・「二十代の内に観ておくことをお勧めする《映画編》」(もっと、映画を観て欲しい)

【COLUMN 4】いろいろある「紅白の由来」《レシピもご紹介!》
【COLUMN 5】◯めフォト!

【雑誌『READING LIFE ─PROTOTYPE─』予約する際の注意と通信販売について】
『READING LIFE ─PROTOTYPE─』は500部作成いたしますが、実際には390部販売いたします。限りがございます。確実に手に入れたい方はご予約をおすすめ致します。(予約順でのお渡しとなりますのでご了承くださいませ)
PayPalでの決済完了時間が予約受付時間となります。

◆通信販売をご利用の方
今回は通信販売も同時に受付開始します。通販での受付も予約受付順の発送となります。PayPalでの決済完了時間が予約受付時間となります。
通信販売の場合、送料・手数料として500円別途頂きますが、その代わりに天狼院書店でご利用頂ける「コーヒーチケット(410円相当)」をおつけしますので、東京に来る際に、ぜひ、天狼院でご利用頂ければと思います。
通信販売分は、12月28日より、予約順に順次発送致します。

先行販売について


【当日店頭受取】雑誌『READING LIFE ─PROTOTYPE─』1,000円+税/A5 全42P《東京・京都・福岡・土浦》

【後日店頭受取】雑誌『READING LIFE ─PROTOTYPE─』1,000円+税/A5 全42P《東京・京都・福岡・土浦》

【通信販売】雑誌『READING LIFE ─PROTOTYPE─』1,500円+税/A5 全42P
*送料・手数料 500円含む(*410円相当コーヒーチケット×3枚つき)
*12月28日(土)より順次発送いたします。

お問い合わせ


 

TEL:03-6914-3618

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