ライティング・ラボ

全力で挑んだ恋は失敗しても希望を与える。



 

 

記事:尾張清宗(ライティング・ラボ)

 

全力で挑んだ恋は失敗しても希望を与える。

 

今だから言える。

 

私は社会人になってから2回、恋をした。

 

一度目の恋。

 

2人で遊ぶ時間。

 

片思いの、意中の相手と話す時間はとてもいとおしく、かえがたいものであった。

 

好きだった人は2人ではあってくれるがその先には進ませてくれない。でも楽しかった。

 

周りの友人からは、2人で何度も遊んでくれるのは好意があるからだとも言われていた。

 

その頃の私は毎日がうきうきしていたのを鮮明に覚えている。

 

だが現実は時に厳しい。

 

その後しばらくして、彼女は別の男性と付き合ったのだ。

 

しかもその男性は私ともとても仲が良く、彼女が好きなことについて相談もしていた。

 

なのにこの結末。

 

あの名アニメ、タッチのように、つかず離れずでもそのうちうまくいくと思っていたのに。

 

この出来事があってからしばらくは、立ち直れなかった。

 

だが、ある本で読んだ言葉が私を復活させた。

 

すべての出来事は自分にとって必要だから起こるものである。

 

そしてその出来事は自分の心の準備が整うから起きるのだ。

と。

 

そこから考えてみた。この恋のおかげで、私は何を得ただろう、と。

 

いつのまにか、普段小説しか読まなかった自分が違う分野の本を読んでいた。

 

女性にもてるようにと外見を気にし、センスが上がっていた。

 

数多くの人と出会い、見識を広めようと行動していた。

 

そう。

 

すべてはあの女性にふさわしい男になるために。仕事以外に自分を磨く方法、そのために時間とお金を使うことが習慣になっていたのだ。

 

もし、彼女とうまくいっていたらどうなっていただろうか。

 

自分を磨くことはせず、ただ家に帰り、ネットにアップされている動画を見て一人楽しむような、平凡な生活を送っていただろう。

 

今考えるとそのような生活は私には合っていない。

 

もっと活発に動いているほうが私らしいと思う。あの失恋は、自分らしさを、自分のスタイルを教えてくれていたのだ。だからこそ、失恋に私は感謝している。

 

たった、1年たらずの片思い。そのおかげで大きく成長したなと思う。

 

だが失恋は私を成長させるだけに終わらなかった。恋が進まないからこそ、自分を磨くために行っていた、新しい人達との出会いが次を加速させた。

 

私は多くの人と出会うことで見識を広めようとしていたが、この行動をしていれば当然仲良くなれる人間は増えていく。特に大きな出会いは天狼院書店という書店の人達であった。

 

この人達は、新しい私の恋を楽しみつつ厳しい言葉で応援してくれた。

 

はやく告白しろ。若いのだから大丈夫だ。時期を逃すのが一番良くない。

 

言葉を聞いていて、そんな簡単に言えるわけないと感じていた。自分の気持ちはわかっていたが、また2人で遊んでも振られるかもしれない。これから一緒に旅行にも行くような仲だから下手なことをして気まずい関係にはなりたくなくなかったのだ。

 

そんな自分の内心をまったく気にしない店主は言う。デートに誘えと。

 

この店主は一体なんなんだとおもいつつ従った。不思議と店主に従ったほうが面白いと思わせるオーラをまとっていたからだ。

 

仕方なく、だが意気揚々とLINEで次の木曜日の仕事終わりにご飯にいかない?と呼びかけてみた。

 

そして、ワンピースのルフィに従うと起きること。デートという名の冒険が始まった。

 

デートのOKがもらえたのだ。さっそく店主に報告し、お店にいた姉さんと呼ばれるスタッフさんとマシュマロのようなお客さんにデートプランについて相談していた。

 

複数人でデートプランを考えるとすぐに決まった。相手もそのプランを了承してくれた。あとは当日を待つのみ。その当日までの間も天狼院はわくわくさせてくれた。

 

天浪院には、いくつかイベントがあるのだが、そのたびにこう紹介されたのだ。

 

この人、次のデートで告白するらしいですよ。

 

それを言われた瞬間・・・ええ!! そんなバカな!!

そんなこと私は決めていないと猛烈に主張した。だが、心の奥底では否定できていなかった。自分の頭では否定したがったが、店主の言葉通り心では告白してしまいたいと思っていたからだ。

 

仕方ない。チャレンジしてこよう!!

 

前回の片思い中に得たセンス、知識、行動、経験。そのすべてが以前の自分とは違うのだから!

 

デートの後、すべてを店主には笑顔で報告し、天狼院のスタッフさん、常連さん達に瞬く間に広まっていった。

 

振り返ると本当に、恋は人を変えると思う。

 

今考えれば、小説以外の本を片思い中に読んでいたからこそ、大きな失敗をしても立ち直れるようになっていた。人と出会って経験をつもうと行動したから天狼院書店のみなさんと出会えたのだ。

 

あの日のデートの結末。告白は成功したのかどうか。すべての結論はでている。だが、それらすべてがどうであれ、天狼院の人たちとの出会いは、成功だったと思う。

 

もし、あの一年前の恋がなければ今の成長はなく、この新しい恋は今のようにはならなかっただろう。

 

これからもあの書店で本が読めること。恋の話ができることは、本当に幸せである。

 

***
この記事は、ライティングラボにご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2015-07-27 | Posted in ライティング・ラボ, 記事

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