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メディアグランプリ

出産という名のチーム戦


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鵜飼優子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
子どもが生まれるという、とても神秘的な出来事。昨年、わたしは、子どもが生まれる瞬間に立ち会いました。きっかけは昨年の2月ごろ、ひとつ年下の妹から連絡が入ったこと。
「お姉ちゃん、妊娠したかも!」と。嬉しさとともに思ったのは、妹の出産に立ち会いたいという気持ち。身近な人から、新しい命が生まれってどんな感じなのだろう? 子どもが生まれるという神秘的な瞬間をみたい!
 
すぐさま、妹におめでとうとメッセージを送り、出産に立ち会いたいと伝えました。すると妹からの返事は、「誰にも立ち会ってもらうつもりはないよ」と一言。わたしはてっきり「お姉ちゃんがいると心強いし、ぜひ立ち会って」と返ってくると思っていたので、落胆。しかし、どうしても出産に立ち会いたい、妹の応援をしたいとの一心で、しつこくお願いし、なんとか説得し、無事に出産に立ち会う許可をもらいました。
 
大体の出産の流れは、予定日が近づき、陣痛がきて、病院に行って出産となりますが、妹の場合は違ったのです。もともとの予定日から10日過ぎても赤ちゃんが出てくる気配がなく、このまま待っていると赤ちゃんと母親の身体に負担がかかるのこと。急遽入院する形になりました。入院をしてからは、誘発剤と呼ばれる陣痛を促す薬を投与し、さらにバルーンと呼ばれる子宮口を広げる器具の2種類を用い、陣痛をひたすら待つ。
 
入院したらすぐに生まれるのかと思いきや、待てども、待てども、陣痛がきません。
病院で出してもらう豪華なご飯をぺろりと間食し、元気いっぱいの妹。あっという間に、3日が過ぎていきます。
「あれ? もしかして、妹が痛みに強く、陣痛に気づいていないのか?」と今思えばありえそうもない心配をしながら、いつ生まれるのだろうとその日を待ちわびていました。
 
ついにその日はやってきました。入院して、5日目の朝のこと。 「陣痛が来た!」と、連絡をもらい、急いで病院へ向かうと、それまでとは違い、痛みに耐え、かなりきつそうな妹。わたしは、これが陣痛の痛みなのかと、妹の腰をさすり、がんばれ、がんばれと励まします。
陣痛というのは波があり、始まればすぐに赤ちゃんが生まれるわけでなく、痛みの波の間隔がだんだん縮まってくるもの。10分間隔だったのが、生まれる前には、1分間隔になります。
 
陣痛の痛みがくると妹は深呼吸をし、付き添うわたしたちは、ひたすらさする。陣痛の痛みがある本人が一番大変なのですが、さする側のわたしたちも大変でした。手は摩擦で熱くなり、さすりすぎて妹の着ている服は毛玉ができ、パンツは薄くなっていました。まさに、さすりの勲章です。陣痛がきたらさするという流れを繰り返していると、陣痛の間隔も夕方ごろには、3分間隔になりました。そこまでくると、痛みとともに、いきみたいとなってくるようです。しかし、ここでいきむと、下へ下へとおりてきている赤ちゃんの動きを止めてしまうので、いきみを逃して我慢をしないといけません。いきみをどうやって逃すかというと、テニスボールを使います。いきみたいという妹のおしりにテニスボールを当て、押し返す。なんと驚いたのは、このテニスボールは病院で用意されていて貸してもらいました。テニスボールで押すのはかなり力がいり、なおかつ、さするという作業も同時に行うので、わたし、母親、妹の旦那さんと代わるがわるで行いました。
 
そして、とうとう陣痛が1分間隔になり、分娩室へ移動となりました。分娩室への立ち会いいは、妹の旦那さんとわたし。分娩室に入ると、我慢していたいきみも解放です。赤ちゃんが出てくるタイミングに合わせて、呼吸も合わせ、いきみます。わたしは応援するのみ。「ふーはー」と呼吸を繰り返すと、赤ちゃんの黒い髪の毛が見えてきました。そして、分娩室に入って18分後、「おぎゃー!」と赤ちゃんが生まれてきました。待ちわびた赤ちゃんと対面です。もう、可愛くて可愛くてたまりません。みんなで写真を撮り、可愛いねと赤ちゃんを眺めていると、妹が一言。「ごめん、眼鏡なくて、うっすらとしか見えへんのやけど」慌てて眼鏡を取りにいき、くっきりと赤ちゃんがみえる状態で妹と対面です。その途端、妹は今までに見たことのない表情で、微笑みお母さんの顔になっていました。
 
妹の出産に立ち会ってみて、自らの興味本位で申し出たものの、その裏では、自分自身の出産が怖くなるかもしれないという一物の不安もありました。しかし、終わってみるとそんなことは一切なく、わたし自身の出産のイメージと意欲が強くわいてきたのです。そして、出産というのはひとりでするものではなく、母親本人、赤ちゃん、旦那さん、病院の助産師さん、先生、そしてそれぞれの家族、みんながひとつになって、チームで誕生を迎えるものだと感じました。
 
たくさんのひとに見守られて、生まれてきた赤ちゃん。今後の成長が楽しみです!めでたく叔母となったわたしは、「可愛い」が溢れ、あの絵本をプレゼントしよう、あの服が可愛いかなと、叔母バカが炸裂しています。赤ちゃんの成長を見守りながら、わたしも共に成長していかなければ!
 
 
 
 
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2020-01-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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