骨盤を立てると疲れにくくなる
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:芝田エル(ライティングゼミ平日コース)
座り方を探究する。
これが最近の私の関心ごとである。
私の仕事はほぼデスクワークで、会社では与えられた机とキャスター付きの椅子で過ごしている。椅子の居心地が悪くて、これまで2回交換してもらった。自分でもクッションを買ってきて工夫をしているけど、いまだにしっくりきていない。
パソコン・机・椅子のバランスが悪いのが原因だと思う。
その上姿勢が悪く、首・肩・股関節の痛みが常にある状態だ。
それで数年前からカイロ・プラクティックに月一で通っている。
情けないけれども健康に気を付けているのはここに通うことだけだ。
そんなある日整体師のゴリさんから「座り方を自分で観察してみないか」とのお誘いを受けた。
自分の座り方の観察をしながら、姿勢を整えていくのだそうだ。
特別な道具は何もいらない。
ゴリさんが言うには「骨盤を立てて暮らすと、呼吸が深くなり疲れにくくなる」というのだ。
車の運転や電車の中でも背もたれを使わずに自分の体幹で支えて座る。
背もたれを使わないで運転するだって?
想像しただけでひどく疲れそうだけれども、ゴリさん曰く姿勢を正すと疲れないのだそうだ。
座り方を観察するサークルは「コツラボ」と言って、楽に気持ちよく健康的に暮らす「コツ」をつかむことを目的にしている。観察したことや感じたことをレポートし、月に1回仲間が集まって体験をシェアするのだ。
自分を材料に観察と実践を繰り返すのは、私は大好きだ。今より疲れずに楽にいられるのならいいな、そう思ってコツラボに入ることにした。
最初のレポートには自分の現況を書いた。
まずは車通勤である。一日の歩数は4000歩以内。運動は何もしていない。体が固く、常に首・肩・股関節が痛い。職場の椅子と机が合ってないと感じている。
椅子のキャスター部分に自分の足を載せて、前のめりに座っている。
リラックスしているときは背もたれに寄りかかって、猫背になっている。
スマホを見る時間も一日2~3時間はあるので、首が凝って時々頭痛もする。
ついでに職場の同僚に頼んで、私が座って仕事をしている姿を写真に撮ってもらった。
ゴリさんからの説明を受けて、翌日から「骨盤を立てる」ということを意識し始めた。
人は猫背になると背中から腰が緩むので、骨盤は斜めに寝たような状態になる。
人体模型で見るような立った骨盤であるためには、背中から腰はまっすぐで、なおかつお腹も引っ込めているような姿勢でなければならない。
私は気が付くと姿勢を正すようになった。
それから合わない椅子をやめ、バランスボールを置いてみたらどうだろうと考えた。
あれこそは体幹を鍛えるためにあるものだから、仕事の時間をバランスボールで過ごせば、一石二鳥かも知れない。
私はしまいこんだバランスボールを引っ張り出した。
背骨が緩むと後ろにひっくり返る危険性もあるから、おのずと体幹には力が入る。
2~3日はいいような気がした。
4日目に少し込み入ったことで手紙を書く仕事があった。
紙と鉛筆で下書きを始め、それから定型文の文章と見比べたりしながら、言葉を整えるのに3時間くらいを要した。その時バランスボールでふわふわと上下移動する座り方だと、集中できない感じがした。
それでバランスボールをよけて、今度は丸椅子を持ってきた。
古いラーメン屋さんにあるような椅子である。これだと最初から背もたれはないので潔い感じだし、座面が固いがそれだけに一点集中しやすい感じがした。
骨盤を立てつつ机にも向き合いやすく、今までで一番座り方に無理がないと思った。
30分も座るとお尻が痛くなってくるので、立ち上がって別のことをする。
この座ったり立ったりも適度な気分転換になった。
私の部屋の前を通る人は、椅子がバランスボールになったり丸椅子になったりするものだから、どうしたのかと尋ねてくる。
その都度「今座り方を探究していてね」と説明すると、みなさん何かしら不具合があると見えて「一番いい方法があったら私にも教えてください」という。
さて私はそれまでの経過をレポートに書いて、再び同僚に写真を撮ってもらった。
2枚並べると一目瞭然、まっすぐ無理のない姿勢に変わっていた。
そしていつのまにか首や肩の凝りを感じなくなり、背もたれを使わずに長時間ドライブするようになった。
丸椅子に満足しているわけじゃないけれど、自分自身の変化はうれしかった。
ゴリさんに写真とレポートを送った。
日曜日にコツラボの仲間6人が集まって、お互いの話を聴きあった。私も自分の座り方を探究するうちに、身体と姿勢を意識するようになり、これは自分を大切にするということなんじゃないかと感じた、と話をした。話すうちに自然に出てきた言葉だった。
他の参加者からは「養生」という言葉が出てきた。古めかしい言葉だが健康に気を付けて病気を防ぐという意味では、自分の体を観察するというのは大事なことである。
私が子供だった頃は今みたいにすぐ病院に行くこともなかったし、母が家族の小さな変化に気をつけていたように思う。
座り方を通して自分の体が喜ぶことを考える。
忙しい現代だからこそ、とても大切な気がする。
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