研究テーマはくだらなくていい
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:星永俊太郎(ライティング・ゼミ日曜コース)
NHKで「ろんぶ〜ん」という番組がありましたが、ご存知でしょうか?
固いイメージのある研究論文を、研究者と芸人さんが一緒になって、ロンブー田村淳さんにやさしく解説する、そんな番組です。
とても面白かったのですが、残念ながら終わってしまいました。しかし、現在4週連続で復活しているのです(2020/1/6〜2020/1/27)
この番組の良さは、「あ、こんな研究テーマ」でもいいんだと研究論文に対する敷居を下げると共に、研究者の方がとても楽しそうに研究内容について話すところだと思います。
1/13放送の第二夜では、
「メイドカフェのメイドさんの名前を、音声学の観点から研究した論文」
が紹介されました。メイドさんの名前の音の響きから、そのメイドさんが萌え系なのかツンデレ系なのかを判別する研究です。ただ、番組内の映像では、研究者が満面の笑みでメイドさんと写った写真も多数紹介され、
「いや、研究にかこつけてメイドカフェ行きたいだけやろ!」
と、思わずテレビに突っ込んでしまうくらい、楽しそうに研究されている様子でした。
私は理系の大学だったので卒業研究があったのですが、どうにも研究テーマが決まらずに困り果て、どうにもならなくて指導教官や先輩に迷惑をかけて、なんとか卒業研究をやり切った記憶しかありません。
先日、あるライティングの課題で「大人の自由研究」を考えてみよう! とあったのですが、研究テーマとして何を考えたらいいのかがまったくわかりませんでした。
「ろんぶ〜ん」を見ていると、自分が興味を持てることならなんでもいいんだろうな、と思うのですがピクリともアイディアが浮かんできません。
困り果てて、「アイディアの発想法についての本」や、「研究テーマを決めるには、といったWebサイト」や、「企画とは? といった本」を読んでみましたが、どうにもピンと来ませんでした。
そんなとき、一冊の本に出会いました。
「自由研究できたえる!! ホンモノの考察力」
小学生、及びその保護者向けの自由研究の本です。自由研究のテーマに困って工作や旅行の写真でお茶を濁そうとしている子供たちに、「謎を解き明かすのが自由研究だ」と説きます。
そして、まさしく私が困っていた、
「何を研究テーマにしたらいいの?」
「謎はどうやって見つけるの?」
「謎の答えは、ググれば解決する?」
といったテーマが取り上げられていました。
好きなものからも謎を発見できる! として、好きなことから連想されることを書けば、それが謎になる、とありました。例えば「カマキリ」から連想した「緑」「鎌がある」「大きい」に対して、なぜ? と聞くと自分がわからないことに気が付けるのです。
これを見て、私自身も、知った気になっているだけで、世の中には知らないことは山ほどあることを思い出しました。というよりは、むしろ気付かないふりをしていたような気さえします。自分が「知らない」ということに気が付いてしまうと、ストレスが掛かるからです。知らないままだと落ち着かないし、知るためには頭を使ったり調査しないといけないので面倒くさい。
大人になるにつれ、知らないことはそのままにして、表面上だけ要領よくやるのがカッコいいんだと勘違いをしていたようです。そのせいで、自分が知らないってことにすら、気が付かないようになっていたなんて。
知らないことを知ることって本来は楽しみのはずですよね。なので、まずは練習として、どんなくだらない疑問にもできるだけ向き合ってみようと思いました。
その結果、先日の職場の飲み会での、こんなくだらないやり取りにも真剣に向き合ってみました。
「1億円って、500円玉で渡せるんですかね?」
そもそも酔っ払ってて暗算出来なかったのでスマホを取り出しました。500円玉が20万枚で1億円です。
「20万枚ってイメージ湧かないですよね? 市場にそんなに流通してるんですか?」
確かに、枚数が流通してなければ、払えないな。なぜか、私が調べる係になってしまい、仕方なく調べます。えーっと、500円玉の平成30年、1年間での発行枚数が約2.8億枚だって!
「1年分のたった0.1%だから大丈夫そうですね。でも、20万枚って、手渡しできるんですかね?」
「手渡しする予定?」
「いや、テレビでは1億円はジュラルミンケースで渡してるから、500円玉でもできるのかな? と思って」
なるほどね。そもそも、持てるのか? えっと、500円玉は1枚が約7gだから、20万枚だと約1.4トンかな。
「さすがに手渡しは無理そうですね。2トントラックで載りそうですけど、体積的に載りますかね?」
ああ、もう、うるさいな。500円玉を円柱として考えると、積み重ねた時に隙間が出来ちゃうから、四角柱として考えるか。
500円玉の直径が約27mm、厚みが約2mmだから、27mmx27mmx2mmx20万枚=約0.3平方メートル。縦、横、高さが1mの立方体が1平方メートルだから、それより小さい!
「2トントラックの幅は、大丈夫ですかね?」
小さい2トンショートと言われるトラックで全長4.7m、全幅1.7m程度とあるから、大丈夫だ!
「2トントラックに載りそうですねー。でも、20枚以上の硬貨は受け取り拒否できるって噂もありますけどね」
なんて、酔っぱらった理系っぽいくだらない話を延々としていましたが、最初はこれくらい、くだらないことでいいんだと思います。リハビリだと思って。
どんな小さなことでも疑問に思って、自分の頭を使って考える。この繰り返しで、もっと大事なこと、自分の人生についてとか、についても考えることが出来るようになるんじゃないかな、と思っています。まずは日常の疑問をメモするところからかな。
みなさんも、くだらない疑問について考えてみませんか?
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/event/103274
天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。